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January 27, 2006
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カテゴリ: 教授の読書日記



この本、ごく平凡な日々を過ごしていた高橋さんが、たまたま通っていた陶芸教室の先生に古伊万里を見せられたのをきっかけにこの道に開眼し、以後、骨董を求めて東へ西へ奔走する骨董主婦になってしまった次第を、短いエッセイを連ねる形でまとめたものなんです。

ま、いわばそれだけのものですから、興味がない人にとってはさして面白い本ではないかも知れませんが、いつの日か「骨董店」であるとか、「骨董市」と言われるようなところに行ってみたい、などと考えている今の私のような人にとっては、気軽に読める楽しい読み物ではあります。

また、高橋さんは西東京の郊外にお住まい(今は違うようですが)で、お気に入りの骨董市のひとつが高幡不動で開かれる市だった、などと書いてあるのを読むと、なーんだ、私の実家の近くでそんな有名な骨董市が開かれていたのか! と、またまた興味が湧いてしまいます。実際に高橋さんが購入された古伊万里の陶器の写真も載っていますので、それらを見て楽しむこともできますしね。

しかし、今でこそ骨董ブームの中で珍重されているけれど、もともと古伊万里なんていうのは昔の実用品だったわけで、当時としては実用品としての価値しかなかったものなわけですよ。ですから、かつて日本のどの家庭でも使われていた実用品が、いかに美しいものであったか、という驚きがまずある。と同時に、その美しさが変に理解されてしまったために、古伊万里の値段が上がってしまい、今では一部の好事家の手から手へ渡っていく美術品になってしまったという恨みもある。骨董というのは、そういう矛盾の上に成り立つビジネスなんですなあ。

ま、そこが面白いところなんですけど。

そういう意味から言えば、今、既に珍重されているものに目を向けても、あんまり面白くないということになりますね。自分ではとても美しいと思うのだけど、今のところ一般には見向きもされていないもの・・・骨董趣味を始めるなら、そういうものを見つけるところから始めるのが面白そうだなあ。たとえば、ちょっと前までどこの海岸にも落ちていた「角のとれたガラスの破片」ですが、あれが美しいということが言われ始めた途端に、もうどこの海岸に行っても見かけなくなりましたもんね。そういうのを、私も見つけてみたいな。それは、ひとつの美の発見ですからね、大げさに言えば。

ちなみに、私の家や研究室には、1950年代のアメリカのペーパーバックがうなるほどありますけど、これらの美しさが理解され始めて、高値で取引されるようになったら、私はとてもお金持ちになれるのですが・・・。無理か・・・。

ま、それはともかく、今度いつか実家に帰った時などにチャンスがあれば、高幡不動の骨董市に遊びに行ってみたいものだなぁ、と思っているワタクシなのでした。




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Last updated  January 27, 2006 06:04:25 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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