ラムについて 0
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【ラニョーサボラン No,35】ラニョーサボラン フォンヴィエイユ35年コニャックです。ラニョーサボランは、ブドウ栽培からボトリングまで全て自分たちだけでやる家族経営のメーカーということで有名なブランドのようです。コニャックはもうジャンフィュー・トレビューさえ飲んでいればOKだと思っていましたが、お祝い事とお正月が重なったので、こちらラニョーサボラン35年を飲んでみることにしました。こんないいヤツだから美味しいに決まってると思ってましたが、正にそんな感じ、物凄い美味しさです。ずっしりとした重量感があり、華やかでフローラルさに満ちています。瑞々しいブドウの香りはもちろんですが、ハチミツや洋ナシ、お花の要素もある重層的な香りで、飲んでみてもコシの強さと強烈なフルーティーさ、柑橘や乾燥イチジク、リムーザンオークの程よいタンニン的渋みが複合的に感じられます。素晴らしいコニャックだと思います。まあ、コニャックのいいヤツなんだから美味しいのは当たり前なのかもしれませんが、それにしても素敵な味・風味です。力強く、輝くようにピュアな感じです。それほど多くのコニャック、ブランデーを飲んだことがあるわけではないのですが、少なくとも有名なレミーマルタンやカミュのXOグレードよりも僕はこちらが好みです。【僕の評価】5段階中の5++お歳暮 お酒 ラニョーサボラン No.35 フォンヴィエイユ 700ml×1本 コニャック / RAGNAUD SABOURIN FONTVIEILLE No.35 - COGNAC ギフト 父親 誕生日 プレゼント価格:16964円(税込、送料別) (2022/1/3時点)
2022.02.25
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【ボデガス・イダルゴ・ドスシエントス ソレラ・グラン・レゼルバ】ボデガス・イダルゴ/ドスシエントス/ソレラ・グラン・レゼルバスペインのシェリーブランデーです。イダルゴ社の創業200年を記念して、ドスシエントス(200)というネーミングで発売されたそうです。イダルゴ社は1792年創業らしいので、このブランデーの発売開始は1992年。以来、ボトル形状などの変更を経つつ、販売されているようですが、残念ながら今は日本には入ってきていないようです。ボデガス・イダルゴのシェリーは幾つか飲んだことがありますが、ブランデーは初めてです。オロロソとクリームのカスクで構成されたソレラシステムで熟成されていて、度数は40%。香りはドライフルーツとナッツ、クリーム、バニラなど、典型的なシェリーブランデーの要素に満ちています。飲んでみると、とても円やかですが強めのコシがあり、重量感のあるしっかりしたブランデー、という印象です。ミルクチョコレートとドライアプリコット、レーズン、炒ったナッツ、オーク、ハチミツなどの風味があり、クリーミーさとコク深さを感じます。それに後味にはオロロソ的な旨味もあるので、非常に満足感の高い味わいだと思います。分類するとすれば、フェルナンド・デ・カスティーリャ系。でも、クリームカスクによるものか、もう少し丸い甘みが濃い印象です。食事中はオロロソ、食後はコレ、という流れに完璧にフィットする感じです。【僕の評価】5段階中の5
2021.07.23
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【インデペンデンシア/オズボーン】オズボーン社のインデペンデンシアスペインのシェリーブランデーです。オズボーン社は大手なので、多くのブランドでブランデーをリリースしています。今回のインデペンデンシアもその一つですが、情報が少なく詳細はよくわかりません。グレード的にはソレラ・グラン・レゼルヴァで、平均熟成年数は概ね10年のようです。ボトルは薄いブルーグリーンで、形状は普通に見えますが背中側にくびれがあり、滑り止め的な凹凸があります。中身の色はやや濃い目で、オレンジがかったアンバーカラー。香りはフルーティー系で、ブドウ、レーズン、干しイチジク、それにナッツの要素も感じられ、激ウマシェリーブランデーのカーディナル・メンドーサに近い気がします。味も素晴らしく、レーズンや各種干しフルーツ、ナッツ、それに少しオレンジやカカオの風味もあって、シェリーブランデーらしい深い味わいです。濃度的にはミディアムな感じで、滑らかな飲みやすさと深いコクがバランスよく備わっていると思います。雑味の無い整った風味・味わいの美味しいブランデーですが、現在のところ国内では入手困難、海外でもヨーロッパの一部サイトにしか見られず、無くなったら再入手は難しそうです。サンチェスロマテ/カーディナル・メンドーサにかなり近い味・風味だし、どちらかというとカーディナル・メンドーサの方がより濃厚かつまろやかで上等な感じなので、無理してこちらを探すより入手が容易なカーディナル・メンドーサを購入した方がいいかもです。【僕の評価】5段階中の5ブランデー サンチェス ロマテ カーディナルメンドーサ ジュビレオ シェリーブランデー 700ml (73224) 洋酒 brandy(73-5)価格:4928円(税込、送料別) (2021/2/22時点)
2021.04.16
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【オズボーン 1866 ソレラ・グラン・レゼルヴァ】オズボーン1866ソレラグランレゼルヴァスペインのブランデー、シェリーブランデーです。シェリーブランデーの大手オズボーンの製品です。ダリボトルのコンデ・デ・オズボーンやカルロス1世インペリアルなど、オズボーン社はブランドが多く、今回のもその一つです。この1866は情報が少なく、ソレラシステムで使われるカスクの種類などは不明でした。ボトルの口には「ドバッと出ないプラスチックパーツ」付き。色は薄目で黄金色といったところです。香りはシェリーブランデーらしい豊かな感じで、ドライフルーツ、濃縮レーズンとナッツなどが感じられます。味はオークの風味とシェリー的なレーズン&ナッツ、それにカラメルと少しココアの風味もあります。ドライフルーツの入った過発酵ぎみのパンのようなぽってりした感じがありながら濃すぎず薄すぎず。鋭角的な印象は無く、かなり優しい印象です。全てがミディアム、といった感じのバランスです。規格としてはソレラ・グラン・レゼルヴァですが、他のグラン・レゼルヴァよりも熟成期間は短めに感じられました。アルコール刺激がキツイわけではありませんが、味わい・風味の各要素の溶け合い方がやや浅く、そのためグランレゼルバにしては深みがちょっと不足気味に思えます。例えばルスタウだとソレラ・レゼルバくらいの感じですが、あえてこういうキャラクターにしているのかもしれませんね。ストレートで飲むのもいいですが、ロックで飲むと格段に飲みやすくなってお勧めです。今のところ、日本国内では見かけないシェリーブランデーです。【僕の評価】5段階中の4.5
2021.02.05
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【ルスタウ ソレラ・グラン・レゼルバ・ファイネスト・セレクション】エミリオ・ルスタウ ソレラ・グランレゼルバ ファイネスト・セレクションスペインのシェリーブランデーです。ルスタウのブランデーにはラインナップが3種類あります。ソレラ・レゼルバ(平均熟成年数3年)ソレラ・グラン・レゼルバ(平均熟成年数10年)ソレラ・グラン・レゼルバ・ファイネスト・セレクシオン(平均熟成年数15年)今回のファイネスト・セレクションが一番長熟ですが、それほど高価ではありませんでした。ルスタウのブランデーは、これまでソレラ・レゼルバとグラン・レゼルバを飲んできましたが、どちらもとても気に入っています。ソレラ・レゼルバはロックで飲むと最高。ブランデーをロックで?と思うかもしれませんが、シェリーブランデーでは威力を発揮する飲み方だと思います。味・風味の一体感が増すというか「整った」感じがします。グラン・レゼルバの方はストレートで飲むことが多いのですが、もちろんロックでも美味しいです。豊かな果実感がありながらチョコレート、カカオ的な風味がある、とてもコク深い味わいです。どちらもお値段以上の品質だと思います。今回のファイネスト・セレクションはさらに長熟ですがそれだけではなく、オロロソカスクとペドロヒメネスカスクを熟成に使っているそうです。ソレラ・レゼルバはアモンティリャードカスク、グラン・レゼルバはオロロソカスクを使っているとのことなので、熟成年数だけでなく熟成に使う樽によってもそれぞれの特徴を出しているようです。色はグラン・レゼルバより少し濃いかなというくらいです。香りはとても落ち着いた雰囲気。アルコール刺激がほぼ無く、フルーティーさとキャラメル、チョコレート的風味が溶け合ったまろやかな香りです。味はグラン・レゼルバより1段階まろやか。コク深く、重厚さがあります。脂肪分が多いダークチョコレート、干しイチジク、アーモンドプードルをたっぷり使ったオレンジ・パウンドケーキのような風味も感じられますが、それら要素の輪郭が不明瞭なほど溶け合っている感じです。また、後味の長さはシリーズ最長だと思います。ルスタウ3兄弟で共通する風味は存在しますが、ソレラ・レゼルバとはかなり差が大きく、グラン・レゼルバ寄りだと思います。ペドロヒメネスカスクが使われているとのことですが、なぜか甘さはグラン・レゼルバより控えめに感じられます。甘さよりも濃厚さに寄与しているように思えます。グラン・レゼルバは、このファイネストセレクションよりもブライトさが強いため、甘さという要素が独立して判別しやすいのかもしれません。どっちが美味しいかを決めるのは難しく、日常の中で普通に飲むならグラン・レゼルバ、時間のある夜に腰を据えてまろやかな熟成感とか深みを楽しむならファイネストセレクション、といった感じでしょうか。両方とも、いや3つとも美味しいです。今のところ国内流通も普通にあるので入手も容易で、お値段もお手ごろ。シェリーブランデー入門に最適だと思います。【僕の評価】5段階中の5+エミリオ ルスタウ ソレラ グランレゼルバ ファイネスト セレクション 40/700[153044][正規輸入][箱なし]価格:6280円(税込、送料別) (2020/8/22時点)
