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November 18, 2025
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カテゴリ: 教授の読書日記
このところ、明治維新以降の日本の自己啓発思想の流れについて、様々な本や論文を読破しております。私の専門はアメリカ文学だから、この辺の日本の歴史については無知以外の何物でもない。でも、アメリカの自己啓発思想の日本への伝播とそのプロセスを考えるためには、日本のことも知っておかなくてはならないのよ。

 で、遅まきながら色々な資料を読んでいるんだけど、やっぱり知ることは面白いことであって、段々頭の中に、大きな絵ができてきた。

 そう、ここで重要なのは、頭の中に大きな絵を描くことなのよね。大雑把に、大柄に、様々な事柄の流れを把握すること。

 たとえば明治維新以前にも儒教的な自己啓発思想ってのはあって、勤勉といった美徳を重視する通俗道徳があった。

 じゃあ、そういう通俗道徳と、明治維新以降の立身出世主義とはどう違うのか?

 結局ね、職業がポイントなのね。

 維新以前の通俗道徳だと、職業ということがあまり問題視されてない。なぜなら、それぞれが従事している職業は当たり前のことだったからね。士農工商制があるから、農民には農業という職業しかないし、商人には商業という職業しかない。だから、通俗道徳における勤勉とは、各々の仕事を一生懸命やれ、ということになる。

 ところが維新後は、そうじゃないんだなあ。特に士族階級にとって、状況がガラリと変わる。

 だって、維新によって、士族は職業を失うんだもん。無職化よ。そうなると、通俗道徳でいう、各々の仕事に精を出せと言われたところで、職が無くなっちゃったんだから、士族階級の連中にとってはまるで意味をなさない。



 で、明治以降、この教育システムが出世の鍵となるんだけど・・・なにせ人はいっぱいいるのに、教育システムに乗れる人の数は限られている。このシステムに乗れなかった人が大量に出てくると。

 そこで絶望して煩悶青年になっちゃう人が大勢出てきたんだけど、そこで出てくるのが、官僚にならなくてもいいじゃん?という発想。実業主義ですな。

 そこでそれまで姦商とか言われて、すごく軽蔑されていた実業界の連中がクローズアップされてくると。で、そういう連中が、煩悶青年たちを実業界に引っ張る策略を始めるのだけど・・・

 ま、そんな感じで、今、私の頭の中で明治時代の大きな絵が作られている真っ最中。この大きな絵が、段々、細密になって行った時、本が書けるという自信が出てくるわけだけど、まあ、そう先を急がず、今のところはできるだけ大きな絵を描くよう、頑張りましょうかね。





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Last updated  November 18, 2025 05:01:12 PM
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Comments

釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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