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2010.07.15
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カテゴリ: びしびし本格推理
空海を主人公にした鯨統一郎の歴史ミステリーを読んだ。

○ストーリー
平安時代,京で話題になっていたのは,唐から帰国した空海と妖艶な幻術使い藤原薬子だった。そんなおり,平城上皇が嵯峨天皇に対し謀反を起こす,という事件が起きる。事態が収束した後,天皇は空海と,仏教界のもう1人の巨人・最澄に謀反の真相を探るように命ずる。空海と最澄の知恵比べ,勝つのはどちらか?

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鯨統一郎らしい歴史ミステリーだ。それなりにチカラも入っているが,どこかノビノビと書いているような印象を受ける。やはりこのジャンルで一番地力を発揮する作家だ。

ただし鯨統一郎のカラーは悪い部分でも出ている。これまでも何回も指摘してきたが,不必要なエロ描写だ。人間のやることだし,歴史の偉人の多くも色を好むという傾向があるらしいことも分る。でもミステリーでしかも歴史系というジャンルには,こうした描写はもっとずっと少なくてもいいのではないだろうか?

文章も素直で,歴史の解説も分りやすいので,若者向けとしてもっと紹介されてもいい作品が,こうした余計な理由でその道を閉ざされているのはもったいないと思う。

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空海と最澄は共に知力と行動力の抜きん出た人物として描かれている。だが最終的には2人とも,超人ではなくあくまでもフツーの人間に留められている。



この作品の魅力は,この空海のキャラクター造形によるところが大きい。

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この物語の背景になっている「薬子(くすこ)の乱」を調べてみたところ,史実(あるいは現状解釈されていること)がほとんどそのまま物語となっていることが分かる。物語もあまり盛り上がることなく,諄々と進んでいく。

上皇の謀反の顛末は,物語の前半であっけなく終わってしまう。不思議に思っていると,後半が空海と最澄の謎解き比べとなる。

この謎解きの部分は,いくつもの入れ子構造となっており,さすが鯨統一郎と思わせる。だが物語の構成を成立させるため,ところどころ強引な気がした。「○○○は×××殿に操られていた」と言われても,具体的な描写が無いので,納得はできにくい。

話がキレイにまとまるのは,エピローグの部分だ。せっかくのオチなので,もう少し長く描写しても良かったと思う。

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なお「金閣寺に密室」の続編という設定にもなっており,プロローグとエピローグにあの静と六郎太のコンビが登場する。








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Last updated  2010.07.17 14:59:27
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