2021.01.22
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【ルスタウ・ソレラ・レゼルヴァ】エミリオ・ルスタウ ソレラ・レゼルバスペインのシェリーブランデーです。以前飲んでとても気に入ったルスタウ・ソレラ・グランレゼルバの弟分。ブドウ品種(アイレン種)や蒸留方法は同じですが、今回のはソレラ・レゼルヴァなので、平均熟成年数3年。その他の違いとしては、グランレゼルヴァはオロロソ、今回のレゼルヴァはアモンティリャードの樽で熟成しているそうです。色はソレラ・グラン・レゼルヴァよりやや淡い感じ。比較するとやや薄いという程度で、凄く薄いというわけではありません。香りはドライフルーツやレーズン、ナッツ入りチョコレートクリームなどが感じられる良い香りです。飲んでみると、予想よりマイルドです。熟成年数3年といえば、例えばコニャックなどの他のブランデーであれば、そのままストレートで飲むには少々厳しいグレードですが、このルスタウ・ソレラ・レゼルヴァなら普通にストレートで飲めると思います。ソレラシステムの威力でしょうか。アルコール刺激はさほど感じられす、ソレラグランレゼルヴァより各要素の風味が鮮明・独立的な感じです。チョコレートやカラメル、ドライフルーツ系の風味をまとった明るい甘味と、まろやかさの源のような硫黄っぽいクリーム風味、ナッツなどが感じられます。小さな氷を入れてロックで飲んでみたら、凄く美味しくてびっくり。コニャックなどはロックが合うとは全然思えませんが、シェリーブランデーは大丈夫みたいです。というか、ストレートよりも美味しく感じました。ソレラグラン・レゼルヴァの方がコクがあって豊かな味わいですが、このソレラ・レゼルヴァでも、その美味しさを充分に味わうことができると思います。ロックがいいですよ、ロック。【僕の評価】5段階中の4(ロックだと5)エミリオ ルスタウ ブランデー デ ヘレス ソレラ レセルバ 40度 700ml価格:2980円(税込、送料別) (2020/8/9時点)
2020.12.19
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【フェルナンド・デ・カスティーリャ/ソレラ・グランレゼルヴァ】フェルナンド・デ・カスティージャ ソレラ・グランレゼルヴァスペインのシェリーブランデーです。前回飲んで強烈に美味しかった、同社のアルテサノコレクション・オロロソカスク2018のレギュラーバージョンです。単式蒸留器で蒸留後、リムーザンオークとアメリカンオークの新樽で3年間熟成させ、その後シェリー(オロロソ)のソレラシステムで15年くらい熟成させているそうです。典型的なシェリーブランデーの製法ですね。非常に複雑な風味で、チョコレート、干しイチジクやプルーン、バニラクリーム、オークなどが折り重なった重厚な感じ。とてもコシが強く、しっかりした味わいです。限定版のアルテサノコレクションに負けていない素晴らしい味わいだと思います。味の系統的には、グランデューケ・ダルバやカーディナル・メンドーサのような濃厚フルーティー系ではなく、ルスタウ・グランレゼルヴァのようなコシの強いチョコレート系に属すると思います。ただ、コシの強さ、ボディの重厚さはルスタウ以上に感じられます。ブランデー、蒸留酒としての質の高さが感じられる、素晴らしい逸品だと思います。どれも安価なシェリーブランデーの中ではお値段は少しお高めですが、納得の味わいです。【僕の評価】5段階中の5+フェルナンド デ カスティーリャ ソレラ グラン レゼルヴァ 箱付き 38度 700ml価格:7980円(税込、送料別) (2020/8/9時点)
2020.12.10
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【サンチェスロマテ ウノ・アン・ミル】サンチェスロマテ・ウノ・エン・ミルスペインのシェリーブランデーです。サンチェスロマテと言えば、世界的評価も高い激ウマ・シェリーブランデー「カーディナル・メンドーサ」が有名ですが、今回のウノ・アン・ミルはグレード的には同じソレラ・グラン・レゼルバですが少し路線が違うようです。どんな感じなのでしょうか。通常スペインのシェリーブランデー、ブランデー・デ・へレスでは、ソレラシステムによる熟成がレギュレーションになっているようですが、このウノ・エン・ミルはソレラシステムではなく、普通の樽熟成法で12年熟成させているのだそうです。ラベルにも「Single Oak Cask」と書いてあります。ブランデー・デ・へレスの規格を満たしていないようですが、ラベルには「Brandy De Jerez」と記載されていてよくわかりません。僕は別にどっちでもいいですけど。色はカーディナル・メンドーサほど濃くはなく、典型的なアンバーカラー。香りはシェリーブランデーのそれではなく、コニャックなど普通のブランデーに近い感じです。ブドウのフルーティーさとオークの香りがメインで、ハチミツ的な濃度を感じさせる要素もあって、とてもいい香りです。飲んでみると、シェリーブランデーとも普通のブランデーとも違って、ちょっと特徴的です。 ブランデーらしい明るく透明感のあるブドウとオークの感じの背後に、シェリーブランデーのふくよかで複雑な風味が存在しています。全体的にはライト~ミディアムボディくらいで、甘さはかなり控えめ、かなりエレガントな感じです。グラスに注いでしばらく待つと、奥行きと複雑さがより強く感じられるようになります。大幅に普通のブランデー寄りのシェリーブランデー、或いはブランデーのシェリーカスクフィニッシュ(そんなの飲んだことないので想像です)、みたいな感じでしょうか。香りの強度は高級シングルコニャックほどではありませんが、程よいコシと控えめな甘さ、透明感と奥底の複雑さがバランスよく共存していることで、飲みやすい味わい深さが形成されている、という感じがします。ソレラシステムではない美味しいスペインのブランデーといえばトレス20ですが、それとも全然違っていて、完全独自路線といった感じです。*開けてから数か月後、最初よりも格段に美味しくなりました。【僕の評価】5段階中の5ウノ アン ミル ソレラ グラン レゼルバ 12年 40% 700ml サンチェス ロマテ ブランデー価格:5785円(税込、送料別) (2020/8/22時点)
2020.12.05
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【カルロス1世 ソレラ・グラン・レゼルヴァ】カルロス1世スペインのブランデー、シェリーブランデーです。シェリーブランデーの大手オズボーン(オスボルネ)社の数あるブランドの一つで、以前飲んで凄く美味しかったカルロス1世XOインペリアルのレギュラー版という感じでしょうか。ソレラ・グラン・レゼルヴァなので、最低3年熟成、平均10年熟成とのことです。単式蒸留器での蒸留で、ソレラ熟成システムで使われるのは、アメリカンオークのオロロソ、アモンティリャードのシェリー樽で、それらは100年以上使われた古い樽だとのことです。樽ってそんなに長持ちするんですね。グラスに注ぐと、色はインペリアルよりやや淡いように見えますが、ほぼ同じくらい。深い色合いです。香りはドライフルーツ入りのバターケーキやバニラのような感じで、やはりXOインペリアルにとても似ています。味も同様でとても味わい深く、ミルキーなベールに包まれたドライフルーツ(イチジクやレーズン)、チョコレート、キャラメル、そして樽の風味が品よく溶け合っています。XOインペリアルの方が少し濃く、ミルキーさも顕著な、より「太い」味わいですが、今回のグランレゼルヴァは輪郭が明瞭な、より明るい感じがします。刺激や風味の要素の分離感など、いわゆる「若い」印象は全く感じられず、とてもマイルドです。もちろん、より長熟のXOインペリアルの方が美味しいのですが、その下のグレードでもネガティブな要素が全然無い、という感じです。シェリーブランデーってやっぱり美味しいですね。ソレラシステムってやっぱりスゴいですね。【僕の評価】5段階中の5【送料無料】【カタログ掲載品】【代引不可】カルロス1世 40度 700ml価格:3300円(税込、送料無料) (2020/7/10時点)
