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2010.07.07
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カテゴリ: ばくばく冒険小説
鯨統一郎の長編歴史サスペンスを読んだ。いわゆる「週刊ワード・シリーズ」の作品だ。

○ストーリー
空から軍服を着た老人が落ちてきた。さらに,その男は,戦争の動乱で失われたと言われていた北京原人の化石を持っていた。カメラマンの達也と雑誌記者のさゆりは,2億円もの賞金が賭けられた北京原人の謎を追い始めるが,彼らはその謎を隠そうとする組織に狙われ始める。やがて彼らは戦中,戦後の大きな謎の真相に近付き始める。そして・・・

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歴史ミステリーと冒険サスペンスをミックスした作品となっている。文庫で500ページの長編だが,手に汗握る展開となり,あっと言う間に読めてしまう。

複数の主人公で物語が進むために,やや散漫な印象を受けてしまう部分があるが,鯨統一郎の作品としては新しい試みで,なかなか好印象だ。

良かった点を具体的に挙げると,

歴史の謎を複数の主人公が解き明かそうとする,という設定なので,背景の説明,いくつもの解答案などが,ストーリーの展開とともにスムーズに提示される。歴史ミステリーとしては王道とは言え,不自然さの無い見事な展開だった。

主人公たちが真相にたどり着くことを阻止しようとする人々の意図が明確で納得の行くものだった。残念ながら鯨統一郎作品では,悪役たちがトンデモであることが多く,えてしてブラックユーモア風になってしまっている。今回の悪役たちにはリアリティがあり,不気味さは無いかも知れないが,現実的な恐ろしさがひしひしと感じられた。



主人公は駆け出しカメラマンの達也と,有能な雑誌記者のさゆりだ。2人とも有能で,頭の回転が早く,背も高く,運動神経も良く,ルックスも良い。もうフォーリン・ラブ確実だ。

これだけベタな設定にしておきながら,2人とも実はお金が無いという,ミョーな状況がある。別に北京原人のミステリーを解くのに,必ずしも金銭欲は前提にならないと思う。

あとたぶん,さゆりって女性の目から見たら,すごく行動がヘンなんじゃないかと思う。男を拒絶してみたと思ったら,自分から自宅に会いに行ったりと,なんだかヘン。

フツーの2人にしておいてもあまり問題なかったと思うのだけど,ミョーな状況設定のおかげで,なんとなく2人に対して共感が出来ないまま終わってしまった。

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ミステリーとしては,トリックが関連する本格ミステリーテイストは,暗号の解読ぐらいだと思う。

では食べ足りないかと言うと,そんなことは無い。戦争直前の北京原人の化石の消失事件,戦時中のマレーの虎・山下将軍の財宝,戦後の下山事件,さらには戦争のもっと大きな事柄に対して,なかなか面白い推論が提示されるからだ。

若干ライトではあるが,決してオフザケではない歴史冒険ミステリーって,鯨統一郎にはピッタリなジャンルのような気がする。オススメだ。

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ところで星野という登場人物は,同僚の羽田野をカルト教団の信者である状態から救い出した,ということが述べられているが,これって「隕石誘拐」と関連あるのだろうか?







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Last updated  2010.07.07 23:09:53
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