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カテゴリ: お出かけの話
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2010年、わが家のお正月一番のイベントは、4月でついに建替えとなる歌舞伎座で「壽初春大歌舞伎」を鑑賞してきたことでした。
(冒頭の写真は、元日の新幹線から見えた美しい富士山です)

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銀座の街にも劇場内にも、美しいお着物姿の方が大勢いらして、いかにもお正月!という風情の華やかな雰囲気。自然と気持ちが弾んできます。
劇場前のカウントダウン時計の前には、立派な門松。絵看板も初春の装いです。

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私たちが鑑賞したのは夜の部で、演目は下記のとおり。

「春の寿」
「菅原伝授手習鑑-寺子屋-」
「京鹿子娘道成寺」


新作舞踊の「春の寿」、雀右衛門さんの病気休演は残念でした。お姫様役の福助さん(少しお痩せになった?)がとってもお綺麗。
その後も、荒事の所作や絢爛豪華な衣裳など、歌舞伎の王道ともいえる魅力に満ちた「車引」、歌舞伎舞踊の名作中の名作「娘道成寺」、そして♪死んだはずだよお富さん~、の歌にもなった世話物の「与話情…」と、バラエティに富み、歌舞伎の魅力を多面的に味わえる演目で、先月の南座に続き大満足の一夜となりました。

中でも楽しみにしていたのが、中村勘三郎さんの踊る「京鹿子娘道成寺」でした。
玉三郎ファンの私は、これまで他の方が踊られる舞台を生で鑑賞したことがなかった上に、勘三郎さんは玉三郎さんの「成駒屋型」ではなく、お祖父さんの「音羽屋型」をとられるので、その違いもあり非常に新鮮でした。

また、今回は「押し戻し」と言って、蛇の精の本性を表し鐘にとり憑いた清姫を、大館左馬五郎なる侍が花道から舞台に押し戻す荒事の場面も演じられます。
美しい衣裳を幾度も早代わりして、恋する娘の様々な姿を踊りで表現していた勘三郎さんが、鐘の後ろからおどろおどろしい大蛇の精の隈取をして現れ、すごい迫力!

1時間を超す大作を見事に踊りきられる、その体力と集中力に脱帽でした。

大入り満員、という訳ではなかったものの、満場の拍手や大向こうのかけ声はまさに「割れんばかり」でした。
でも、喝采の中で幕が閉まればそれっきり。カーテンコールもないあっさりとした潔さ、これもまた日本人の趣向に合った慣わしなのかもしれません。

名残を惜しみながら劇場内のあちこちを眺めて、外に出れば冷たい冬の夜。
もう1度来られるかどうか…やっぱり今日が見納めかなぁ。


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今回ご招待した夫の両親にもとても喜んでもらえて、少しは親孝行が出来たかな?

「車引」で桜丸を演じた中村芝翫さん(本当にお顔が大きくてご立派!)は、御歳82歳にして初役にチャレンジされたのです。同じく人間国宝の中村富十郎さんも、化粧に通常行う藍の隈取をせず、ご自分なりの工夫をされていました。
寄る年波に勝てなくて…という類の愚痴を親から聞くことが増えたこの頃ですが、大先輩方のエネルギーには感服した様子でした。

もちろん私も、新年早々美しい舞台で「いのちの洗濯」をし、まさに「こいつぁ春から…」上機嫌の滑り出しでした。

家族で穏やかに新年を祝うことが出来る、当たり前でありふれた幸せに心から感謝して、今年も日々を重ねていこうと思った次第です。





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最終更新日  2010.01.05 16:12:28
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