2020.11.14
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【エミリオ・ルスタウ ソレラ・グランレゼルバ】エミリオ・ルスタウ ソレラ・グラン・レゼルヴァスペインのシェリーブランデーです。シェリーの有力生産者のルスタウ社のブランデーで、蒸留には単式蒸留機使用、へレスとそれ以外のエリアのブランデーをバッティングしているそうです。熟成はもちろんソレラシステム。オロロソカスクで平均熟成年数10年とのことです。色は濃いめ。チョコレートとレーズン、キャラメルクリームが溶け合ったような、上品で濃厚な香りです。飲んでみると、香り同様にダークチョコレート、それにナッツやクリーム、カラメル化した蜂蜜、干しイチジクやパンのような風味もあって、とてもリッチな味わいです。強めのコシで深いコクがあり、甘さは比較的控えめでとても複雑。ソレラ・グラン・レゼルヴァなので、定義的に最低熟成年数は3年ほどのはずですが、それを考えると驚異的に円熟味のある味わいで、ソレラ熟成法の威力を思い知ります。シェリーブランデーは、ラムと味わいの系統的に近いものが感じられ、ラム好きには親しみやすい蒸留酒カテゴリーだと思います。シェリーブランデーの多くは年数表記ではなく、「ソレラ」「ソレラ・レゼルヴァ」「ソレラ・グランレゼルヴァ」という3つの平均熟成年数別の表記であることが多いのですが、製法が混在しているラムの世界では表記もまた混在していて、最低熟成年数表記のやつもある一方で、「ソレラで15年」あるいは「15(15年とは書いてない)」などの表記もあるので、シリアスなラム愛好家の間ではソレラ・ラムを蔑視する風潮があります。「ソレラで15年」という表記なら問題ないとも思えますが、なにしろラムにおいてはシェリーブランデーの表記方法にも縛られていないので、それが平均じゃなくて最高熟成年数という場合もあります。となると、例えばソレラで最高熟成年数が23年なら、23年熟成したラムはそのボトルの中にほんの僅かしかないわけなので、それで「23年」を表記するのはフェアじゃない、ということになります。世界中で造られているラムに統一的な縛りをかけることは難しいので、生産国単位で、或いは蒸留所単位で妥当な表記にする努力が必要かもしれません。すでにバルバドスやジャマイカなどではそういった取り組みがなされているようなので、それが全世界に波及するといいですね。とにかく、このルスタウSGRは、4千円くらいで買えるお酒とは思えないほど素晴らしい味わいだと思います。シェリーブランデーといっても色々なのですが、味わいの系統としては今回のルスタウは、カーディナル・メンドーサやグランデューケ・ダルバよりも、フェルナンド・デ・カスティーリャの仲間、という感じがします。ルスタウには、今回のグランレゼルヴァ以外にも、熟成年数の短い「ソレラ・レゼルヴァ」、より長熟の「ファイネストセレクション」なる上位バージョンもあるようですので、それらもぜひ飲んでみたいと思います。【僕の評価】5段階中の5+【6本〜送料無料】ブランデー デ ヘレス ソレラ グラン レゼルバ NV エミリオ ルスタウ 750ml [白]Brandy De Jerez Solera Gran Reserva Emilio Lustau価格:4246円(税込、送料別) (2020/3/20時点)
2020.10.30
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【バロン オタールXO ゴールド】オタールXOゴールドコニャックです。高品質とされているグランドシャンパーニュ産原酒をメインに、ボルドリ、ファンボア産原酒とのブレンドだそうです。XOなのでレギュレーション的には最低熟成年数10年以上が原則ですが、それは下限であって実際はもっともっと長熟の30年モノとかもブレンドされているされているようです。輸入元はバカルディジャパン。XOなのにとても安価に流通していて、他のメジャーなXOレンジコニャックとはかなり差があります。ありがたいですね。コルク内蔵型の変わったキャップで、開けやすくていい感じです。香りはクセの無いベーシックなコニャックという感じ。これ見よがしな複雑さ、スパイスなどによる重層感がなく、ピュアないい香りです。飲んでみてもその感じが濃厚で、大手コニャックブランドによくある濃厚甘味スパイス系ではなく、フラパンやジャンフィユーなどと同じ方向性のピュア系のコニャックだと感じました。アルコール刺激がほぼ感じられず、香りや味にクセが無いのでとても飲みやすいと思います。コシやコクは程よくありますが重すぎず、そういう全体のバランスも飲みやすさの大きな要素だと感じました。XOにしてはかなりリーズナブルな価格ですが、ネガティブな要素が全然感じられないので、純粋にコストパフォーマンスに優れてたコニャックだと思います。オタールは契約農家からの原酒を自社で熟成・ブレンドして販売する大手のコニャック会社らしく、日本の輸入販売元も大手バカルディ・ジャパン。それなのにこの価格で手に入るのは本当にありがたいことだと思います。関係者のみなさん、どうもありがとうございます。【僕の評価】5段階中の5ブランデー バロン オタール XO 700ml (33-2)(72425) 洋酒 brandy価格:6963円(税込、送料別) (2020/6/27時点)
2020.10.16
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【カルヴァドス・パコリ12年 ドンフロンテ】パコリ12年カルヴァドスです。これまで飲んだカルヴァドス、ペールマグロワールXOやブラーXOは、「ペイドージュ」規格でしたが、今回のパコリは「ドンフロンテ」規格。生産エリアの違いだけでなく、原料も蒸留法も違った規定になっているようです。ペイドージュは単式蒸留器使用で、原料は洋ナシの比率が30%以下ドンフロンテは半連続式蒸留器使用で、原料は洋ナシの比率が30%以上だそうです。最低熟成期間も少し違っていてるようですが、コニャックとアルマニャックの違いみたいな感じですね。カルヴァドス・ペイドージュより洋ナシ比率高めのドンフロンテですが、今回のパコリ12年は洋ナシ70%、リンゴ30%で、洋ナシ高比率。僕はそのまま食べるならリンゴより洋ナシの方が好きなので、今回このパコリ12年を買ってみました。先ず、なんといっても物凄くフタが開けにくい・・・かなりの硬質素材なので素手ではどうすることもできません。ナイフでもスパッとは切れず、ガリガリと少しづつ削りとるしかない感じです。一体なぜこんな馬鹿げたシールを採用しているのか・・・何か利点があるのでしょうけど、少なくとも購入して開ける人のことは全く考えていないことは明白ですが、中のコルク自体は普通でした。グラスに注いでしばらく待ち、香りをかいでみると、清々しい洋ナシ感が満点でうっとり。なんて素敵な香りなんだろうと思いました。グラスに鼻を突っ込むとアルコール刺激がありますが、数センチ離れたエリアからの香りは特筆モノです。飲んでみると、意外なほどしっかりしたコシがあります。香りの印象よりも重量感があり、味としては洋ナシがメインであることはもちろんですが、奥に焼きリンゴや蜂蜜系の要素も感じられます。しかしやはり洋ナシ感は圧倒的で、それ以外の要素は並列的には感じられず、そのため味全体は複雑というわけではないと思いますが、この透明感のある爽やかな香りとワイルドとも言えるようなコシの強さの共存がとても印象的です。開けてから数か月くらい経つと落ち着いてくるかもしれませんが、荒っぽい要素があるというところがイイのだ、とも思えるバランスです。パコリは今回の12年物以外に、3年、6年、16年、20年、30年のラインナップがあるようです。余裕があれば、次は20年か30年を飲んでみたいです。【僕の評価】5段階中の5パコリ 12年 ドンフロンテ カルヴァドス 41度 700ml価格:7410円(税込、送料別) (2020/5/24時点)パコリ 20年 ドンフロンテ カルヴァドス 41度 700ml価格:10570円(税込、送料別) (2020/6/30時点)パコリ 30年 ドンフロンテ カルヴァドス 40度 700ml価格:14240円(税込、送料別) (2020/6/30時点)
2020.09.11
