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2010.09.14
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カテゴリ: びしびし本格推理
サイコセラピスト探偵・波田キラコのシリーズの第3作目を読んだ。

○ストーリー
中学生向けの学習塾を経営する熱血漢の信人は,あらたに波田(なみだ)という事務員を雇い入れる。大人しい学生が家出をしたり,オチコボレ学生の成績が上がったり,転校生が嘘つき呼ばわりされていじめられたり,塾には様々な問題が起きる。だが波田は次々にそれを解決し,いつしか塾に欠かせない人材となっていくのだった。

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セラピストの医院,警視庁の特捜班ときて,なんと3作目は学習塾が舞台だ。さすがに中学生が主な登場人物なので,深刻な事件はあまり起きない。第2作目の警視庁を舞台にした作品は,猟奇殺人ばかり扱っていてヘキエキしたが,牧歌的な学習塾で展開される第3作目は,このシリーズとうまくマッチしている気がした。

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第1作目と第2作目で,主人公・波田キラコの同僚が,別人なのに似たような人が揃っていたので,今回も同じ展開なのかと思っていた。ワンパターンが大好きな鯨統一郎だし…

今回,塾の経営者で熱血漢のハタ信人以外は,あまり同僚で印象に残る人物はいない。もっとも塾に通う中学生たちが,短編をまたいでレギュラーで登場し,物語をつないでいく。

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ある意味,今はやりの〈日常のミステリー〉の路線にひじょうに近い。主人公の波田キラコの推理も,それほど切れ味がいいようにも感じられない。これまでの職業の中で学習塾のフツーの事務員が,一番しっくり来るように感じてしまう。

舞台によって,ここまでシリーズの雰囲気が変わってしまうとは,ちょっと驚きだった。

このシリーズを読んできて,第1作は好きだったが,第2作はちょっと内容がキツイ,という人にはピッタリだと思う。

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各編について簡単に述べる。
「路線図と涙」:「広い世界へ飛び出せ」と言われた翌日,生徒の相羽は行方不明になる。彼がメールで送ってきた地名を聞いた波田は・・・地理ネタを用いた短編だ。中学生なのにお金あるなあ。

「相似形と涙」:佐藤はあこがれの本山恵利子の家に電話をして告白をするが・・・図形ネタを用いた短編だ。分りやす過ぎる。

「清少納言と涙」:外見は派手だが,友情に篤い深町は,ある時から勉強を始める。だが隣のクラスと比べて,あまりにも彼のクラスの成績が上がったので,不正を疑われてしまう。・・・古文ネタを用いた短編だ。これも分りやすい。

「疑問詞と涙」:掲示板に書いたスレッドは一瞬で消えてしまったのか?テストの通知を読み取れなかったことで友情にヒビが入ってしまう。・・・英語とPCネタを用いてある。さすがにこれは意表をつかれた。

「月の満ち欠けと涙」:マジックが趣味の今来栖は,エレベータからの瞬間移動を実演してみせる。・・・理科ネタを用いた短編だ。この作品の中ではミステリーてして面白い方に入ると思う。ただアイディアを盛り込み過ぎだと思う。

「確率と涙」:転校してきた風野には虚言癖があるのか?徐々に信用を失う風野は追い詰められて・・・当たり前だが物語の流れは分ってしまう。じゃあ,あっと驚く仕掛けがあるかと言うと・・・かな?





小さいなあ。ボソッ。







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Last updated  2010.09.15 23:51:35
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