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2009.08.07
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カテゴリ: びしびし本格推理
いつもの石岡和己ではなく,イギリスの作家バーニー・マクファーレンが記述者という設定になっている島田荘司の「御手洗潔シリーズ」作品を読んだ。

○ストーリー
スコットランドのネス湖畔の小さな村ティモシーの空をオーロラが染め,巨大な獣の咆哮が響くとき,そこで連続バラバラ殺人が発生する。巨大な手でひきちぎられたような人体が,村のあちこちに不思議な法則で置かれていく。慌てふためく村の人々の前に,スウェーデンから来たミタライという男が手を差し伸べる。

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石岡和己,犬坊里美といったいつものキャラクターが一切登場しない。「ミタライ・カフェ」によれば,設定の上ではバーニー・マクファーレンが『オーロラの下で(?)』とかいう英語の作品を著し,それが日本語訳されたのが「魔神の遊戯」ということらしい。

精神的に退化してしまっている石岡和己のウジウジが描かれないのは歓迎だが,代わりの作者バーニーもアル中で,その言い訳が多くて辟易した。

いつもと変わっていて新鮮な部分もあれば,いつも通りの部分もあり,なかなか楽しめた。

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島田荘司と言えば,作品ごとに大掛かりな背景となる物語や歴史を練り上げ,それに関係ある事件が現実に起きる,という展開が多い。今回の背景は2つあり,1つはこの頃の島田荘司が興味を持っていたらしい旧約聖書の世界,もう1つは精神障害を持ちつつも緻密で精確な風景画を描く画家ロドニー・ラーヒムの半生だ。



島田荘司の才能の大きさは,驚くばかりのイマジネーションで読者の前に大きな映像を提示し,かつそこから起きたと思われる数々の不可思議を説得力を持って描き出すことだろう。それにより読者は作品世界に引き込まれ,引っ張りまわされ,そして最後に探偵の登場により現実世界に戻されたときに,安堵と知的な喜びを感じることができる。

この「混沌」と「整理」が両方とも説得力を持って大きな存在感を持てているのは,島田荘司の才能だと思う。

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さてこの作品ではさらなる仕掛けが1つ仕組まれている。確かに最初におや?と思ったのだけど,その後がフツーだったので,気にせずにいたら見事にだまされた。

「犯人にここまでの行動力は無いだろう?」とかいろいろ細かいリアリティでは問題ありそうだけど,「これはホントに魔神の仕業か?」と一瞬でも思ってしまうということは,やはり作品世界に飲み込まれている証拠だ。











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Last updated  2009.08.09 22:12:36
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