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【カルヴァドス ブラーXO】ブラーXOカルヴァドスです。ペールマグロワールXOがとても美味しかったので、日本で一番メジャーなカルヴァドス、ブラーを買ってみました。サントリーが輸入元のようです。普通に買えるブラーのラインナップは3種類。グランソラージュ(最低熟成年数2年)VSOP(最低熟成年数4年)XO(最低熟成年数6年)XOでも随分お手ごろな価格なので、迷わずXOにしました。ホントにXOなのかと思うほどの価格です。グラスに注いでみると、色はペールマグロワールXOより少し濃い気がします。香りと味は当然リンゴがメインなのですが、生のリンゴ単体ではなく、もっと濃厚で複雑な風味です。カラメリゼしたリンゴと完熟洋ナシ、少しカカオやローストナッツ的なコクもあり、控えめにクローブやシナモンの風味も感じられます。ペールマグロワールXOの時も思いましたが、生のリンゴから作ったのではなく、アップルタルトを発酵・蒸留して作ったのではないかと思うほど、複雑な凝縮感を感じます。カルヴァドスって美味しいですね。【僕の評価】5段階中の5ブラー カルヴァドス XO 40度 700ml ブランデー リンゴ アップルブランデー 箱なし 【酒 お酒 ギフト プレゼント お祝い 内祝い 結婚祝い 新築祝い 退職祝い 還暦祝い 誕生日 誕生日プレゼント 宅飲み 家飲み おうち時間 母の日 父の日】【ワインならリカオー】価格:4690円(税込、送料別) (2020/5/9時点)
2020.08.22
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【コンデ・デ・オズボーン(オスボルネ)エディション・ダリ】コンデ・デ・オズボーン/エディション・ダリスペインのシェリーブランデーです。非常に特徴的なこのボトルは、なんとあのサルバドール・ダリによるデザインなのだそうです。なんでもオズボーン家とダリは仲良しだったらしく、ダリにデザインを依頼したとのことです。シュールレアリスム全開のカッコいいボトルですね。作られた当時は限定品だったそうですが、2000年代からオズボーン社がレプリカボトルで再発売を開始したようで、サイトには現在も掲載されています。もちろん今回のはその新しい方のやつです。オズボーン社はかなり大手のようで、オズボーン・グループとしていろんなブランドを持っているようです。その中には、以前飲んでとても美味しかったカルロス1世もあり、サイトにはなんとフロール・デ・カーニャも掲載されていました。さてこのダリデザインボトルのコンデ・デ・オズボーン、中身はソレラグランレゼルヴァで、平均熟成年数は10年、アメリカンオークのペドロヒメネスカスクでの熟成だそうです。グラスに注ぐと、色はやや濃いアンバーカラー。香りはとてもマイルドで、バニラとレーズン、シェリー、チョコレートなどが感じられます。飲んでみると、驚くほど滑らかでマイルドです。ナッツやチョコレートクリーム、レーズン、干しイチジクなどの中に、フローラルな要素もあり、すごくリッチというわけではないのですが、全体の風味は複雑で重層的です。ペドロヒメネスカスクによる熟成とのことですが甘さはそれほど強くはありません。それよりも滑らかさ、丸みを帯びたようなマイルドさが印象的です。オズボーン社のシェリーは何種類も国内流通があるようですが、現在はブランデーの流通はないようです。このダリボトルじゃない普通のバージョンももちろんあるようなので、そちらでもどこかの会社が輸入してくれるといいんですけどね。【僕の評価】5段階中の5
2020.07.30
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【トレス30年】トレス・ハイメ1世スペインのブランデーです。以前飲んでとても美味しかったトレス20年の30年バージョン。トレス20年はオークカスクで普通に熟成させているそうですが、今回のハイメ1世はソレラシステムによる熟成とのことです。非常に凝ったデザインのボトルと外箱(箱じゃないですが)ですが、これは日本人建築家の田中さんという方のデザインだそうです。カッコいいですが、これには相応のコストがかかっていると思われます。グラスに注いでみると色はそこまで濃くはありません。深いアンバーカラーです。香りは複雑ですが、コニャックやアルマニャックのようにストレートなブドウ感がメインです。他の多くのスパニッシュブランデーのようにシェリー的な複雑さではありません。熟成法はソレラですが、シェリーカスクではない普通のオークカスクなので、コニャック・アルマニャック寄りになっているのだと思います。フローラル感のある華やかな香りです。飲んでみると、ガツンと衝撃的にコシが強く、度数38%とは思えないパワフルな味わいです。僅かにコーヒーやココナッツ、クローブの風味も感じられますが、基本的にはやはりコニャック・アルマニャック的です。「ほぼコニャック」のトレス20年とはまた違った味わいで、20年はブライトな印象がありますが、こちらハイメ1世は濃厚で、何か他のものを口にしない限り後味が永遠に続くかのような味わい深さがあります。トレス20年はフランスのリムーザンオークカスクですが、こちらはアメリカンオークカスクでのソレラなので、風味の違いは熟成年数の違いの他に、カスクの影響も大きいのではないかと思います。それにしてもこの味わい深さ、コニャックならおそらく2.5倍以上の価格になるのではないでしょうか。スペインのブランデーは全てシェリーブランデーなのではなく、このトレスはブランデー、しかもとても素晴らしいブランデーだと思います。このまま世界中でマイナー、かつ低価格を維持してくれることを期待します。【僕の評価】5段階中の5+トーレス 30年 38度 700ml価格:10800円(税込、送料別) (2020/3/21時点)
2020.07.17
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【フェルナンド・デ・カスティーリャ/ソレラグランレゼルヴァ・オロロソカスク2018/アルテサノスコレクション】フェルナンド・デ・カスティーリャ社のソレラグランレゼルヴァ/アルテサノスコレクション・シングルオロロソカスク。スペインのブランデーです。フェルナンド・デ・カスティーリャ社はスペイン・へレスの、シェリーやブランデー、バルサミコなどを製造している会社だそうです。メインのレギュラーラインナップはレゼルヴァとグランレゼルヴァで、僕は両方とも飲んだことが無いのですが、とある人からこの特別バージョンをいただいたので飲んでみます。一般的にへレスのブランデー(シェリーブランデー)は、ワイン蒸留後リムーザンオーク、アメリカンオークの新樽で1~3年熟成させ、それからシェリーカスクのソレラシステムに入れるのだそうです。最初からソレラ行きなのかと思っていましたが、先ずは普通の新樽で熟成させるんですね。レゼルヴァやグランレゼルヴァというのは、コニャックのVSOPやXOみたいに熟成期間を示していて、レゼルヴァは平均3年、グランレゼルヴァは平均10年、ソレラで熟成したもののようです。今回のブランデーは新樽で3年、ソレラでの熟成が平均15年、それからさらにオロロソカスクで5年熟成させたシングルカスク。なんでも、ここのセラーマスターがソレラから特別にいいヤツを見つけた時だけ、それをシングルカスク(これはオロロソカスクバージョンですが、他にペドロヒメネスカスクバージョンもあるようです)で追加熟成させ、製品化するのだそうです。アルコール度数は40.6%、500mlボトル入りで、ラベルにはカスクナンバーとボトルナンバー、ボトリングした日付が記載されています。色はイエローがかったブラウン系で、綺麗に澄んでいます。ふわりとシェリーが香るへレス感満点の、深く濃厚なフルーティーさ。飲んでみると、どっしりしたフルボディにとろけるような甘さの具合が素晴らしく調和しています。濃厚な味わいはチョコレートやレーズン、蜂蜜の風味などが折り重なっています。コシの強さ、シェリーと樽の香りも印象的です。それほど多くのシェリーブランデーを飲んだわけではないので断定はできませんが、これが最高ではないかと思うほどの素晴らしさです。これだけ美味しいのだからレギュラー版やペドロヒメネスバージョンもさぞ美味しいだろうと思います。両方ともいつか飲んでみたいです。【僕の評価】5段階中の5++【あす楽】ソレラ レゼルヴァ シングル オロロソ ヴィエホ カスク アルテサノス コレクションBot.2016 40.6度 500ml価格:8540円(税込、送料別) (2020/1/19時点)
2020.07.04
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【グランデューケ ダルバ】グランデューケ・ダルバスペインのシェリーブランデーです。以前飲んでとても美味しかったラム「ドス・マデラスPX5+5」の会社、スペインのウイリアムズ&ハンバート社の製品です。へレスのブランデーなので、ドス・マデラス同様にシェリー(オロロソ)カスクでのソレラシステムによる熟成。ソレラ・グランレゼルヴァということで平均熟成年数は10年ですが、使用されているソレラは100年以上の歴史があるので、超長熟モノが入っている、とのことです。歴史あるソレラって凄いですね。箱もラベルもスペインらしい素敵なデザインです。グラスに注いでみると色はとても濃く、以前飲んだシェリーブランデーのカーディナル・メンドーサみたいな感じです。香りや味もカーディナル・メンドーサに近く、濃厚・複雑系。レーズンやカラメル、バニラ、それにカカオやオーク、ハチミツ、などで構成されるコク深さの中に、少しオレンジ的な風味も感じられます。とても満足感の高い味わいで、濃さだけでいうとカーディナル・メンドーサの方がやや濃い感じがしますが、こちらはベルベットのような滑らかさがより印象的です。後味も長く、40%とは思えないほど飲みやすいブランデーだと思います。人の好みは色々だとはいえ、どうしてこんな美味しいやつがポピュラーじゃないんでしょう?しかもブランデーとしては全然高価じゃないのに。品切れであることが多いようですが、概ね4,000円以下で売られているようです。カーディナル・メンドーサ同様に、ラム愛好家にとってはとても馴染みやすい味わいのブランデーだと思います。【僕の評価】5段階中の5
