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2010.08.09
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カテゴリ: びしびし本格推理
鯨統一郎がプロフェッショナルサッカーに捧げた作品を読んだ。

○ストーリー
その年のJリーグの後半,第2ステージ開幕が迫った8月,第1ステージで優勝をした新進チーム,東京スターボウの有名選手・安東が大勢の人の目の前で爆死をした。さらに同じチームの山野井が密室で自殺をしたことにより,事件はサッカー選手変死連続事件の様相を見せ始める。たまたまJリーグ特集を組み予定だったアロー出版の黒木典絵と犬飼大志郎は,事件の謎に踏み込んでいく。

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サッカーのJリーグを舞台にした連続殺人事件という,ホットになり得る要素を持った作品だ。Jリーグのチームや選手が実名で登場するだけでなく,Jリーグのシステムや,サッカーのルールが分りやすく解説されている。

もちろん事件に巻き込まれる選手は,チームからして架空のものが設定してあり,Jリーグのファンに不快感を与えないような配慮はされている。

鯨統一郎の作品ではおなじみの”アロー出版”の記者が主人公で,Jリーグの選手をめぐる連続殺人事件を調査することになる。「富士山大噴火」のキャラクターも,カメラマンの山本,サッカー選手の西山智之などがチラッと登場して,世界観を広げている。

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どうやらこの作品は「ファンタジスタはどこにいる?」と改題されて,文庫版が出版されるようだ。文庫版では最新の状況に書き換えられていると良いが,2004年に出版されたオリジナルは,当時のJリーグとサッカー日本代表のことが語られており,監督はジーコ,頼りになる選手は中田,と書かれている。



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それよりもさらにツライのが,ミステリーとしての構成だ。鯨統一郎の”苦しいときのパターン”が出ている作品で,ムダに色っぽいヒロイン,ムダにいがみ合う警察,ムダに足を引っ張り合う素人探偵たち,そして突然登場するカルト宗教集団,と,ミステリーの水増し具合がどんどん増えていくのが悲しい。

イロイロと寄り道をして,最後にたどり着いた解も,突然思い付きのように否定され,そこでぷつんと終わる,という,なんとも投げやりな状態で作品が終わっている。

Jリーグの状況を時代に合わせてアップデートする気概があるならば(か,どうかは分らないが),見捨ててしまったミステリー部分も書き直すぐらいの意地を見せてくれるとうれしい。







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Last updated  2010.08.09 23:15:09
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