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2011.03.25
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カテゴリ: びしびし本格推理
石持浅海の復讐をテーマにした作品を読んだ。

○ストーリー
投資家・小池は,大学院生・田島のベンチャー企業を支援する。ある思いを心に秘めていた小池は,田島と仲間たちの隠された目的を見抜き,共感していたからだった。田島の会社は順調に業績を伸ばし,彼らの決心が鈍ったかに見えたとき・・・

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復讐がテーマなのに,「資金が必要だから起業しよう」という謎の展開で始まる物語だ。主人公たちの行動があまりにも牧歌的なので,このまま終わってしまうのかと思ったら,ラストはいきなり強引な展開になり驚いた。

そうした復讐ができるならば,そもそも起業なんて不要だったじゃないの?と言うのは野暮なんだろう。「復讐」と「起業」をくっつけて作品に仕上げよう,という作品なんだろうから。

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石持浅海の作品としては,少しだけ新しい趣向がある。主人公が犯罪者(あるいは犯罪者予備軍)であり,かつ仲間がいること。さらにそれだけでなく,主人公が2人いて,起業家と出資者のそのままの関係で,犯罪者と支援者という側面も持つことだ。

もっともギリギリまでは出資者の小池だけが,田島の復讐心に気付いていて,支援をしているという状況なので,2人がペラペラと復讐についてプランを話し合うワケではない。



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この作品は長編なのだけど,とびとびに雑誌に発表されたため,各章に小さな謎解きが用意してある。残念ながら,そのいずれもが不自然過ぎてぎこちない。

あまりファッションにこだわっていない工学系の大学院生が3人して,セミの死骸を拾い集めたり,銀座のショップで買い物をしたり,とか,どう考えても犯罪を計画している人たちの行動ではない。他人に注目されてしまって,どうする?

また,それが偶然,出資者小池側に毎度毎度目撃される。いくら小説とは言え,さいたま市でバッタリ会い,その次は銀座でバッタリ会う?

この作者を本格ミステリーとして評価している人もいるが,ロジックが優先され過ぎていて,不自然な状況を平気で連発する神経はダメだと思う。

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キャラクターの行動が,不自然で人間らしくないのは,もう石持作品の持ち味としか言いようがない。復讐のために公務員になる(???)小池,復讐のために起業する田島,突然ハッキングに目覚める仲間,自殺未遂の女性を救ったかと思うとそのまま一人で帰宅させてしまう絵里子・・・もう誰一人として現実にいなさそう。

意地悪なことを言えば,里子というキャラも,恋人が横領していた資金で,食事したり旅行行ったり,いい目を見ていたと思うんだけどなあ。100%の被害者とは言えないと思うが?

気になるのが,表面上は紳士的な描き方をしていても,毎回毎回女性は弱い愚かな被害者という石持作品の共通項だ。本人も気付いていないのかも知れないけど,根本のところはかなり男尊女卑の気持ちが強い人物なんだと思う。

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他の石持作品とのリンクは,「水の迷宮」の羽田国際水族館と,作品忘れたけどパーム・リサーチ社,かな?








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Last updated  2011.03.26 10:46:56
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