りぶらりだいあり

りぶらりだいあり

PR

Profile

りぶらり

りぶらり

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

新千円札と新一万円札 なすび0901さん

Are there health be… 恵子421さん

読書とジャンプ むらきかずはさん
片手に吊革・片手に… もりのゆきさん
From おおさか mayu0208さん

Calendar

Comments

おきま@ Re:「PRIDE 池袋ウェストゲートパークX」石田衣良を読んだ(07/30) 約32年前に池袋のウェイターに騙されて風…
深青6205 @ Re:「恩讐の鎮魂曲」中山七里を読んだ(08/16) こんにちは。御子柴シリーズはお気に入り…
りぶらり @ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) なすびさん,お久しぶりです。僕が本を買…
なすび0901 @ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) 好きな作家の一人 図書館で借りないでア…
2006.05.08
XML
「ハサミ男」のアクロバティックな展開で,ミステリー界をあっと言わせた殊能将之の第2作品だ。うって変わって,地方の農村と,そこに伝わる謎の伝承を用いた伝統的な探偵モノになっている。

○ストーリー
”奇跡の泉”の発見でわく岐阜の村・暮枝を訪れたジャーナリストの天瀬は,飄々とした謎の男・石動(いするぎ)と共に,村の地主一家・羅同家の人々への連続殺人事件を調査することになる。果たして,犯人は,山の洞窟から迷い出てきた鬼の仕業なのか?鍾乳洞の奥底にひそんでいた謎とは?

-----------------------------

作品の構造だけをたどると,よく言われているように横溝正史作品に良く似ている。地方の地主の家で,遺産と血統をめぐり連続殺人が起きる。殺人はその家に伝わる伝承に沿った形で行われいるのだが,名探偵がその謎と伝承の謎の両方を解く。

また「美濃牛-Minotaur」のタイトルに合わせて,クレタ島ならぬ暮枝村(くれえだ=クレエタ)で,主人公テセウスとアドリアネの代わりに,天瀬(あませ=テンセ)と窓音(まどね=マド・アネ)の2人が,最後は地中の迷宮(鍾乳洞)から逃げ出す,というモチーフも示されている。たぶんモチーフの類似はもっとあるのだけどね。

分厚い作品だし,ストーリーだけなぞると重苦しい印象なのだが,殊能将之の筆の力で読み進めてしまう。これは,魅力的なキャラクターを配置していることと,ちょっとした会話が独特のユーモアに満ちていることによるのだろう。

読後の感想としては,”人を食ったような作品だ”というのが正直なところ。横溝正史風の推理小説としては十分成立しているのだけど,それを材料にして,自分の書きたいモノを書いてしまった,という印象なのだ。だがそれはパロディでもパスティーシュでもないし,なにかとらえ切れない不思議な印象なのが,ちょっとイライラするところだ。

-----------------------------



全体的にウンチクと現代的な皮肉に満ち満ちていて,いろいろニヤリとさせられること請け負いだ。悪意,というほどじゃないけど,善意や人助け,と言ったものを,笑い飛ばす知性が感じられる。たぶんここら辺が魅力的なのかなあ?

-----------------------------

それにしても,この作品で一番コワいのは,あのキャラクターだよなあ。何考えているんだろう?ブキミ過ぎる。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.05.08 09:03:33
コメントを書く
[きらきらポストモダン推理] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: