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2006.04.13
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犀川助教授と萌絵お嬢様コンビの”S&M”シリーズも9作目まで到達した。主人公コンビや犯人像の心理を描くのに,ダイアローグや何らかの小物を使うという手法を相変わらず巧みに駆使して,分厚い作品を一気に読ませる。

○ストーリー
あるビルの一室で男性が倒れているのが発見された。彼の隣には首のない女性の死体があり,一方で彼の勤めていた研究室では,別の女性の死体があった。彼は両方の部屋のカギは持っており,2人の女性とも知り合いであることから,容疑者として警察に監視される。たまたま居合わせた萌絵は,卒論の製作の合間をぬって,事件の解決に奔走する。容疑者が関わっていた模型サークルの不思議な人々の中に,犯人はいるのだろうか?

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「夏のレプリカ」「今はもうない」「数奇にして模型」と,3作続けて読者に対するミスリーディングの仕掛けが施されている。これでもか,と密室モノを前面に出してきた頃と,少し作風が変わってきたのかなあ?と思わないでもない。前作に続いて,この作品も密室で事件は発生するが,犀川風に言えば,どんどん『境界点があいまい』になってきており,密室としての堅牢性(?)は低下している。この作品での密室は,誰かが合鍵を持っていれば簡単に崩れてしまう程度のものだ。ここら辺も,森博嗣の興味の移り変わりを示しているのではないだろうか?

「幻惑の死と使途」から続いていた,”名と実態”という哲学テーマは解決したらしく,今回の”お題”は,”形と型””異常と正常”だ。例によって,犀川と萌絵のダイアローグで楽しい討論が展開される。また,飛行機模型マニアの森博嗣が,長谷川という登場人物の口を借りて,フィギュアブーム,つまり人形ブームに対して痛烈な批判を浴びせているのも興味深い。

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本格ミステリーとして見た場合,既に書いた密室のあいまいさのために,評価は厳しいものになると思える。ただし僕自身は,登場人物,特に新しいキャラクターたちが,魅力的だったので,トリックはともかく,ミステリー作品としては十分楽しめた。

一部で「犯人の動機が意味不明」とか書かれているけど,僕には,この気持ちはすごーくよく分かるので,それぞれのバックグラウンドによるんだと思う。僕もチャンスがあれば,○○して○○したい。いや,もちろん実行はしないけど。メンドイし。



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さて,いよいよ次の作品で,このシリーズも終わりだ。ちょっと遠い目。

うわさによると,あの人が戻ってくるってことだよなあ。楽しみ×10の6乗。






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Last updated  2006.04.13 09:08:59
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