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2007.01.16
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市役所職員の探偵,という斬新な設定のミステリだ。

○ストーリー
学生のソカワは,飲み会の帰りの真夜中,徒歩で帰宅中に,同じマンションの知り合いの死体に遭遇する。慌てて警察を呼ぶと,あったはずの死体はこつぜんと消えており,その本人のマンションの部屋で発見された。その部屋から唯一なくなっていたものとは?

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学校,病院,銀行,路上などに,突然机を出して出張業務を行なう「市役所市民サーヴィス課」の謎の人物が,様々な人の日常の事件を解決する,という新しいタイプのミステリだ。西澤作品らしく,ちょっとした伏線が,会話を通じて意外な秘密の発見へとつながっていく。

読む前は,市役所職員の主人公が能動的に探偵をこなすのだと思っていたが,職員は確かに探偵だが,主人公は依頼者たちの方だ。探偵は,典型的な市役所職員の外見と行動を取る謎の人物で,ぼそぼそと的確なアドバイスを依頼者たちに与え,依頼者たちはそれを元に後日真相にたどり着く。

依頼人の話を聞くだけで,本人も忘れていた真実を引き出す,というアームチェア探偵の設定は,同じ西澤作品の「リドル・ロマンス」に似ている。だが,そこそこユーモアがあり,悪意や毒が薄いトーンは,匠千暁シリーズの「謎亭論拠(めいていロンド)」に似ている。

謎解きがロジックゲームで終わり,事件の真相が,必ずしも明らかにならない,という欠点が西澤作品には見られた。この作品では,依頼の内容があり,探偵のアドヴァイスがあり,依頼者が真相を確認する,というステップがきちんきちんと踏まれており,もやもや感が残らないように改善されている。いろんな意味で,親しみやすい作品だと言える。

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西澤保彦作品へのとっかかりとして手ごろな作品なので,ぜひまたシリーズ化をしてもらいたい。これを手始めに,だんだんディープな西澤ワールドに入っていくのもいいんじゃないかな?







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Last updated  2007.01.16 21:52:41
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