りぶらりだいあり

りぶらりだいあり

PR

Profile

りぶらり

りぶらり

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

広い部屋 なすび0901さん

Why your most attra… 恵子421さん

読書とジャンプ むらきかずはさん
片手に吊革・片手に… もりのゆきさん
From おおさか mayu0208さん

Calendar

Comments

おきま@ Re:「PRIDE 池袋ウェストゲートパークX」石田衣良を読んだ(07/30) 約32年前に池袋のウェイターに騙されて風…
深青6205 @ Re:「恩讐の鎮魂曲」中山七里を読んだ(08/16) こんにちは。御子柴シリーズはお気に入り…
りぶらり @ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) なすびさん,お久しぶりです。僕が本を買…
なすび0901 @ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) 好きな作家の一人 図書館で借りないでア…
2008.01.22
XML
「誰か」と同じ主人公の別の物語を読んだ。

○ストーリー
今多財閥の会長の娘と結婚した杉村は,妻と娘との穏やかな生活を最優先に考え,今多グループの片隅で社内報の編集員をしていた。だが彼のアシスタントだったアルバイトの女性が,トラブルを起こして会社に来なくなった時から,彼の身の回りで不審なことが起き始める。そしてついに・・・

-----------------

「後味が悪いよ」と友人が言っていたが,読み終えてしばらくしてから,その意味が分かった。「模倣犯」や「楽園」は,作品としては重厚で,謎に迫っていく緊迫感がある。だが一方で,どちらも事件が巨大だったり,滅多に起こらない種類のものだったりで,おそらく我々が普通に生きている限りは遭遇しない内容の物語だ。

一方で,「名もなき毒」の事件は,ひょっとしたら半年後,我々が渦中にいる可能性が十分ある。その読後感が,とってもコワイ。

-----------------

会社関連の事件と平行して,ひょんなことから主人公が巻き込まれる連続毒殺事件も物語に絡んでくる。愉快犯的に実施される毒物混入も,現代の事件で,これもまたコワイ。

ただこちらの事件への巻き込まれ方,関係者たちのやたら大げさな行動,その事件の急展開など,サブの事件のくせに強引な展開が目立ち,やや違和感を感じた。



-----------------

主人公の杉村三郎は,家族思いでお人好しのいい人として描かれている。妻の立場を利用して野望を抱きそうもないというタイプであることを見込まれて,”一般人”なのに今多グループ会長の娘と結婚し,それを少しもひけらかさず,淡々と地味な仕事をしている。

まあ,こういう人が実在しない,とは言わないけど,なかなか成立しないだろうなあ。元が大人しいつましいタイプでも,境遇が変わって大金持ちになったら,どうしても周りがそういう目で見るので,徐々に性格的なものも変質したりするんじゃないだろうか?彼が結婚したのは,30才前後だろうから,真の人格成立ってまだできてないと思うし。

それは置いておいて,この物語以降の杉村の立場ってどうなるんだろう?結局,本来彼が処理すべきであったトラブルがきちんと解決できず,一方で余計な事件の捜査にクビを突っ込んでいて,それで妻の菜穂子と娘の桃子を危険に巻き込んでしまったのだ。

ホントに家族思いなの???ひょっとしたら,ものすごーく単純でニブイ人なんじゃないの???僕が今多会長だったら,相当キツイ仕打ちをすると思うなあ。

-----------------

事件が起きてしまったので,「毒」や「ケガレ」にさらされてしまったという家を出るのか住み続けるのか?探偵稼業を始めるのか始めないのか?今多グループから追い出されるのか出されないのか?

なんとなく釈然としないまま,たぶん宮部みゆきもどうするのか悩んでいるんだろうなあ,というのが見え隠れする中で,そのまま終わってしまった。

もうお人好しで役立たずの杉村氏はいいから,ジャーナリストの秋山氏と姪っ子ゴンちゃんの作品が読みたいと思う。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.01.22 23:53:38
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: