オランダから普通の暮らしつづり。
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ほぼ一年ぶりの日記更新。毎日がはやっ。ここまでほったらかしにしていると、誰も私の記事など読んではいないやろな。と思いつつ逆に言えば、なんでも別にええか、という気楽さもあり、今日も久しぶりにちょっと書いてみようと思った次第。さて、オランダ暮らしは長い割に私はオランダに友達が少ない。オランダ人の友達は皆無だし、日本人のママ友たちは子どもの成長とともにすーっと交流が途絶えたし駐在マダムの友達は、あっという間にどっかに行ってしまった。そんな私にも数人の貴重な友人、知人はちょっとだけどいる。その中の一人に、M さんがいる。彼は私よりもうんと年上なんだけれど、家が近いことや時折電話やお茶をしながら政治の話をするのが楽しくて、折を見て連絡を取り合う中だった。私たちは結構「右人間」。ほほほ。それはさておき。彼は、オランダ人の男性パートナーを10数年前に見送り、その後新しいパートナーと穏やかに暮らして今に至る。その彼に去年 異変が起きた。長い日本滞在を終えて、久しぶりに彼に電話をした。「お元気ですかぁ」と その挨拶に大きな意味がなかった。しかし彼は意外にも「元気じゃないのよ〜」と。聞けば、こうだ。要点をまとめて書くと、夏ごろから日課の散歩が辛くなり、途中で座り込むことが増えた。おかしいな、と思いつつ過ごしていると、便の色がおかしいことに気が付く。すぐにホームドクターに相談。検査をしたら、胃がん。病魔は肝臓にまで転移している、ということだった。余命6ヶ月。ここまで聞いて、私は激しく動揺し、なんと返事をすればいいのかウロタエタ。しかし、彼は淡々とこう続けた。「今、忙しいのよ。お友達に色々このことをお伝えしなくちゃいけないから、毎日電話ばっかり。おまけに、これからのことも考えなくちゃいけないし」彼は生粋の東京人で、きれいな日本語でスラスラとまるで、旅行にいくのよ、ってな感じでものを言う。「で、で、どうするんですか??」と私。「どうするもこうするも、ある程度の年齢になったら、オランダはもう治療しないからねー。健康診断だって、75歳までだったから。」治療しないんだ。なんもしてくれへんのや。およよのよ。「それでええの? 日本に帰って治療の可能性を探らないのですか?」と私。すると彼はこう言い切った。「そうねえ。なんだか思ったより冷静なのよ。不思議に。私はこれまで好きに生きてきて、日本の両親のことや家のことも全部姉たちにまかせてきて、本当に自由に今日まで来たのね。だから、今さら日本に帰ってどうのこうの、っていう気はないのよね。」と こうだ。なんという潔さだろう。カッコイイのだ。いいことも、悪いことも、生きてきた自分の人生にきっちり責任持つとはこのことなんだ、と。自分を振り返るとどうだろうか。。日本とオランダのええとこどりだけを何とかしてできないものか、と喘ぐ日々。夏になったらオランダがええな、病気になったら日本やな、美味しいものは日本やし、めんどうな人間関係はオランダがええわ。数え上げたらキリがない。もう少し年を重ねたら、私も彼のようにキッパリと死場所を決めることができるのだろうか。今日はひとまずここまで。オランダの医療システムや考え方。自分はどこで最期を迎えたいのか。などなど これを機に書きながら頭を整理していきたいと思っている。ほぼほぼ一人の日記状態だ。つづく。しばいーぬのゆきさんは、15歳に。おかげさまでぼちぼち元気です。いつもありがとう。人気ブログランキングへ
February 18, 2025
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