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2008.09.24
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実際にロサンゼルスで暮らしている島田荘司が書いたハードボイルドだ。日本人が一切登場しない,古き良きパルプフィクションの味わいだ。

○ストーリー
私立探偵の〈私〉の事務所を訪ねてきたのは,サテンのドレスを着たモデルだった。彼女の依頼は,元レーサーだった〈私〉の腕を買い,400キロ離れた街まで2時間で行くという依頼だったが,〈私〉は断ってしまう。代わりにその依頼を受けた〈私〉の悪友とモデルは,その街まで着いたらしいのだが行方不明になってしまう。すぐに〈私〉の周りで怪しい男たちがうごめき始め,〈私〉は事件に巻き込まれる。

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日本人が書いた純粋なアメリカン・ハードボイルド小説であるということ,本格ミステリー風のトリックが仕掛けられているということ,の2点がこの小説の特徴だと思う。

ハードボイルドとしては,元レーサー,腕っ節が強い,減らず口を叩く,という主人公の〈私〉の造形が,キチンとツボを押さえている。また,主人公が住むダウンタウンと,400キロ先の高級リゾート地との対比の中で,ハードボイルドらしい階級格差の打破,という部分も達成している。

それ以外は,島田荘司の好みの要素が詰め込んである。ポルシェ,フェラーリの技術的な比較や運転感覚の差,事件のキーとなるトリック,ロマンティックな展開,などだ。

アメリカ在住の島田荘司が,ハードボイルドを自分好みに仕上げた作品だと言えるだろう。

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今回の作品の登場人物たちには,現代のハードボイルドの主人公に必要な奥行きが感じられず,どうしてもB級めいた印象が強い。

探偵の〈私〉は,みょうに傲慢なところがある。調査のために親しくなった若い女性を利用するだけ利用して,あとはすげなくする,というのはとても気になる。

事件の核となる資産家の娘でモデルのサラも最後まで何を考えているか分からない。サラは常にサテンのドレスを着て現れるが,いくらアメリカでも,そんなパーティドレスでビジネス街を歩かないんじゃないかと思う。

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エンディングもかなりウェットで,乾いたアメリカ西海岸よりも,日本の北陸かなんかが似合うような気がした。







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Last updated  2008.09.25 23:15:23
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