2020.06.30
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【ゴンザレスビアス・レパント グランレゼルヴァ】ゴンザレスピアス・レパント/グランレゼルヴァスペインのシェリーブランデーです。ブランデー界のマイナーカテゴリー、シェリーブランデーですが、僕は好きです。コニャックやアルマニャックはブドウそのものの味わいですが、シェリーブランデーはその名のとおりシェリーカスクを使ったソレラシステムで熟成させているので、シェリー風味を纏った複雑な風味が特徴です。全然違うものなので、コニャックより美味しいとかそういうわけではなく、両者は並列的です。犬好きの人と猫好きの人がいますが、僕は両方好きなので犬も猫も飼っています。それぞれ良さがあり、両方好き。そんな感じです。今回のシェリーブランデー「レパント」はゴンザレスビアスという会社の製品です。ゴンザレスビアス社はシェリーとブランデーを製造していて、へレス原産のブドウを使っている唯一のシェリーブランデーなのだそうです。シェリーブランデー(へレスのブランデー)の定義としては、ブドウの原産地は特に縛りが無いようで、他社は他のエリアのブドウを使っていたり、ブレンドしたりして作っているようです。キャップやボトルに施された装飾デザインが可愛くて素敵です。今回のレパントはグラン・レゼルヴァなので、ソレラ的に12年物、ティオペペカスクで9年、オロロソカスクで3年のソレラ熟成を経ているそうです。澄んだ綺麗な色のブランデーです。香りはレーズンやキャラメル、シェリーの感じ。飲んでみると、ミディアムライトボディで甘さは控えめ、樽の風味が強めにあり、オイリーなナッツの風味も感じられるバランスのいい味わいです。ドライな感じで、それは熟成の大半であるティオペペによるものかもしれません。ティオペペとはゴンザレスビアス社を代表する辛口シェリーのことらしいので、たぶんそうなんでしょう。度数36%で、味的にもとても飲みやすいので、みるみる減ってゆきます。【僕の評価】5段階中の4ゴンザレス ビアス レパント グラン レゼルバ 700ml (ブランデー) 【ラッキーシール対応】価格:5630円(税込、送料別) (2020/1/23時点)
2020.06.17
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【ペールマグロワールXO】ペールマグロワールXOカルヴァドスです。カルヴァドスは初めてです。皆さんご存じのように、カルヴァドスはリンゴの蒸留酒:アップルブランデーで、その中でもフランスのノルマンディー地方で作られるものをカルヴァドスと称するようです。コニャックやアルマニャックと同じようにフランスのAOC(原産地呼称規制)対象なので、カルヴァドスと言えるのはノルマンディー地方で作られることに加え、原材料(リンゴと洋ナシの割合)、蒸留方法、最低熟成年数やアルコール度数が定められているそうです。今回のペールマグロワールは、上等とされているカルヴァドス・ペイドージュ(Pays d'aug)というエリアのものです。ペールマグロワールXOは公式サイトによると、最低9年熟成。コニャックもそうですが、最低熟成年数以上のものとブレンドされているようです。濃い色の細長い形状のボトルですが、これは旧タイプらしく、現行品は透明で形状も違うみたいです。グラスに注いでみると、澄んだ黄金色で、とても綺麗です。香りはもちろんリンゴですが、濃縮感がハンパなく、しかもかなりの深みがあります。味も想像以上に素晴らしく、濃厚でありながら爽やか。濃縮アップルパイのような、焼いたリンゴとスパイス、ナッツなどの複雑な風味の中に、ジューシーな洋ナシの風味も感じられます。カルヴァドス・ペイドージュではリンゴの他に、30%以下の洋ナシの使用が認められているので、実際に洋ナシが使われているのだと思います。初カルヴァドスですが、想像以上に美味しいと思いました。ペールマグロワールは今回のXOの他にもラインナップが幾つかあり、XOは大体真ん中グレードのようです。他のブランドのカルヴァドスも含めて、いろいろ飲んでみたくなりました。コニャックの時にも思いましたが、寒冷なフランスの気候下での熟成が数年ということで、飲む前は熟成度に不安を感じていましたが、そんな心配は全くありませんでした。最低熟成年数以上のブレンドによる効果なのでしょう。じゃあいっそシェリーやスペイン系ラムみたいにソレラシステムにすればいいのにと思いますが、フランスの人は絶対やらないでしょうね。【僕の評価】5段階中の5ペール マグロワール VSOP 40度 700ml 並行【RPC】【あす楽_土曜営業】【あす楽_日曜営業】【YOUNG zone】価格:3108円(税込、送料別) (2020/1/11時点)
2020.06.05
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【ヴェッキア・ロマーニャ10年】ヴェッキアロマーニャ10年イタリアのブランデーです。ブランデーはフランス産の特にコニャックが圧倒的にメジャーですが、その他の国でも生産されています。アルメニアのアララト、ソレラシステムでシェリーカスクを使うスペインのへレス・ブランデーなどなど、それ以外にもドイツや日本など多くの国でも作られているようです。今回はそんなマイナー系ブランデー、イタリアのヴェッキアロマーニャを飲んでみます。ヴェッキアロマーニャを生産しているのは、ジョバンニ・ブトンという会社で、大昔にフランス人がイタリアで始めた会社だそうです。ラインナップ的には約3年物と今回の10年物、それに15年物と25年物があるようです。3年物はもちろんですが、この10年物でも驚くほど安価です。とても変わった形状のボトルです。グラスに注ぐと、香りは混じりけのないブドウ蒸留酒といった感じで、複雑ではないものの、とてもフルーティーないい香りです。時間をおいてもあまり変化は感じられず、そのままブドウ感溢れる香りがやや濃くなったかなという感じです。飲んでみると、ちょうどいい甘さ加減で、舌の上ではけっこう濃厚な感じがあるものの、飲んでしまうとすっきりな印象。樽の風味もあり、飲みやすいブランデーだと思いました。おかしなクセのないベーシックな味わいという点で、ラムだとロン・カルタビオ12を連想しました。イタリアのブランデーは軽い、という記述をよく見かけますが、僕の印象では殊更軽い軽いというほどではないように思います。軽めといえば軽めですが、クセが無くて全体のバランスがいいので、そこはあまり気にならないという感じです。これだけ美味しくて安価なので、フラパンVSOP同様に普段飲みブランデーとして最適だと思います。【僕の評価】僕の評価5段階中の4【あす楽】ヴェッキア ロマーニャ インヴェキアータ 10年 40度 700ml価格:3040円(税込、送料別) (2020/1/10時点)
2020.05.16
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【サンチェスロマテ・カーディナルメンドーサ】サンチェスロマテ「カーディナル・メンドーサ」グランレセルヴァ。スペインのシェリーブランデーです。サンチェスロマテ社は多くのへレスブランデーの会社と同様に、シェリーも作っている(シェリーがメインで、ブランデーも作ってる、というべきか)1781年創業の老舗のようです。ブランドとしてのエントリーモデルですが、それがグランレゼルヴァというところが凄い。このグランレゼルヴァの他に、平均25年熟成のカルタ・レアル、平均38年熟成のノン・プラス・ウルトラというラインナップがあるようです。へレスブランデーなので熟成はもちろんシェリーカスクでのソレラ。単式蒸留器で蒸留してから先ず約2年間は普通にオークカスクで熟成させ、それからソレラに入るそうです。ソレラはペドロヒメネスとオロロソのカスクで15年熟成とのことです。素敵なラベルデザインで、いかにもスパニッシュな雰囲気です。グラスに注いでみると色はとても濃く、赤みを帯びた深い色合いです。複雑な香りで、レーズン、カラメル、それにプルーンやナッツなどが溶け合った濃厚な感じ。飲んでみると、香りの印象そのままにまったり濃厚。特にレーズンとナッツの風味が印象的で、そこへ樽の風味がちょうどいいバランスで備わっています。とろける甘味とデメラララム的なスパイスを内包した黒糖カラメル感もあり、アルメニアのアララトに似た要素もあるように感じました。複雑でまったり濃厚。後味はベルベットのような感じで長く続き、僕的には素晴らしいブランデーだと思いました。シェリーブランデーはまだ数種類しか飲んでいませんが、それぞれ明確な個性があり、その差異はラムで言うと生産国が違うほど大きなものだと思います。その味わいの幅広さにも関わらず、全てスペイン・へレスのものだというところが驚きです。シェリーブランデーにも定義があり、それに沿って作られているにも関わらずこの驚きの多様性。ブドウの品種と土壌、発酵に使う酵母、発酵の環境(温度や期間)など、様々な条件で差が生まれるのだと思いますが、僕が思うに一番の要素はソレラシステムではないでしょうか。先ずソレラで使う樽のシェリーの多様さがあり、それぞれの樽を使う期間、さらにソレラシステムの段階の多少があるので、組み合わせは膨大です。それによって生まれるキャラクターは多岐にわたるのが必然だと思います。古いものだと100年以上も前に組まれたソレラもあるということなので、シェリーブランデーの豊かな風味に影響を与えているのでしょう。【僕の評価】5段階中の5++カーディナル メンドーサ ソレラ グラン レゼルバ 15年 40% 700ml サンチェス ロマテ ブランデー 箱入価格:5348円(税込、送料別) (2020/1/23時点)
