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2009.02.06
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カテゴリ: 歴史万般
110 「おごれる白人と闘うための日本近代史」 

田中敏(訳)
文藝春秋 237頁¥1524 2005.8.25 初版第1刷発行

書題の「おごれる」は馬へんに喬
原題 はドイツ語で Raumschiff Japan (宇宙船日本)
つまり日本人がドイツ語でドイツで出版した本を日本人が
翻訳した本です。

[目次] 


序章 「西洋の技術と東洋の魅力」
第1章 世界の端で -「取るに足らない国」だった日本
第2章 劣等民族か超人か-「五百年の遅れと奇跡の近代化」という思い込み
第3章 草の根民主主義 -江戸時代の農民は「農奴」ではなかった
第4章 税のかからない商売-商人は独自の発展を遂げていた
第5章 金と権力の分離-サムライは官僚だった
第6章 一人の紳士-初代イギリス駐日公使オリコックが見た日本
第7章 誰のものでもない農地-欧米式の「農地改革」が日本に大地主を生んだ
第8章 大砲とコークス-日本はなぜ「自発的に」近代化しなかったか
第9章 高潔な動機-「白人奴隷」を商品にしたヨーロッパの海外進出
第10章 通商条約の恐ろしさ-日本はなぜ欧米との「通商関係」を恐れたか

第12章 ゴールドラッシュの外交官-不平等条約で日本は罠に陥った
第13章 狙った値上げ-関税自主権がなかったために
第14章 頬ひげとブーツ-欧米と対等になろうとした明治政府
第15章 猿の踊り-日本が欧米から学んだ「武力の政治」
第16章 たて糸とよこ糸-今なお生きる鎖国時代の心


参考文献

[内容]

これは欧米に向けての日本の伝統文化の紹介や解説などとは次元
の異なる、「日本の弁明」であり、「言葉による自国の防衛」です。
ドイツやアメリカで袋だたきに遭い、傷つき悔し涙を流しながら、
今なおこびりついている欧米人の日本への無知、誤解、奢りについて
テレビや講演で反論してきた著者がドイツでドイツ語で出版した本の
日本語訳です。

「この本はどうしても彼らに言わねば我慢できないという「激怒」と
「使命感」に{燃えて書き上げた」
「出版にこぎつけるまでの闘いで一度に十歳くらい歳をとった」
「この報われることの少ない薄幸な作品をこのまま埋めてしまう
ことに、ある日突然耐えられなくなった」(著者の言)

[感想]

世界、とくに欧米史観の中に置かれた「日本史」や「世界史」を教育
されてきた世代の私には衝撃を受けた一書でした。
どの国であれ、自国の歴史や世界史を誤解や糊塗や自虐や奢りや
捏造なしで描くことがいかに難しいかを知らされます。

この本には、
イギリスがインドにワタだけの栽培を強制し、綿織物の家内工業を
弾圧して植民地化に成功したこと、
イギリスのピューリタンが北米大陸に上陸したとき先住民の助けにより
かろうじて冬の餓死を免れたにもかかわらず、その後に先住民を
殺戮し追放しその豊かな土地を奪ったこと、
オーストラリアに送り込まれたイギリス人が先住民を悪魔の子として
殲滅したこと、
中国に対する巨額の貿易赤字をアヘンをもちこんで解消したこと、
日本に対して植民地と同じ不平等条約を世界の慣例だといって
アメリカ領事ハリスやイギリス公使オールコックがだまして押しつけたこと、
金と銀の交換比率を偽り、それが原因で百万両を越える金貨が欧米
に持ち去られたこと、
などなどが記されています。

[頁のかけら] 

○ 近東、インド、東南アジア、中国、日本といった古い文化の中心地
に比べて、中部及び北部ヨーロッパはかつて荒涼とした貧しい土地だった。
このことは今日なかなか想像し難い。ヨーロッパは惨めにも貧しい大陸
だった。その事実はいくら壮大な大聖堂を建設しても覆い隠すことは
できなかった。

○「奴隷(スレイブ)」は、語源的に「スラブ人」と同じである。大掛かり
な奴隷狩りが行われた。ポーランドからボルガ河畔に沿ってウラル
山脈にいたるロシアの平原で、ヨーロッパの奴隷狩り専門家たちに
よって、スラブ人の男女が捕らえられたのである。
(アフリカの黒人の奴隷狩りの前に白人による白人奴隷狩りが存在した。
オリエントへの輸出品とするために!)

○ヨーロッパのいくつかの民族が海洋国家となったそもそもの動機は、
決して遠い異教徒たちの魂を救済するためでも、キリスト教伝道の
任務を遂行する内なる衝動のためでも、文化的優越感のためでも、
その優越感から導き出された、非ヨーロッパ民族をヨーロッパの文化
によって幸せにしたいという願いのためでもなかった。大航海時代を
生み出した原動力は、自然に呪われたヨーロッパ大陸の貧しさを
克服したいという願望だった。

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 ランダム読書日記 

 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2009.2.6. No.110)






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Last updated  2009.09.23 22:51:26
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海外で頑張る日本人  
先ほどはHP記事のご指摘、ありがとうございました。

松原さんの本は「言挙げせよ日本」など読みました。海外で日本のために外国人に対して声を上げることのできる数少ない方ですね。
わりと高齢の方、だということで後に続く方いるかどうか、が不安です。

最近読んだ「ニッポンの評判」や「一度も植民地になったことがない日本」など現地で頑張る日本人、自然に伝わっていくニッポンの良さに希望を見出したいと思います。
(2009.02.08 16:23:01)

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