前半の二曲の現代音楽(オズヴァルド・ゴリジョフ(ゴリホフ)Osvaldo Golijov)が凄かった。Yiddishbukkっていう弦楽四重奏曲と「盲目アイザックの夢と祈りThe Dreams and Prayers of Isaac the Blind」とかいうクラリネット五重奏曲。ゴリジョフ氏は、まだ45歳ぐらいの現役作曲家。アルゼンチン生まれで東欧ユダヤ系らしい。ロシア民謡っぽい旋律とか「屋根の上のバイオリン弾き」っぽい旋律も随所に現れて、実に楽しめた。奏者の方々も、足を踏み鳴らしたり、半分腰を浮かせてスイングしながら弾いたりして、見た目には多いに笑えた。クラリネット奏者が、4本のクラリネットを次から次へと持ち替えながら吹いてたのも圧巻。 何より僕が意外に感じたのは、こういう賛否両論に振れがちな前衛的な音楽を、会場の観客が明らかに堪能していたこと。ニューヨークの聴衆って、ほんとは文化レベルが高いのかもしれない。演奏中に携帯電話を鳴らしちゃう「こまったちゃん」も多いけど(死語)。