ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Sep 26, 2009
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テーマ: 映画鑑賞(893)
カテゴリ: 映画、テレビ
「エコとエゴ」

 いやぁー、今日観たドキュメンタリー、いろいろと考えさせられた。環境汚染うんぬんというより、人の性(さが)とかについて。

<内容>

  ニューヨーク在住の作家コリン・ビーヴァンは、ある日突然、環境への影響をなくす(no impact)生活を開始する。電気を使わずにロウソクを使用、トイレ紙を使わずに布を再利用、シャンプーや洗剤も自家製。

 妻と幼い娘を巻き込んだ彼の一年に及ぶ波乱万丈「エコ生活」は、世界ぢゅうのメディアで紹介され、一定の評価を得る。しかし一部で「自己満足」「偽善」呼ばわりされ、嫌がらせのメールや手紙が送りつけられてくる。彼のブログも炎上寸前。

 やがて彼は、自分ひとりが頑張っても地球のためには何にも役立っていないことを悟り、虚無感に悩まされる。そして、少しでも仲間を増やそうと啓蒙活動に力を注ぐ。

noimpactman.jpg 日本では未公開

<感想>

 地球に優しい生活をしなきゃいけないのは、さすがに誰でもわかっている。でも、彼ほど徹底的に実践してる人はまずいない。
 工夫次第で電気を使わずに暮らせることに驚いたし、素直に感心したけれど、それよりも興味深かったのは、彼のこの企画に批判的な人が意外に多かったということ。そこまで積極的に非難するとは……。僕なんかは単純だから、「へぇー、すごいなー偉いなー。オレも少しは見習ってみようかなー」という(小学生並みの)感想しか持たなかったのに。


 確かに悔しい。我々の浪費癖って、「文化的で文明的な生活をするために」正当化されてたはずではなかったのか。

 環境汚染防止は大切だけれど、ぶっちゃけ、オイラは関わりたくない。今は景気回復のほうが大切だから、もっと浪費すべきだ。世界一の経済大国たる我らアメリカ大帝国サマが、ちまちまと「エコごっこ」してどうする。Viva、消費っ!

 口には出さなくとも、多くのアメリカ人はそう思ってるはず。そして、アメリカの矛盾を見事に突いたこうゆうドキュメンタリー映画の存在には見て見ぬふりをする。
 実際、今日のニューヨークの映画館もガラガラだった。しかも皮肉にも冷房がガンガン効きまくって凍え死にそうだった(笑)。


追記 : 奇しくも、今朝の新聞で、アル・ゴア元副大統領が、「温暖化防止のため、ニューヨーク市内の全ての建物の屋根を白く塗るべき」とかいう提案をなさっていた(NYC Cool Roofs program)。市民はこの提案をどう受け止めるだろうか。





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最終更新日  Sep 27, 2009 11:58:10 PM
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