2020.04.29
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【ジャンフィユー・ナポレオン】ジャンフィユー・ナポレオングランドシャンパーニュ・コニャックです。前回飲んで感動的に美味しかったコニャック、ジャンフィユー・トレヴィユーのナポレオン。こちらは熟成年数10年以上、最低が10年物で、それ以上のものとのブレンド、とのことです。フランスのブランデーはいわゆるシングルカスクものはほとんどなく、ほぼ全てが熟成年数違いのブレンドで、VSOPとかナポレオン、XOとかは、いわば最低熟成年数を示すもののようです。ところが、ジャンフィユーのラインナップにはVSOPとかが無いので、ちょっとわかりにくく、このナポレオンもサイトによって、最低8年熟成やら、最低10年熟成・15~25年熟成ものとのブレンドとか書いてあったりで、実際のところは不明です。 とにかく前回のトレヴィユーの2ランク下に位置するようです。香りは申し分ありません。味はトレヴィユーとは違ったバランスで構成されているように感じられます。どっしりしたコシがメインで、風味には蜂蜜的要素もありますが、若干ダークな印象です。トレヴィユーはより華やかでコク深いのですが、このナポレオンでも「美味しいコニャック」を感じることができると思います。この価格差ならトレヴィユーを買う、という人と、このナポレオンこそが総合的にコストパフォーマンスに優れている、という人と両方いるかもしれません。25年熟成のトレヴィユーでも8,000円くらいなので、ジャンフィユー自体が他のメジャーなコニャックよりも安価に販売されている感じです。なので、僕なら友人にはトレヴィユーをおすすめすると思います。【僕の評価】5段階中の4ジャンフィユー ナポレオン 40度 700ml価格:5148円(税込、送料別) (2020/1/10時点)
2020.04.17
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【フラパンVSOP】フラパンVSOPコニャックです。VSOPならこれだ、というほど評判のいいコニャックです。しかも世界で唯一のグランドシャンパーニュ格付け品。もっとも、それがどういうことなのか全然わかりません。グランドシャンパーニュのコニャックはほかにもいっぱいあるのに・・・フラパンはプロプリエテールとしては大手らしく、海外ではメジャーな存在のようです。日本ではサッポロビールが輸入代理店になっています。海外ではもうちょっと高価な価格設定のようですが、ありがたいことに日本ではとても安価です。おおむね8年熟成といったところのようです。可愛らしいデザインのボトルで、なかなかいい雰囲気です。飲んでみると、噂に違わぬ素晴らしいVSOPコニャックだと思いました。雑味のないピュアなブドウ風味でとてもスムース、蜂蜜的な甘さと適度な力強さがありながら、後味はすっきり。後味は短い感じですが、それをもってマイナスポイントとはし難いバランスです。口の中にある時はしっかりしたコシの強さ、豊かな風味が感じられ、喉元を過ぎるとすっと消える感じです。同じVSOPでもヘネシー・プリビレッジとは全然違う感じで、このフラパンは清楚で上品、ヘネシーはまったり濃い口といった印象です。値段も全然違う(ヘネシーのほうが高い)のですが、フラパンVSOPに安酒感は全然無く、アルコール刺激とかほぼ感じられません。これが3,000円台で売られていることが驚きです。普段飲みコニャックはコレに決定。【僕の評価】5段階中の5ブランデー フラパン VSOP 700ml (33-2)(72205) 洋酒 brandy価格:3420円(税込、送料別) (2020/1/10時点)
2020.04.01
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【アララット・ナイリ 20年】アララット・ナイリ20年アルメニアのブランデーです。前回飲んだアララット6年と10年が予想をはるかに超えて美味しかったので、今回は熟成年数20年の「ナイリ」を飲んでみます。グラスに注いでみると、香りはやはりフルーティーさよりもデメララ風なカラメル的要素が強く、コニャックよりもラムに近い風味を感じます。ただ前回の10年に比べると、圧倒的に各要素の一体感が強く、まるで全体がつるりとした丸みを帯びているかのようです。味もいかにも超熟といった感じで、とてもマイルドかつ非常に複雑です。ブドウはおろか、レーズンの感じさえ溶けて明確さを失い、ハチミツとチョコレートの風味が印象的です。知らずに飲んだらブランデーだとわからないかもしれません。後味はとても長く続き、それはハチミツに微かにクローブを溶かし込んだような感じで、うっとりする風味です。カラメル風味からはデメラララムを、全体のありようとしては、ザフラ21年やアブエロ・センチュリアなどの超熟パナミアンラムを連想させるものがあります。味・風味の要素に加えて、深いコク、しっかりとした重量感から、島系ラムよりも大陸系ラムに近い感じがします。ラムとブランデーは、どちらも甘いモノが原料だからか、ウイスキーなどと比べると根底に共通するものを感じます。近年はウイスキー人気が非常に高く、古酒の枯渇から価格が高騰していることもあって、ウイスキー愛好家が代替えとしてコニャックも飲むようになってきていると聞きました。個人的には味わいがあまりにも違うと感じるので、そういうのは一過性のことではないかと思っています。それに年数表記の問題から、ソレラシステムのラムやシェリーブランデーは敬遠されるであろうことから、僕が好きなラムとシェリーブランデーの世界は安定が保たれるであろうと思っています。【僕の評価】5段階中5アルメニアブランデー アララット 20年 ナイリ 500ml 40度 正規 箱付 kawahc価格:9699円(税込、送料別) (2019/9/24時点)
2020.03.21
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【トーレス20年】トレス20年スペインのブランデーです。普通、スペインのブランデーと言えば、シェリーカスクのソレラシステムで熟成させた、いわゆる「シェリーブランデー(ブランデー・デ・へレス)」が有名で、以前飲んでとても美味しかったカルロス1世XOがそのシェリーブランデーです。しかし、今回のトレス20年はスペインのブランデーなのに、最初から最後までリムーザンオークカスクを使った、ソレラではない普通の熟成法だそうです。しかも蒸留はコニャックと同じ単式蒸留器2回、ブドウの品種的にもコニャックと同じユニブラン(パレリャーダも含む)が使われているようです。トレスはスペイン最大のトップワイナリーらしく、ワインの世界では有名なようですが、ブランデーやその他のスピリッツも作っていて、そちらでも国際的な賞を受賞したりしているとのことです。ブドウ栽培から瓶詰まで全て自社で行うということで、コニャックで言うところのプロプリエテールですね。やはり香りも味もコニャックです。グラスに入れた状態で出されたら、スペインのブランデーだとは思わないでしょう。少なくとも僕は絶対「美味しいコニャックですね」と、お礼を言うと思います。香りのパワーは強くはないものの、濃縮ブドウ、蜂蜜、キャラメル、オークとオーク由来と思われるクローブ的な要素も感じられます。味は香りの印象よりもはるかにしっかりしていて、重厚なコシがあります。フルーティーで、濃厚さのある蜂蜜、キャラメル風味と僅かなスパイス感、それにオークと柑橘系の風味も感じられる重層的、かつスムースな味わいです。後味はコクを伴った甘味の後にオークのサスティーンが続くのが印象的です。スペインのブランデーはシェリーカスクソレラによるまろやかなシェリー風味が特徴で、独自性の高い味わいが一般的ですが、このトレス20年は全然違って、ほぼコニャック。しかもかなり上等なコニャックの味わいだと思います。もうスペイン・コニャックという感じで、コニャック基準でいうとかなり正統的な風味と味わいです。ロシアでアルメニア・コニャックと呼ばれるアララトよりも、はるかにコニャック度が高いと思います。アララトはアララトの味で独自性が高くて僕は好きですが、コニャック度としては大きな違いがあります。しかもこの値段、味わい/価格比で考えると、半額セールといった感じです。高価なコニャックのVSOPより安価で、味わいはXOかそれ以上だと思います。これはスゴイ。【僕の評価】5段階中の5++トレス 20年 オルダージュ 40度 700ml価格:5280円(税込、送料別) (2020/1/13時点)
