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2006.06.22
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紅子たちの”Vシリーズ”も,とうとう第7作まで到達した。山中の孤立した建物での殺人,というなんとなく古典的な設定の作品なのがちょっとオドロキ。

○ストーリー
紅子とネリナは超音波研究所のパーティに招待される。2人を送っていった保呂草と紫子も,いつの間にか参加することとなり,パーティが佳境に入ったとき,科学者の1人が死体で発見される。嵐の中,研究所にたどり着いた祖父江刑事が人々に伝えたのは,途中の橋が爆破され,この施設が孤立してしまったということだった。祖父江七夏と紅子が協力する中,2人目の死体が発見される。嵐の夜が明けるまでに,紅子達は殺人者を見つけ出すことができるのだろうか?

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本物の科学者たちに囲まれて,『自称科学者』の紅子が少しも負けずに自分の洞察を発表し,賛辞を集めていた。天才・紅子ならばこそ可能なのだろうけど,なかなかありえない状況じゃないか?と思った。

森博嗣にはシャカに説法だけど,研究ってのは実験をやったり,数値解析をするだけじゃダメで,それをきちんと論文にして,他人の批評に耐えうる状態にまで持っていかないと意味がない。発表され,認知されていない研究内容なんて,正直トンデモ本の内容と価値が同じだ。

紅子が自説を演説しているシーンは,ヨッパライがハイになっている,あるいは中学生が「ニュートン」で読んだ内容をクラスメートに教えている,ように感じてしまって,思いっきり引いてしまった。これまで『科学者』としては控え目な表現だった紅子だけど,今回はガッカリだ。

1人で孤立して奮闘している祖父江七夏に対しても,紅子はだいぶシツレイな言動を繰り返す。紅子のワガママっぷりが目立った作品だった。

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ちょっと”なんだかなー?”だった紅子。今回も頼りになる保呂草。ピンチにおちいるネリナ。最近あまり役に立ってないデカイだけの紫子。

ここに愛知県警から祖父江,立松,そして最後に林が到着し,ほとんどレギュラー陣の全員が揃う。ちゃんとそれぞれがキャラクターに合った言動を取っており,またまた森博嗣のサービス精神に感心した。

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ミステリー小説としては,伝統的な本格モノ風に始まり,連続殺人にもなる。ところが中盤から事件の方の展開は止まってしまい,解決もかなり肩透かしとなった。今回は,その分,研究所の中核コンピュータを起動するためのキーの話が美しく解決するので,がっかりはさせられない。

この研究所の科学者さんたちは,一方で冷徹さを見せながら,犀川&萌絵の”S&Mシリーズ”の例の研究所の人々よりはずっと人間クサかった。森博嗣も人間が丸くなってきたのかな?

さて次の第8作ではいよいよ2つのシリーズのクロスオーバーが始まるらしい。楽しみだ。






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Last updated  2006.06.22 23:39:58
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