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2010.12.27
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逢坂剛の〈岡坂神策シリーズ〉の短編集を読んだ。

○ストーリー
失踪したはずの娘婿が新大久保で目撃された。けれども岡坂に発見された男には,10年前から妻がいた。家族が娘を男に引き合わせるが,娘までもこの男がよく似た別人だと断定した。不審に思った岡坂が見抜いた真相とは?

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〈岡坂神策シリーズ〉は,逢坂剛の分身である調査・研究・文筆などを請負う岡坂という男を主人公にしたシリーズだ。作品によってミステリー,サスペンス,ハードボイルド,現代ヨーロッパ史の研究など,カラーを大きく変える。

そのためか,他のシリーズが有名になった今では,あまり読まれていない印象だ。

逢坂剛の”日陰者”的なシリーズの,第3短編集を読んだ。

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第1短編集の「クリヴィツキー症候群」を読んだ際に感じたのが,スペインを舞台にした途端に,作品が過剰に情緒的になるという欠点だ。今回は全ての短編が,日本を舞台にしているので,そうした問題は感じなかった。



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各編について簡単に述べる。

「カプグラの悪夢」:あの夜の事件をきっかけに失踪していた娘婿が発見された。だが戻ってきた男も,会いたがっていたはずの娘さえも,この男は他人だと主張する。あの夜に隠された過去が語られ始めたとき・・・「カプグラ」要らないのでは?ハードボイルド探偵風の展開も悪くなく,この短編集で一番の佳作だと思う。最後の余韻も良い。

「暗い森の死」:カティンの森で起きたポーランド将校の大量虐殺事件。岡坂は,その事件の真実を探る論争に巻き込まれる。・・・ゲッペルスの日記で言及されている部分がキッカケで書かれたと思われる短編だ。突然,現代史の謎がテーマになるのもこのシリーズならではか?

「転落のロンド」:コンサート帰りの女子中学生が線路の土手に落ちて死んだ。その中学生の同級生の父親が自首をしてきたが,証言がおかしい。男が庇っているのは誰なのか?そして真相は?・・・現代日本を舞台にした作品としては,リアリティのあるテーマだ。作品のその後の報道トラブルを考えると恐ろしい。

「宝を探す女」:岡坂がひったくりから救った女性は,近くの食堂のオバサンだった。彼女は小栗上野介の財宝が駿河台に隠されていると主張していて,岡坂を誘う。・・・突然の人情バナシ。うーむ。チャーハンがまずいらしいことは伝わった。

「過ぎし日の恋」:大女優に,隠れた恋人である評論家の浮気調査を頼まれた岡坂は,福岡へ飛ぶ。そこで見た評論家の不思議な行動,そして男のホテルの部屋に押し入ろうとした人物とは?・・・途中までサスペンス風で悪くないと思ったのだけど,偶然の要素が強過ぎる。これも人情バナシっぽいしなあ。







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Last updated  2010.12.29 11:32:17
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