まず、冒頭、ピアノの長い独奏で始まるのには驚かされる(序奏ではなく独奏)。 全体的に決して弾きやすい曲ではない。1楽章の後半なんて、上昇音階の大合戦。ピアノの左手 vs チェロ、そして、ピアノの右手 vs バイオリンの一本勝負。しかも臨時記号の嵐。 バイオリンとチェロ同士が絡むとこすらあまりなくて、三度でハモるとこが2楽章にかろうじてある。 3楽章(終楽章)の変奏曲は、全曲のなかでは一番楽しいかもしれないけど、ルースやセスが絶賛するほどには僕は好きになれなかった。強いて挙げれば、第四変奏、短調かつ単調な四分音符の羅列で、ちょっと切ないチェロのソロがいい。