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2010.10.09
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日本民話の里・遠野を舞台にしたミステリー,しかも鯨統一郎作と聞けば読まないわけにはいかない。

○ストーリー
ミステリー作家の六波羅は,遠野の小さな山村で,不思議な事件に巻き込まれる。六波羅が崖の下で発見した白骨死体は,村を支配する地主の一家の娘のものだった。しかしなぜか,死体は1年以上経過している様子なのに,娘は2日前まで家で暮らしていたのだった。娘が可愛がっていた馬,オシラ様,座敷わらし,河童,と民話の謎と事件の謎がつながり始める。

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「火曜サスペンスみたいに安っぽい」,「土曜ワイドみたいに内容がない」,と批判されていたが,今年に入ってすぐに,めでたく土曜ワイドで2時間ドラマになったらしい。

批判されても仕方がない欠点は,大きく2つあると思う。

1つには,岩手県の遠野を舞台に,男性の作家と女性の編集者が取材旅行をする,という,もう”いかにも”の分りやすい設定だろう。観光名所を回り,地元の食材を楽しみ,宿の予約の関係で1部屋に泊まり,うっかり混浴露天風呂に入ってしまう,というお約束事だらけの展開には,もう笑うしかない。

2つ目は,ミステリーの要素が弱いことだ。わずか2日で白骨化してしまった娘,という謎はあるのだけど,SFじゃないならば,アレじゃないの?と予想がついてしまうトリックを延々と引っ張る。このレベルのトリックで長編1冊持たすのは,どう考えてもムリ。昭和でもムリだったぞ。

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六波羅は売れないミステリー作家だ。大人しい性格だが,正義感は強く,事件を解決しようとする気持ちは強いので,謎解きに協力する。ここまでだったら,ミステリー作品の定番とも言える”ワトソン役”だ。

ところが六波羅には,作品を書く際に没頭し,半分意識を失って原稿を書く,”自動書記”とでも言う才能がある。これは様々な情報をいつもよりも高速に処理をしているから発生するらしいのだが,この才能が事件の謎解きにも適用される。

つまり六波羅は,意識がある時は”ワトソン”,無意識の自動書記状態になった際には”ホームズ”になる,という1人二役の主人公なのだ。

これはなかなか新しい設定で面白い。犯人が分ってから,一所懸命その理由を考える,という珍妙な流れとなるけど,ミステリーなんてだいたいそんなもんだし。

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遠野を舞台にした,ということで,遠野物語や座敷わらしという逸話も登場する。せっかくの設定なのに,もう1つメインのストーリーと絡めることが出来ていないのが残念だった。鯨統一郎なんだし,舞台をここに選んでいるのだから,それぐらいしないとダメだと思う。

最後にオシラ様についての新しい説を披露するあたりは,さすがというカンジ。最低限これくらいしないとなあ。

ひどく軽い内容だけど,健康だし,鯨統一郎の作風からそれほど遠く離れていない。定番シリーズとなるといいけど。













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Last updated  2010.10.09 12:29:54
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