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2010.06.10
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カテゴリ: びしびし本格推理
文学好きの鯨統一郎が,文学好きの人々を登場させたミステリーを読んだ。

○ストーリー
かつて大学に在籍していた作家・江川文太郎,その彼が参加していた伝説の文芸誌は『あすなろの詩』だった。大学に合格した京四郎は,数人の仲間と,『あすなろの詩』の復刊に向けて活動を始める。だが,それを成し遂げた後の北海道合宿で,悲劇は起きる。

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主人公の京四郎は作家を目指していて,大学の文芸サークルに参加する。だがミステリーを中心に読んでいた京四郎は,純文学が”クラスが上”と考えているサークルの仲間に引け目を感じる。

僕自身も大学時代に似たような経験をしたので,強い共感を感じてしまった。だか,この作品の前半には鯨統一郎の自伝的要素が強いように感じてならない。

大学入学に伴う,いよいよ大人になった気持ち,それと少なからず連動した異性への心の動き,など,いろいろと初々しい感性が,懐かしく感じられた。

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前半を読んでいると,この作品がミステリーであることを忘れてしまうのだが,後半は物語は否応なく,いわゆる”嵐の山荘”モードへ突入する。



もちろん全てが終わってみれば,前半の物語の細やかな物語の中に,後半の展開を説明する要素が入っていたことは分るのだが,それにしても後半の物語の運びには不自然さが否めない。

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前半の青春物語,後半の”嵐の山荘”,結局どちらが語りたかったのか?と作者を問い詰めたくなる作品だ。










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Last updated  2010.06.12 23:02:34
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