2020.03.05
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【ジャンフィユー・トレヴィユー】ジャンフィユー・トレヴィユー/XO エクストラ23~25年熟成のコニャックです。ジャンフィユーはブドウ栽培から蒸留、熟成まで全部を自分のところでやる比較的小規模なコニャックメーカーで、そういうのをプロプリエテール(シングルコニャック)というのだそうです。一方、ヘネシーやレミーマルタンみたいな大手は生産量が膨大なので、多くの契約農家から蒸留した原酒を買い付けているらしく、そういうのはネゴシアンというとのことです。ブランデーの世界ではブドウ畑の土壌が重要な要素になっていて、コニャックならコニャック地方のどのエリアのブドウを使っているかが問題になるようです。エリアごとにランク付けされるほど、風味に大きな影響があるとされています。プロプリエテールは良いエリアのブドウ畑で作られていることがはっきりしていること、生産量が大手ほど多くないので代々受け継がれた伝統の手法で行き届いた生産をしていることなどから、ブランデーに精通した愛好家は、圧倒的にプロプリエテールのブランデーを好むようです。今回のジャンフィユーは最上の土壌とされるグランドシャンパーニュ産で、ラベルにもそれが誇らしげに明記されています。価格に比して高品質なコニャックとして、コニャック愛好家の評価が高いメーカーのようです。今回のトレヴィユーは23~25年熟成モノで、ジャンフィユーの代表とされているようです。これは素晴らしいコニャックだと思います。溢れるように豊かな香りに、しっかりした力強いボディが備わっていて、それでいてフルーティーで品を感じる透明感があり、程よい甘みと、長く続く心地よい後味で、なんというか、やっとマジのコニャックに巡り合うことができたという感じがします。ヘネシーやカミュも美味しいコニャックだと思いますが、これはそれらとは一線を画する味わいです。物凄くピュアで、しかもストロング、もうブドウよりもフルーティーで、その力強い華やかさは、僕が好きなラムの中でもこの味わいに匹敵するのはごくごく僅かだと思います。こりゃあみんな大手よりこっちが好きだというわけだ、と素直に思いました。素晴らしい!【僕の評価】5段階中の5+++ジャン フィユー トレヴィユー 700ml 1本 JEAN FILLIOUX TRES VIEUX ブランデー価格:7818円(税込、送料別) (2019/12/21時点)
2020.02.15
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【カルロス1世XO インペリアル ソレラ・グランレゼルヴァ】カルロス1世XO・インペリアルスペインのブランデーです。シェリー酒で有名なアンダルシアのへレスで作られているそうです。パロミノ種というブドウを使って、コニャックと同じように銅製の単式蒸留器で蒸留後、ラム愛好家の我々にはお馴染みの、あのソレラシステムで熟成されているとのことです。ソレラで使用するアメリカンオークの樽は、もちろんシェリーで使われたもの。スペイン産ブランデーの典型的な作り方なのだそうです。15年熟成物とされていますが、ソレラなので20年以上の物も含まれているそうです。ブラックにゴールドの文字が映える立派な外箱と、ガラス製の替え栓付きです。グラスに注いで香りをかいでみると、フルーティーで懐かしいようなシェリー、それに樽の香りが立ち上ってきます。飲んでみると、甘さはそれほど強くなく、それよりも豊かで複雑なフルーティーさと、深いコクが備わっています。蜂蜜やチョコレートなどの風味もあり、マイルドでありながらとても重層的です。樽の風味も強すぎず弱すぎずのちょうどいい感じで、後味のまろやかさからはミルキーさも感じられます。派手な甘さのない上品な雰囲気で、非常に味わい深いブランデーだと思いました。ただ、ここまで製法が違うのであたりまえですが、コニャックやアルマニャックとは全然違う味と風味のブランデーです。もともとコニャックよりも前からブランデーを作っていたスペインのへレスですが、やがてそこでシェリーの熟成のためにソレラシステムが登場し、それは非常に画期的なシステムなので、へレスのブランデーはもちろん、ラムなど他の蒸留酒の熟成にも使われることになったようです。当時は(今もですが)すぐ不作だの凶作だのということになって、シェリーもブランデーも品質が安定しなかったところ、ソレラシステムで一発解決。しかも、ソレラ(一番下の熟成が進んだセクションの樽、ここからボトリングされる)は、全部使い切ってしまうわけではないので、その樽の使用をやめない限り、常に超長熟ものが含まれていることになります。樽は平均でも60年ほど使われるということで、最長はどのくらいかわかりませんが驚異的な超長熟ですね。へレスはシェリーだけでなく、製法的にはスペイン系ラムの生まれ故郷ともいえます。しかし、ビンテージ、熟成年数表記となると、ソレラはそれをはっきり表現することができないので、それが市場価値を持つようになると、一転してソレラは古い手法、果てはソレラの熟成年数表記は偽りだという評価を受けることになったようです。ソレラにおける年数表記は量による平均らしく、例えば「20年」と書いてあれば、それは4~50年物が入っている、ということだそうですが、最低年数表記のコニャックなどからすると「それは4年物、VSOPだ」ということになるようです。しかし、逆に20~25年物で構成されたコニャックは「20年」あるいは「オルダージュ」などと表記されますが、ソレラの側からすると「え、最高がたったの25年物しか入ってないんですか」となるでしょう。片方の尺度で見る、論じることに無理がありますよね・・・とにかく、ソレラシステムは優れた手法であることは間違いないので、今日においてもシェリーはもとより、ブランデー、ラムの熟成にも使われ続けています。そしてソレラシステムによる優れた製品の味は、一部のそしりをはねのけて高く評価され続けています。誰しも、美味しいのが一番、ということですね。スペインのブランデーは年間8千万本ほど生産され、その3/4がスペイン国内消費とのことです。一方コニャックは年間1億9千万本くらい生産され、なんと9/10以上が輸出されるそうです。そもそも出回る量が全然違うし、さすがにコニャックの知名度に打ち勝つのは難しいと思いますが、スペイン産ブランデーの評価・知名度は、その美味しさに比して低すぎるように思えます。【僕の評価】5段階中の5【送料無料】【ギフト品】【代引不可】カルロス1世 インペリアル XO 700ml 40度価格:7538円(税込、送料無料) (2019/9/26時点)
2020.01.17
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【アララト・ジュビリー10年、アニー6年】アララット・アニー6年とジュビリー10年アルメニアのブランデーで、珍しい500mlボトルです。アルメニアはトルコのお隣にあって、旧東側圏での主なブランデー生産国だそうです。あのあたりでは、サトウキビは生えてなさそうなのでラムは作られてないでしょうけど、ブドウなら問題なく育っていて、ワインだのブランデーだの、そのあたりを作っているようです。ブランデーといえばフランスがメイン生産国で、そのほかスペインやイタリアくらいまでは聞いたことがありますが、アルメニアでブランデーが作られているというのは、僕は初めて知りました。ラムも国ごと、蒸留所ごとに味が大きく違うので、このアルメニアのブランデーもコニャックとどんな差があるのかちょっと楽しみです。気候やブドウの品種、なんといっても面倒なAOC規格とかが無いので、美味しくなるように自由に作っているのだろうと思います。ただ、蒸留はコニャックと同じで、単式蒸留器で2回、らしいです。そのせいもあってか、昔は「アルメニアコニャック」と称していたそうです。色はかなり濃く、特に10年の方はゴスリングス並み。どちらも香りはコニャックとは全然違って、一瞬デメララかと思うほど、カラメル的です。でも奥にはブドウの要素もちゃんとあって、ラム愛好家としては、とてもいい香りだと思います。飲んでみてもコニャック系とは差が大きく、香り同様にまるでデメラララムのような濃厚なカラメル的風味が先に感じられ、それからブドウのフルーティーさ、というよりは濃いレーズンのような深い味わいが出てきます。全体的には想像以上のフル・ボディで、コニャックのような洗練された雰囲気は無い代わりに、なりふり構わず濃い口の美味しいやつを作った、という感じがします。例えるなら、コニャックは化学調味料不使用&産地にこだわった上品なあっさり出汁の塩ラーメン、アララットは濃厚で背脂多めの豚骨醤油ラーメンといった感じ。イギリス系ラムや大陸スペイン系ラムの長期熟成物が好きというラム愛好家なら、アララットはそのフリースタイルな姿勢も相まって親しみやすいブランデーだと思います。ラムで例えるなら、ラムネイション・デメララとディプロマティコ・シングルビンテージを8:2くらいにブレンドして樽の風味を弱め、レーズンを2粒くらい漬け込んだような感じです(ちょっと無理のある例えですが・・)。6年と10年の差は、味や香りはクローン的に同じながら、なぜか6年の方がかなりマイルドに感じました。10年は若干味わいが濃く感じられながらも、多少のアルコール刺激と、飲んだ後にタンニン的な渋みが少しあるように思いました。いずれにしても、非常に美味しいブランデーだと思います。コニャック&アルマニャック以外のブランデーも、実は世の中にはいっぱいあって、しかもこんなに美味しいなんて、こちらはこちらでなかなか面白そうな世界だと思いました。今回のアララット6年、10年は昔のもので、現在ではボトルやラベルのデザイン、容量も変わっているようです。また、6年、10年物以外にも3年~20年まで色々バリエーションがあるようなので、他のマイナーブランデーと共に、そちらも飲んでみたいと思います。【僕の評価】5段階中の5【あす楽】アララット 10年 アフタマール 40度 700ml価格:4980円(税込、送料別) (2019/9/19時点)アルメニアブランデー アララット 6年 アニイ 500ml 40度 正規 kawahc価格:4318円(税込、送料別) (2019/9/23時点)
2019.12.25
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【シャボーXO】シャボーXOブランデー/アルマニャックです。アルマニャックというのは、基本的にアルマニャック地方生産のブランデーのことだそうです。それ以外にも規定がアレコレあるようですが、生産エリア以外にコニャックとの差で大きなところでは、蒸留方法が違うようです。コニャックは単式蒸留器で2回蒸留、アルマニャックは半連続式蒸留器で1回蒸留、と決まっているそうです。その結果、アルマニャックは1回しか蒸留しないので、コニャックより野性的な味わいになると言われています。一般的には、「単式蒸留」1:素材の風味が残りやすい2:1回の蒸留だとアルコール度数がまだ低いので、複数回蒸留する必要があって面倒「連続式蒸留」1:1回の蒸留で必要なアルコール度数に達するので合理的2:素材の風味は失われがちと言われています。ということは、話のつじつまを合わせるには、アルマニャックの半連続式蒸留器というのは「いうほど連続してない蒸留器」なのかもしれませんね。まあ、蒸留器なんていっぱい種類があるようだし、実際はどうなのかわかりません。矛盾を感じながら飲んでるより、何といっても味が全てなので、そんなのどっちでもいいという姿勢でいきましょう。さて、とにかくアルマニャックのシャボーXO。見た目(色)は普通です。でも香りから既にコニャックとは大きな違いを感じます。巷のうわさのように、ヘネシーやレミーマルタンより濃厚な感じがします。飲んでみても同様で、マイルドだけど風味が濃い、というニュアンスです。ブドウ風味の濃縮度が高いというか、コニャックたちよりコクが強く感じられます。このシャボーXOだけを飲んで断言することはできませんが、ラム愛好家の僕としてはアルマニャックの方が自分が好きなタイプの長期熟成ラムの味わいに近く、親しみやすいように感じました。ラムの中でもヘビーなコク深いものと、あっさり系のものとがあって、どちらが好きかは好みによるのですが、僕はどちらかというとコク深いタイプが好きです。でも、あっさりタイプが飲みたいときも多々あるので、結局ラムもブランデーも両タイプ必要ですね。【僕の評価】5段階中の5【訳あり】【並行輸入品】シャボー XO クール(ハートボトル) ゴールド 40度 500ml 【箱不良】価格:6264円(税込、送料別) (2019/9/20時点)
2019.11.28
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【レミーマルタンXO】レミーマルタンXOブランデー/コニャックです。ブランデーを飲まないのに、なぜかその名前だけは知っていたレミーマルタン。良いお酒の象徴として、また価値が高いものの象徴として、ヘネシーと共に人生の随所でその名を聞く機会があるからだと思います。バルセロ・インペリアルなんて誰も知らないだろうし、ロンサカパでさえ知ってる人は少ないだろうけど、レミーマルタンならみんな知ってますよね。さすが、いかにも高級品というボトルデザインで、豪邸の重厚なキャビネットに置いてあるのが似合いそうです。僕のはもらい物で、ただのスチール棚に置いてますが・・・色的には普通な感じで、香りは典型的な良いコニャックといった感じ。味はヘネシーやカミュと比べると、ちょっと別の要素がプラスされているように思いました。控えめな甘さとブドウのフルーティーさが合わさった深い味わいの奥に、樽由来なのかスパイスのような風味が淡く重なっていて、その重層感が全体の風味をより引き立てている、という感じです。同じXOグレードで比べると、カミュXOは端麗で樽の香りがぐっと前に出ているように感じられ、やはり若干違う方向性を感じました。どちらが美味しいと思うかは個々人の好みによりますが、僕はこちらのレミーマルタンXOの方が好きかなと思います。すごく印象的なブランデーというわけではないように感じましたが、誰が飲んでも美味しいと思うであろう、ベーシックなスタイルの高級酒だと思いました。味音痴を露呈するようでアレですが、正直言うと前回飲んだヘネシーVSOPプリビレッジの方が僕の好みです。【僕の評価】5段階中の4レミーマルタン XO 正規品40度 700m[ブランデー][コニャック] 虎S価格:11878円(税込、送料別) (2019/9/20時点)
2019.10.31
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【ヘネシーVSOPプリビレッジ】ヘネシーVSOP・プリビレッジ。ラムじゃなくてブランデー/コニャックです。みなさんご存じのように、ラムはサトウキビから、ブランデーはブドウから作られる蒸留酒です。ちなみに、ブランデーの中でもコニャック地方製造のもの(他にもアレコレ規定はあるようですが)をコニャックというようです。今回、このコニャック、ヘネシーVSOPプリビレッジをいただいたので、飲んでみます。色は濃い目で、香りはやはりラムとは違うものの、濃厚なブドウ感溢れるいい香りです。飲んでみると、しっかりしたコクのある甘さが感じられます。以前いただいたブランデー、カミュはもっとドライな感じでしたが、このヘネシーはどっしりした濃厚な印象です。せっかくなので、カミュVSOPも出してきて飲み比べてみました。このカミュVSOPはかなり古いものだと思います。現行品とはボトル形状もラベルも全然違います。が、いただき物なので文句はありません。やはりカミュはヘネシーよりドライですが、一方香りや風味にフルーティーな豊かさがより感じられます。ヘネシーの方がコク深くてマイルド、フルボディな感じですが、カミュは風味の複雑さ、華やかさが顕著です。甘さの程度はヘネシーの方が強いと感じましたが、甘さの質的な違いもあるように感じました。ヘネシーの甘さは丸くて太く、カミュの甘さはシャープでブライトな感じで、エレキギターがお好きな方ならわかると思いますが、ヘネシーはレスポール、カミュはストラトキャスターの音色に例えることができると思います。基本、僕はラム好きなので、ラム贔屓であることは間違いないのですが、ヘネシーもカミュも素晴らしく美味しいと思います。製法が同じだというフランス系アグリコールラムとは全く似ていなくて、アグリコールラム特有の青臭い雑草風味は、少なくとも今回のブランデーには感じられず、素直に美味しいと思えました。蒸留酒の中でも、ウイスキー、ウォッカなどよりも、ラムとブランデーは味わい的に近いものを今回感じました。原材料が甘いものの蒸留酒だからかもしれませんね。コニャックは規定によって、VSOPの最低熟成年数が5年、XOは10年と決まっていますが、実際の平均熟成年数はVSOPが5~10年、XOで20~25年くらいであることが多いらしいです。というのも、他の蒸留酒同様に、ブランデーも味の均一化のために色んな年数の原酒をブレンドしているので、VSOPと表記があっても最低5年物が入っているというだけで、実際には色んな熟成年数のブランデーで構成されているようです。それによって生じる実際の平均熟成年数の大幅な差は、価格に反映されていることが多いらしく、だから例えば同じVSOPでも、ブランドによって価格は非常にマチマチ、とのことです。我らのラムは最低熟成年数とかの規定がなく、極端なものだと最高熟成年数が表記されていることもあるようですが、僕としては全然OKです。3年でも30年でも、加糖していようがしていまいが、美味しくて価格に見合ってれば別にいいと思っています。【僕の評価】5段階中5ヘネシー VSOP プリビレッジ(プリヴィレッジ) 40度 箱付 700ml 並行価格:6300円(税込、送料別) (2019/9/17時点)
2019.09.23
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