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2005.08.22

最近はまっている”ススキノ探偵”シリーズの第1作を（遅ればせながら）読んだ。

○ストーリー
ススキノで便利屋家業を営んでいる”俺”に，「行方不明になった彼女を探してもらいたい」と後輩の学生から依頼がある。平凡な女子大生の愛想尽かしと思われた依頼は，数日前に起きた殺人事件と関連し，”俺”を意外な方向へと進ませる。

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第2作の「バーにかかってきた電話」の純愛物語の方が，なにかと評判はいいのだけど，僕はこの第1作の方が感心した。なにしろ女性の怖さを感じさせるハードボイルド，というかつてない作品だ。純愛でも執念でもなく，理解不能の奥の深さを感じさせてコワイ。

この作品は，複数の現代的な女性を登場させているが，しゃべり方なども多彩で，”俺”がホンロウされているのが描かれていて面白い。ハードボイルドとして色々な新機軸を取り入れた作品だけど，現代の若い女性を描いていることも大きな特色だろう。

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主人公”俺”と友人たちの造形は多少荒削りだ。”俺”，空手の達人高田，インテリヤクザ桐原は登場しているものの，まだトリオ結成には至っていない。”俺”のヤクザに対するとんがりぶりは，その後の作品での馴れ合いを知っているとビックリだ。

全体的には現実と折り合う路線このシリーズなんだから，ヤクザ，警察，マスコミとも折り合う方が似合っているよなあ。

この作品では”俺”は，だいぶ痛めつけられる。そうした中で，主人公がつぶやくセリフは「殴られてもケガをするか死ぬだけだ。俺を損なうことはできない。」だ。うーん，やせ我慢だ。ハードボイルドだねえ。

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