ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 4, 2010
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「賀春」

 一時帰国のご挨拶および新年のお慶びを申し上げるべく、かつての音楽の師匠、A先生のもとに伺う。氏はピアニスト(兼声楽家)。先生ってば、「せっかくだからバイオリン持って来なさい。なんかの曲で遊びませう」とのたまうので、ちゃっかり春ソナを持参。

 いろいろ近況報告し合った後で、いよいよ久しぶりに師との共演。1楽章と4楽章のみ。

 この曲って、個人的には僭越ながら「おはこ」のつもりでいたのに、毎回新たな発見があって、全然飽きない。
 そもそもベートーベンのバイオリンソナタって、ほとんどが初期に書かれてるわけだし、アンサンブルの感覚としてはモーツァルトのソナタの延長と考えたほうがうまくいくのかも。つまり、ピアノを主役扱いし、バイオリンはオブリガート感覚?
 そのへんの均衡度の処理は実際にピアノと何度も合わせて経験を積む以外に学べないことなので、すごくアタマを使う。

 とにかく完ペキな楽曲。例えば、音域。バイオリンとピアノとが邪魔し合うことなく、それぞれが引き立つように書かれてる。音域がダブるところはリズムが相反するようになってたりして(=三連符とか)、もー心憎いっ!

 ベートーベンのほかのバイオリン曲(協奏曲や、交響曲、弦楽四重奏曲、ピアノ三重奏曲などのバイオリンパート)のどれともキャラのかぶらない、れっきとした個性的な音楽ジャンルとして確立されてる。やっぱり彼は天才ちゅうの天才!

 ってゆーか、ベートーベンのくせしてこんなにお目出度く明るくていいんだろか。





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最終更新日  Mar 29, 2021 01:11:06 AM
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尊敬するのはベト、好きなのはモーツアルト、泣けちゃうのはブラームス  
カバシマ さん
Mozart バイオリンソナタ 42 K526 から偶然入って、憤慨したり、同感したり、何故か毎日貴ブログを読む事が習慣になってしまい、”?”。今日のはとてもおもしろかったです。 (Jan 10, 2010 04:23:29 PM)

Re:尊敬するのはベト、好きなのはモーツアルト、泣けちゃうのはブラームス(01/04)  
カバシマさん

こんにちは。コメントありがとうございます。

>Mozart バイオリンソナタ 42 K526 から偶然入って、憤慨したり、同感したり、

憤慨なさってしまわれたのですか。それはそれは失礼いたしましたっ!

>今日のはとてもおもしろかったです。

おぉっ、ありがとうございます。
(Jan 11, 2010 01:48:16 PM)

Re[1]:尊敬するのはベト、好きなのはモーツアルト、泣けちゃうのはブラームス(01/04)  
カバシマ さん
はい、私の(ベトの)K464の評価に激高、誤字してしまいました。そして、らしさがないのがモーツアルト、それ程深い、広いと思った事。“アイネ”は初歩。ギャラント華麗タイプ、ストイック透明の美、疾風怒涛のロマン、時空越えた霊感& etc。霊感!ゴヤのマハの足にある、ドストエフスキーの作品にある、そして死の床のモリエールを蘇らしたPC27。PC18,20,Vln S.、Sy40 レクイエム。。。。。。先日大御所の交40をTVで聴き、モー嫌いだった私を一瞬にして、理解させたベームの“音の出る前の一拍”が無いと思いました=リズム。モーさんが酸っぱく言ったリズムは絵でも何でも同。ベームも遅くにワルターから影響されMozart理解したと。ベトのこよなく愛したK464の対位法、第一Vln.の高音に答える鈍く渋い低音、モー氏のイ長調!悲哀を語り、慟哭までする、慰めの低音、合奏は鳥肌もの、緊張極度。で、(ドコドンドコドン)しかないのです。現代ジャズみたいな前衛で“そんなもんかー”とHappy end. つまりモーさんはくつろぎの法悦感、ベトさんはアドレナリン全開の法悦感で終わるのです。ところで日本での演奏会期待しております。?モーツアルトと同じ職業って、きつくない?

(Jan 11, 2010 03:44:19 PM)

Re[2]:尊敬するのはベト、好きなのはモーツアルト、泣けちゃうのはブラームス(01/04)  
カバシマさん

>アイネ”は初歩。ギャラント華麗タイプ、ストイック透明の美、疾風怒涛のロマン、時空越えた霊感& etc。霊感!ゴヤのマハの足にある、ドストエフスキーの作品にある、そして死の床のモリエールを蘇らしたPC27。PC18,20,Vln S.、Sy40 レクイエム。。。。。。先日大御所の交40をTVで聴き、モー嫌いだった私を一瞬にして、理解させたベームの“音の出る前の一拍”が無いと思いました=リズム。モーさんが酸っぱく言ったリズムは絵でも何でも同。ベームも遅くにワルターから影響されMozart理解したと。ベトのこよなく愛したK464の対位法、第一Vln.の高音に答える鈍く渋い低音、モー氏のイ長調!悲哀を語り、慟哭までする、慰めの低音、合奏は鳥肌もの、緊張極度。で、(ドコドンドコドン)しかないのです。現代ジャズみたいな前衛で“そんなもんかー”とHappy end. つまりモーさんはくつろぎの法悦感、ベトさんはアドレナリン全開の法悦感で終わるのです。

おぉっ、なるほど。目からウロコです!
年末ぐらいからベートーベンのカルテット18-6をさらってるのですが、なんかわかりかけてたはずのベートーベンの音楽のはずが、全くの未知の作曲家のように思えてきて混乱してたとこでした。

>ところで日本での演奏会期待しております。

そんなものはございませんが。
友だちと激しく呑みまくって日本滞在が終了してしまいました。
(Jan 15, 2010 08:25:44 AM)

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