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2023年01月15日
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カテゴリ: 音楽


亭主は以前、アンドレアス・シュタイアーの演奏によるアルベロの「6つのレセルカータ、フーガとソナタ」を聴いて以来、これらの曲にどハマりしていますが、「30のソナタ」についてはあまり注意を払っていませんでした。そこで、まずはIMSLPから原典をカラーコピーしたと思われるPDF楽譜をゲットし、問題の第11番を印刷して自宅のハープシコードでポロポロやっていたところ、ピンと来たのがドメニコのソナタK.247です。両者の間では、3拍子による全体の調子が共通していることに加え、左手の付点リズムによる和声進行のパターンがよく似ています。




K.247はおそらくドメニコのソナタの中でも特によく知られた曲のひとつで、ハープシコード、ピアノのいずれでも取り上げられる機会が多い作品です。亭主のCDライブラリの中でも2つの楽器それぞれ5人もの演奏家が競演していますが、ハープシコードの演奏はスコット・ロスのそれをはじめどれも速いテンポで弾いており、ネットラジオで流れてきたアルベロのソナタとはかなり違った印象を与えます。一方、ピアノによる演奏はちょうど真逆で、ほとんどの演奏家が遅めのテンポでしっとりとした雰囲気を出してます。(ハープシコードでもっとも後者に近い演奏はキャロル・セラシによるもので、今の亭主にはこれがお気に入りといったところ。)

この週末、さらにこの「30のソナタ」について調べていたところ、何と亭主のCD棚にあるジョゼフ・ペイン(Josepf Payne、1937-2008)の演奏による「Sonatas Para Clavicordio」という音盤(こちらも1993年リリースの年代もの)にその一部が収まっていたことが判明(「灯台下暗し」とはこのことです)。そうと気づかなかった訳は単純で、CDに収録されているソナタの数が17曲と中途半端で「30のソナタ」という曲集との関係が直ぐには分からなかったからでした。(長文のライナーノートを改めてよく読むと、3ページ目の中程になってようやく収録されたソナタが「from the set of thirty sonatas of the Venetian collection」という記載に遭遇。IMSLPにアップされていたのも同じヴェネチア、マルチアーナ図書館所蔵の手稿です。)




このCDにはこれまでドメニコの作品とされてきたK.142(嬰ハ短調)、K.143(ハ長調)、K.144(ト長調)の3曲もふくまれており、これらは今ではアルベロの作品であると認定されているようです。特にK.144のカンタービレはやはり有名なソナタの一つで、亭主が大好きな曲でもあります。が、これまでは漠然とドメニコの作品とみなしていたこともあり、今回改めて作品の由来を確認するとともに、アルベロという音楽家に益々興味が湧いてきました。

ちなみに、「30のソナタ」中の第1番と第2番(いずれもハ長調)は、その後マドリード王立音楽院の図書館で見つかった手稿(MS 3/1408)の中にも含まれていましたが、そこでは誤ってドメニコ・スカルラッティ作とされていたとのこと。このエピソードからも分かるように、音楽家としてのアルベロの実力は(おそらく鍵盤演奏家としても)ドメニコに匹敵するものだったと推測されます。

スカルラッティの研究者で、斯界のシャーロック・ホームズのような存在だったヨエル・シェヴェロフは、かつてカークパトリックがドメニコの作としたソナタのうち、K.95、K.97、およびK.142からK.146の7曲については由来が疑わしく、番外にすべきと考えていました。そのうちの3曲までがアルベロの作品とわかったことと合わせると、もしかすると残りの番外作品もそうかも?
さらには、他のソナタも?…という妄想が湧いてきます。








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最終更新日  2023年01月15日 20時20分53秒
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Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15)  
Todoroki さん
ロール・コラダン(Laure Colladant)のフォルテピアノによる全30曲のソナタ集、マイナーなレーベルから出されましたが、私のお気に入りの一枚です。探せば、アルベロのソナタは録音がありますが、彼女の演奏は傑出していると思います。未だに、「6つのレセルカータ、フーガとソナタ」の録音がほぼ皆無なのが何とも残念です(チェンバロによる全曲録音が数年前にようやく出ましたけれども)。

私はIMSLPにモダンピアノによる演奏をリンクとして付け加えました。マラガで教鞭をとられている、Juan Ignacio Fernandez Morales氏によるモダンピアノによるものですが、譜めくりを確認すると、明らかに、原典をみながら演奏されています。なお、彼は全30曲のソナタ集もユーチューブ上で公開しています。公開されているので、誰でも読むことができますが、アルベロなどの作曲家を扱った博士論文も数年前に著されています。。 (2023年01月20日 09時23分49秒)

Re[1]:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15)  
未音亭  さん
Todorokiさんへ
コメントありがとうございます!
「6つのレセルカータ、フーガとソナタ」はアルベロの真の傑作だと思われ、一部とはいえそれを取り上げてくれたシュタイアーの慧眼には感謝しかありません。(Alejandro Casalさんの全曲録音CDの演奏、譜面を辿るのには便利ですが、ストレートスタイルというか、やや抑制が効きすぎているのが残念な感じです。)また、色々情報ありがとうございます。ユーチューブ、早速眺めてみます。 (2023年01月22日 09時19分07秒)

Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15)  
tekuteku さん
ジョゼフ・ペインのライナーノーツに関して。

最近になってスペインで、Celestino Yanez Navarro氏により、スカルラッティのソナタに関し、サラゴサに残されている手稿譜に関する論文が公開されています。


ウォーガン手稿やイェール大の手稿くらいにしか存在せず、アルベロの作品ではないかとシェベロフから疑われていた K.142, 143, 144や、ヴェネツィア手稿にない K.203 などが、サラゴザに保管されている複数の写本には含まれており大変興味深いものとなっています。

(拙ツイート: https://twitter.com/tto_101/status/1002533702868467712 ) (2023年01月24日 00時24分06秒)

Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15)  
tekuteku さん
ジョゼフ・ペインのライナーノーツに関して。

最近になってスペインで、Celestino Yanez Navarro氏により、スカルラッティのソナタに関し、サラゴサに残されている手稿譜に関する論文が公開されています。


ウォーガン手稿やイェール大の手稿くらいにしか存在せず、アルベロの作品ではないかとシェベロフから疑われていた K.142, 143, 144や、ヴェネツィア手稿にない K.203 などが、サラゴザに保管されている複数の写本には含まれており大変興味深いものとなっています。

(拙ツイート: https://twitter.com/tto_101/status/1002533702868467712 ) (2023年01月24日 00時24分36秒)

Re[1]:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15)  
未音亭  さん
tekutekuさんへ
これまた情報ありがとうございます。Navarroさんの論文、5.20ユーロでダウンロードできる(?)みたいですね。それにしても、ソナタの作曲者の帰属問題、自筆譜といった決定的な証拠が出ないと最終的には解決しなさそうです。 (2023年01月29日 08時51分50秒)

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