ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Nov 4, 2007
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「人ごみの中にソを弾きにいく」

 今日は「室内楽まつり」に参加した。個人の主催によるものだったけど、ニューヨーク近郊のプロ、アマ合わせて約30名もの室内楽おたくによる決起集会。

 僕もいくつかのセッションで演奏して、情報交換したりしながら交友を広め、有意義な時間を過ごせた。懐かしの友だちとも再会できたし。

*****

 このテの催しでの定番曲と言えば、当然ながらメンデルスゾーンのオクテット。
僕が前回この曲を合わせたのは去年の春 室内楽の「第九」 と(たぶん)位置づけられているこの大曲、やっぱり年に一度は弾かないと年が越せない。

 今回も事前の手配からして難航。僕はいつのまにか主催側に回ってしまい、調整係に大抜擢されて大慌て。

 そんなこんなで、八人が無事に席に着いて調弦が始まったときにはホッと胸をなでおろした次第。

 最終的な配役は、Vn1トーニー、Vn2アリソン、Vn3ジェニー、Vn4フーンジュン、Va1僕、Va2マーティン、Vc1ポール、Vc2ピーター。
 みんな気合い入りまくり。特に第2チェロのピーター、4楽章冒頭を何度もさらってた。

 さすがに名曲ではあるけれど、八人が個々の役割分担をきちんと理解していないと、単なるやかましい曲になってしまう。
 今日は(細かいとこはさておき)要所要所がビシッと決まり、互いに意思疎通を図りながら全体像を捉えるように心がけて演奏できたと思う。醜い派閥争いもあんまりなく、フレーズが変わるたびに、旋律系グループと伴奏系グループに瞬時に分かれながら楽しく弾けた。

 ひとえに、我らがボス、トーニー(第1バイオリン)の手腕によるとこが大きかった。さすが。

*****

 さて、この曲、ちょっと滑稽な一面も覗かせる。

 例えば終楽章プレスト。バイオリンが交互に単音を弾くとこ。あたかも一人が弾いてるように旋律線をつなげて四人の純血を証明する聞かせどころ。
 ちゃんと数えていれば決して難しくはないのだけど、いざ弾こうとすると思わず躊躇してしまったり、うっかり飛び出しては誰かとダブってしまったり、意外にうまく行かない。

octet4.JPG

 確かベートーベンのラズモフスキー2番だったかにも同様のプチ難所がある。


 それに、音程とかリズムとかの技術的なこととは全く関係ないものの、例えばダカーポとかリピート記号が出てくるたびに落ちる人、必ずいる。「足手まとい」な印象を周りの奏者に与えてしまっては致命的! ←経験者は語る(笑)。

 大きい編成の室内楽になればなるほど個人の負担が減るというわけでは決してなく、逆にますます緊張してしまうのは僕だけではないハズ。





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最終更新日  Nov 6, 2007 10:18:46 AM
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