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2006.05.06
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早川書房の由緒正しき”ミステリマガジン”に連載中の「夢幻紳士」の第2篇を読んだ。

○ストーリー
昼下りから料亭の一部屋に居座る青年を様々な怪し(あやかし)が訪れる。手の目,牛鬼,ハーピー,水虎,酒蟲,人牛,猫又。取って喰われたのは,青年か,それとも魔の方か?料亭を舞台に繰り広げられる,命を賭けた余興の始まり始まり。

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大正のころと思われる風情を背景に,夢幻紳士こと夢幻魔実也の料亭にこもった一日(一年?)を描いた作品だ。魔実也がいい人過ぎた〔幻想篇〕への反動か,かなり,というか一日に魔物を何匹も取って喰らうくらい毒のある魔実也が,この〔逢魔篇〕では描かれている。

例によって味のあるタッチの人物,背景に加え,この作品では”江戸ことば”を再現しようと試みられている。東京の下町どころか,テレビドラマからも消え,最近では落語ぐらいでしか聞かれることのない”江戸ことば”だ。東京で育ったとは言え,山手線の外側の僕には,この作品でのことばの用法が正しいのかは判断つかないが,とても耳に心地よいと感じた。

料亭という,これまた失われてしまい,わずかに”政治家の密会場”というカン違いされた存在価値に成り果ててしまっている文化を舞台に,前篇と比べのびのびとした作品となっている。

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この作品では,”手の目”という魔物使いの少女が現れ,魔実也に破れ,その後は狂言回しとして全篇で活躍をする。もちろん魔実也ほどではないにしろ,不思議なワザを使うし,なかなか向こう気が強く魅力的だ。魔実也と”手の目”,なかなかいいコンビだ。



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この作品は,「百鬼夜行」「冥途」と2つのエンディングがある。「百鬼夜行」は〔幻想篇〕から続く作品世界に忠実に終わるパターンだ。一方の「冥途」は,高橋葉介お気に入りの,木炭画タッチが全篇に再現された豪華な作品で,〔幻想篇〕の最終話と似た構成のパターンだ。

”手の目”の運命に一応の決着をつける「冥途」も良いが,やや展開が唐突な気がする。僕としては,〔逢魔篇〕の散文的な各篇を一気につなげることのできた「百鬼夜行」の方がお気に入りだ。

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「冥途」の一番最後の一コマの字体を見て,また〔冒険活劇篇〕を思い出してしまった。くわばらくわばら。







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Last updated  2006.05.06 09:53:40
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