Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2008/11/17
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 「グレンリベット(The Glenlivet)」と言えば、全世界で最も飲まれているスコッチモルト・ウイスキーの一つ。ゲール語で「静かな谷」を意味する銘柄は、フルーティーで、ハニーやバニラのような香りを漂わせ、ほど良い甘さで、優しく繊細な味わい。絶妙なバランスが自慢のシングルモルトとして広く知られている。the Glenlivet

 その味わいは、グレンリベットと同じくらい世界中で多く飲まれているモルト、「グレンフィディック」とも共通点があるが、シングルモルトの王道をゆくものとして愛好家から高い評価を受けている( 写真左 =オフィシャルボトルの12年、15年、18年(左から))。

 僕の馴染みのBARのマスターは、初めてスコッチモルトを体験するという客に代表的な3種類のティスティング(20mlずつ)を勧める際、ボウモア、マッカラン、そしてグレンリベットを選ぶことが多い。

 すなわち、様々な銘柄のモルト旨さや味わい、香りなどを比較する上での「スタンダード(標準酒)」とも言える。僕も他の銘柄のシングルモルトを味わう際、「リベットに比べると***だなぁ…」と言い方をよく口にするくらい。

 酒税法が改正され、密造酒の横行が一段落したスコットランド・ハイランド地方で、1824年、創業者のジョージ・スミスが興したグレンリベット蒸留所は「政府公認」第一号となった。エレガントな香りと優しい味わいが人気を集め、当時多くの蒸留所が「***** of Glenlivet」と名乗るモルトを商品化したほど。

 スタンダードをゆくバランスの良さは、見方によっては、「個性に欠ける」という評価も受ける。実は僕自身も、そうした欠点らしい欠点のない味わいが物足りなく、Glenlivet Tasting普段はあまり飲まないシングルモルトだった。しかし、ある機会に古い時代(1970年~1980年代)のグレンリベットを味わった僕は、それが間違いだと気が付いた。

 クリーンな味わいのゴールド色モルトを造り出すために、バーボン樽の使用比率(シェリー樽の使用は抑えめ)の高さにこだわり、ゆっくりとした風味づくり・熟成のために樽材は仏産オーク(「リムザン・オーク」と言う)にこだわる。それが軽やかだけれどもエレガントという味わいを生む。

 そんなグレンリベットのすべてをじっくり味わえる機会があるというメールを先日、なじみのBARからもらった。ニューポット(樽詰め前の原酒)、12年、15年、18年、ナデューラ、オフィシャル12年の旧ボトルの6種類(約10mlずつ)を一度に味わえるという= 写真右 Dry Fruits

 そんな機会はなかなかないので、早速お店にお邪魔した。聞けば、このテイスティングを企画したのは、輸入代理店だとか。もちろん販促や客へのPRが目的なのだが、そんなことより、僕にとっては、まだ味わったことのないグレンリベットのニューポットを楽しめることが何よりの魅力だった。

 味わった6種のうち、オフィシャル12年、15年はまぁ知っての通り。18年の熟成感も言うことなし。シェリー樽熟成のお手本のような味わい。ナデューラは何度か味わったことがあるが、度数が強い(約59度)ので、まだつかみどころがよく分からない。Glenlivet 12 years Old Bottle

 嬉しかったのは、1杯(種類)ずつ提供される際、そのモルトに合うつまみ(ドライ・フルーツ、チョコレート、スパイスなど)がチョイスされて一緒に楽しめること。これだけ飲めて味わえて2500円だなんて、夢みたいな話です( 写真左上 =モルトとドライフルーツは相性抜群!)。

 この夜、どれよりも感動したのは、旨みが凝縮したニューポット(よく言われるたとえだけれど、まるで上質のグラッパかマールのよう)、そして12年の旧ボトル( 写真右 )。オールドボトルの特徴である「ひね香」はかすかにするけれども、それがうまい具合に旨みと調和している。

 グレンリベットは不思議なモルトだ。独特のクセや個性をあえて強調せず、優しさやエレガンスを追求することが、グレンリベットをグレンリベットたらしめている。6種類を一晩で味わえる至福に包まれ、改めてその素晴らしさを見直した夜だった。

 この貴重なテイスティング、年内一杯は希望すればまだ楽しめるという。ご興味がおありの方は、大阪ミナミの 「Bar・HAYAFUNE」 (大阪市中央区東心斎橋1-4-1 大和ビル10号館B1F 06-7651-8007 午後3時~11時 日祝休)まで、ぜひどうぞ。


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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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