ふたり暮らしの手帖

ふたり暮らしの手帖

PR

プロフィール

サリィ斉藤

サリィ斉藤

バックナンバー

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07
2025.06
2025.05
2025.04
2009.10.17
XML
カテゴリ: お出かけの話
091017misonoza.jpg


名古屋・御園座の吉例顔見世。
今年は「仮名手本忠臣蔵」が上演されるということで、昼・夜通しで歌舞伎の世界にどっぷりと浸ってきました。

昼の部は10時45分に幕開け。壮麗な様式美のオープニング「大序」から三段目(松の間刃傷)四段目(判官の切腹)、そしてお軽と勘平の「道行」まで。

元々はこのお芝居が人形浄瑠璃だったことにちなんで、「大序」の冒頭ではからくり人形が口上を努め(これが何ともチャーミング!)、幕が開いた後も、役者さん達は人形のように微動だにせず…義太夫につられて一人、また一人と目を見開いて動き出します。
この演出で、魅入られるように舞台に吸い込まれてしまいました。

夜の部は五・六段目(山崎街道の場から勘平腹切りまで)、七段目(祇園一力茶屋の場)、十一段目(討ち入り)。終了は20時45分です。
文字通りの“朝から晩まで”の芝居三昧をした訳ですが、想像以上にあっという間に時間が過ぎて、疲れを感じませんでした。


091017misonoza1.jpg
最中の皮が薄くてパリパリ、評判どおりの美味しさでした!
12月公演のジュリーをバックに記念撮影(笑)


高師直を左團次さん、鷺坂伴内を亀蔵さんと、大好きな役者さんが脇でいい味を出していたのも嬉しかったし、客席に空席が目立つ中で、皆さん熱演でお勤めされていました。

中でも…お目当ての仁左衛門さんは本当に素敵で。


実は私、忠臣蔵のお軽と勘平の物語はあまり好きではなかったのです。その悲劇は、あまりにも運が悪くて気の毒すぎて…同情より先にもう、腹が立ってくるというか。

けれども、舞台の勘平の美しさに、そんな先入観はどこかへ行ってしまい…
やることなすこと裏目に出て、運命に翻弄されていく恋人達が素直にかわいそうで、涙腺が緩んで仕方ありませんでした。
二人の別れの場面。
こらえていた気持ちが弾けて、想いがついに重なりあう一瞬、(あぁ、考太郎さんと入れ替わりたい!)と思ってしまったのは、私だけ?

それからもう一つ、五段目の「山崎街道の場」が実際に観られたのも、大きな目的が果たせたことでした。
この場面にだけ登場する「斧定九郎」という役。
江戸時代の脇役俳優が、不遇のうちにもこの役作りに精魂を傾け、成功する…というくだりを描いた「中村仲蔵」という落語があります。
私、この噺が大好きで、やっと実際の舞台で定九郎の演技を観ることが出来て感激でした。今回は、片岡愛之助さんが印象的に演じられました。
詳しくはこちらの小説でも…
仲蔵狂乱/松井今朝子


その他にも、思いつくだけでも「蔵丁稚」とか「七段目」とか、このお芝居に題材をとった有名な古典落語があり、そういう意味でも「一度はちゃんと観ておかなきゃ」と思っていたのが忠臣蔵だったのでした。
これからは、高座を聴く時の気構えもちょっと違ってきそうです。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009.10.18 15:23:55
コメント(6) | コメントを書く
[お出かけの話] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: