この二、三年、老後に住むのはどうかとバリ島にいらっしゃる方が、目立って多くなってきた。いやいや年配の方ばかりか、そういう希望の四十代の方もかなりいらっしゃる。
去年は特に多く、その傾向は今年に入ってからも変らない。
そういう方は、大体ご夫婦、あるいはお子さんといらっしゃり、『漁師』では、リピーターとは少し違った雰囲気なので、なんとなく判る。
そしてボクが日本人だと判ると、
『バリ島はどうですか・・・ ? 』
と訊いてくることが多い。
そんな時、いつも一瞬言葉に詰まる。
ああ・・・、そんなにも日本は暮らしにくくなってきているのか・・・というのが一点。そして、もう一点が、なんて答えたらいいんだろう、不用意な事は言えないな・・・と思うからである。
今年で六十五歳。
バリに暮らすようになって、いつの間にか十二年目になる。
とてつもなくバリを気に入っている。
もし厭になったら、さて次はどこで暮らそうかと、時々思いを巡らす。
それはそれで結構楽しいのだが、今のところその気配はない。
さほどにバリに満足している。
とはいえ、これは僕の場合であり、他の人に当てはまるとは限らない。
それ故、不用意にバリはいいですよと手放しでは言えないのである。
いや、バリそのものはいいのだ。
それをよく感じられるか、なんて所だと嫌気をさすかは、バリを訪れる人、バリに住んでみようかと思っている人の資質の問題である。
永年バリに住んでいる日本人は、それを順応性、適応性、融通性があるかないかだと言うが、なに、それほどの事はあるまい。僕のように、いい加減、風来坊、主体性に無さ、長いものには巻かれろといった要素があれば、それで充分ではないだろうか・・・・。
ただはっきりしているのは、日本での常識、通念、習慣をそのままバリで通そうとすれば、これは日々、烈火の如く怒りまくっていなくてはならぬ。
自分がどちらに属するか。
それは、試してみるしかないであろう。
気儘にバリに来て、じっくりと見たり、感じたりすれば、ははぁん、これに関してはバリの方がいい・・・、いや、ここは日本のほうがいい・・・と見えてくるはずである。おおよそチェックが完了したら、あとは足し算と引き算。
日本のほうにプラスが多ければ、そのまま日本で暮らすがよし、バリがプラスなら、試しに暮らしてみたらいい。
さて、バリの方がプラスになり、バリに住んでみようと仮になった場合。
どんな資格で住むか ? 家はどうするか ? 一ヶ月いくらあれば生活できるのか ?
医療はどうか ? 車は高いのか ? 食べ物はどうか ? 治安はいいのか ? 日々の買い物は ? インフラはどうか ? 本当に快適に暮らせるのか ?
などなど気懸かりなことが沢山ある。
そんな中で、バリに住もうと思う方の大半が住むところから着手する。
そして、実は多くの方がつまづくのが、住む場所である。
いままで、どれだけ多くの方が、その入り口でつまづき、傷つき、憤り、断念されたことであろうか・・・・。
てなことで、この先バリで暮らすのはどうか・・・ ?
その住む場所から始めてみようと思う・・・・・。
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