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October 30, 2017
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今日はですね、なかなか面白い発見がありました。いや、勤務先の図書館の中でのことなんですけど。

 明治時代にいわゆる「お抱え外国人」として日本に38年間もの間滞在し、当代きっての日本通となったばかりでなく、日本の西欧化にも一役買った人物にバジル・ホール・チェンバレンっていう人がおりまして。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)なんかとも親交のあった人ですな。

 で、チェンバレンは1911年にイギリスに帰るのですけれども、その際、日本滞在中に集めた膨大な蔵書の一部を残していったんですな、日本に。

 で、そのチェンバレンの蔵書が、どういうわけか、うちの大学にあるのよ、「チェンバレン文庫」として。で、それは私も前から知っていて、その実物が見たかったのですけど、うちの大学もケチ臭いというのか、「蔵書目録はお見せできますが」と言うばかりで、現物は図書館の奥の奥に死蔵。実質、全然見られない状態だったんですわ。

 ところが最近、図書館が改築され、チェンバレン文庫も一応、「頼めば」見せてくれる、くらいのところまでオープンになったんですな。

 で、私、早速、頼んで、見せてもらったわけ。今日。

 そしたら!

 これがね、実に面白かったのよ。面白かったというのは、私の視点から見て、という意味ですが。

 チェンバレンは、広い意味で言えば、まあ、外交官・・・なわけですよね。そのせいか、外国に関する知見に係わる本、例えば地誌とかね、そういうのが沢山ある。アフリカで言えば、スタンレーのアフリカ探検記なんかもありましたし、南米とか、そっち系もありましたね。あとフランス史とか、本国イギリス史とか、ギリシャ・ローマ史とか、歴史ものもたーくさん。「歴史」を重視する姿勢っていうのは、かなり明確に見て取れます。



 あと、チェンバレンは言語学者でもあるので、各国語に関する辞書や文法書も沢山ある。

 それから、これはやっぱり19世紀末という時代のせいなのか、チャールズ・ダーウィンとハーバート・スペンサー、この二者の著作は全集として揃えてありましたね。ダーウィン関連では、「ダーウィンの番犬」とも呼ばれたT・H・ハクスレーの著作物も沢山あったので、進化論には余程関心があったのでしょう。

 その他、文学方面を見てみると、もちろんシェイクスピア。そしてそれ以上にチャールズ・ディケンズ。トーマス・カーライルにサッカレー。そしてちょい意外なところではラドヤード・キプリング。この辺りが目立っていましたねえ。キプリングっていうと、日本では『ジャングルブック』が有名ですが、あれはイギリス支配下のインドの話でありまして、つまりキプリングってのはイギリス帝国主義の伝道者。イギリスの外交官が読むのも、ある意味、当然かなと。

 あとね、フィリップ・チェスターフィールドの著作が全集的に集められていたのもちょいビックリ。なんでびっくりしたかというと、丁度今、私がチェスターフィールドの本を読んでいる途中だったから。この本、当時日本に滞在中の外交官の間でも相当読まれていたってことですな。

 アメリカものですと、ホイットマンの『草の葉』があったし、それからやっぱりエマソンは『エッセイズ』をはじめ、相当沢山集められておりました。エマソンは、イギリスでも有名だったんですな。

 あと、ちょっと笑ったのは、M・G・ Lewis のセンセーショナルなゴシック小説『The Monk』が鎮座していたこと。高名な外交官も、こういうの読むんだ・・・。

 で、ここまではまあ、「なるほど・・・」っていう感じなんですけど、ここから先がワタクシ的には「なるほど!!!」っていうところ。

 つまりですね、チェンバレンの蔵書に、そこそこ「自己啓発本」があったのよ。

 例えばサミュエル・スマイルズの『Self-Help』。チェンバレンの蔵書にしっかりありましたねえ。やっぱり、読むんだ、この時代の人は。

 それから『武士道』。新渡戸稲造大先生の。まあ、これは当然か。日本に滞在しているわけだし。

 あと、ラルフ・ウォルドー・トラインの『In Tune with the Infinite』、これは引き寄せ系自己啓発本の初期の傑作の一つですけれども、これがありました。アメリカの自己啓発本、イギリス人も読んでいたことがこれではっきりした。



 とまあ、この辺のことは、これから私が書くであろう本の中で、ちょいちょい言及されることになるでありましょう。その意味で、今日はいい題材集めになりました。

 昨日はすっかりしょげていたワタクシですが、何せ「ポジティヴ・シンキング」の信奉者。いつまでも泣き言言ってないで、次の目標に向かって一歩駒を進めた今日のワタクシなのであります。





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Last updated  October 30, 2017 10:14:17 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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