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September 3, 2014
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カテゴリ: 教授の雑感
 学会の資料室をあずかっている関係で、日本中からアメリカ文学関連の研究書が私のもとに送られてくるのですが、最近多いのがいわゆる「論文集」という奴。つまり大勢の著者が論文を出し合って、一冊の研究書を編むというパターンですな。

 しかし、この種の論文集を見るにつけ思うのは、これは色々な意味で損なんじゃないかと。

 大抵の論文集にはテーマがあって、そのテーマに沿った論文が集まるのではありますが、しかし、個々の研究者の興味や研究対象はどうしても違いがあるので、結局、散漫な論文集になってしまうことが多いわけですよ。そうすると、そのバラバラなものを書評するのも大変なので、実際、あまり書評の対象にならなかったりする。

 だから、論文集に論文を提供しても、個々の論者にとってはメリットになってないんですよね。もちろん、論文を本の形で出したということで業績は稼げるけれども、それでその先どうなるということもない。

 だけど、論文を書く労力に変わりはないので、論文集に論文を提供するとなった時点で、その先半年か一年ぐらい、簡単に潰れちゃったりするわけですよ。私も、以前、そういうのをやったことがあるので、よく判るのですけれども。

 でも、そういう経験を何回かした後、「これは自分のためにならないな」と思うようになったので、今はもう、他人が編集する論文集に論文を提供するということはありません。全部断る。まあ、義理があって、世話になった先生の退職記念論文集に書くことはありますが、それも「後で自分の本の一部にしよう」というつもりで書いています。

 結局、論文集で得をするのは、編者になった人だけですからね。

 だから、研究者たるもの、人の論文集に論文を提供するより、自分の本を出した方が良いと思う。科研費とか、あるいはそれぞれの大学で出版助成制度とかあるわけですから。

 人のことに口を出すつもりもないですけど、立場上、優秀な研究者たちが、人の論文集に精力を吸い取られているのを見ることが多いもので、ついそう思っちゃうんですよね・・・。それに、自分の本を出すということは、それ自体面白いし、本が出れば充実感は半端ないし、その本で自分が人から判断されるわけだから、その毀誉褒貶のただ中に身を置くのは怖いけれど、だからこそ面白いものを書こう、面白いと思われるにはどうしたらいいんだろうって考えるのじゃないのかな、と。






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Last updated  September 4, 2014 01:11:15 AM
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Comments

釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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