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2006.10.17
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西澤保彦の匠千暁シリーズで,今のところクライマックスと呼べる作品だ。

○ストーリー
いつものように辺見先輩を中心に飲み明かした翌朝,由起子は千暁の告白を聞いてしまう。「僕には双子の兄がいた。そして兄を殺したのが母なんだ。」そして事件は,千暁の衝撃の過去へとさかのぼり,母親と千暁&千帆の全面対決へと流れていく。

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主人公たちは飲み会の席で,推理ごっこを行う。そこで過去のちょっとした記憶やヒミツが明らかになる展開は,「彼女が死んだ夜」などを思い出させる。ところが,そのうちやはり男性の女性蔑視,親の子どもへの虐待,というテーマが浮かび上がってきて,全体的に重苦しい雰囲気になってくる。

このままでは,ひじょうにヘビーだった前作「スコッチ・ゲーム」と同じ流れになるところだったが,今回はラストでの主人公たちの行動のおかげで,だいぶ爽やかな読後感になっている。だから前作で,ちょっと息切れした人も,この作品をチャレンジする価値は十分あると思う。

ただしあえて言えば,現実では,しかも日本では,成人してしまった人を相手に,理詰めで言い負かし,相手を屈服させる,ということは不可能だと思う。どうしても途中で感情的になっちゃって,怒り出したり,泣き出したりすると思う。また,一度言い負かしておいても,平気で同じ争いがむしかえされる,というのが現実だと思う。

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この作品は,ウサコこと由起子の視点を用いて,これまで存在感の希薄だった主人公(一応)の千暁を描いている。そこそこ衝撃的な過去が出てくるけど,これまでの仙人のような生活ときちんと整合性があるあたりは,さすがは西澤保彦だ。うーん,考えてる。



まあ,なにはともあれ,6作目にして,ようやく主人公の千暁のことが,きちんと描写された,ということで,記念すべき作品だろう。もともと大人というかオッサンの辺見に加え,匠,高瀬,ウサコも,それなりの落ち着きが出た,というカンジのエンディングでもあった。

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この作品でも,タカチこと千帆はすごくカッコいいので,タカチファンは必読だと思う。






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Last updated  2006.10.19 22:29:51
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