せんだって日記

せんだって日記

2008.11.17
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 せんだって、まあ夏ごろなんだけど、新書を読んだときに、フェミニストていうかフェミニズムに激しい憤りを覚えたのでそのことを書く。



『ケータイ小説は文学か』
ちくまプリマー新書
石原千秋


 著者の石原千秋は漱石研究で有名な大学教授です。妻の恩師でもあるので、逸話や名言をいろいろ聞いているが、今回の主題とは逸れるので省く。



 ケータイ小説を買い支える層「地方のヤンキー女性」の価値観の中に 「ホモソーシャル」 の根深い影響があるという分析、みたいな。
 てか。
 ヤンキー文化の中に「オンナは男性の所有物になることが当たり前だ」という価値観がいまだに息づいているという話なんですけど。

 うーむ、一理ある。

 そんな近代的な女性像に「共感する」読者が、二十一世紀の日本に百万人以上いるわけだ。
 ケータイ小説は、地方のヤンキー女性という新しい読者層を開拓して売れたという話もありますが、あえて言い切ればそういう「下層階級」の女性は、フェミニズム的に「自立」することを、念頭に置いていないのか。
 意志の問題、環境が整っていない、生きるのに精一杯でそんな場合じゃない、やっぱ国が悪いのよ総括だ。
 いろんな条件は考えられるが、「下層」の女性にとって、いわゆるフェミニズムはリアリティのない幸福像なのではないか。
 浪花節でも演歌でも暴走族でもいいけど。
 いかちぃ男と結婚して、彼の子供を育てる、母性本能的な、浪花節的な、ガテンで百姓な感じの幸福像はそれはそれで尊重すべき感じがする。
 ヤンキー女子の珍走集団「レディース」なんてな、女性性の嫌悪の現れなんだろうし。
 シロガネーゼとかいう高給男性の配偶者だったり、田嶋陽子だったりあるいは上野千鶴子だったり、高学歴で収入も高い女性がフェミニズムを戦って、まあまああるていど勝ち得た結果。
 その反面。
 学歴も年収も低い女性は、女性嫌悪に囚われた性差別者としての自己を強化しつづけたわけだ。

 フェミニズム運動の結果、そうなったんだよね。


 半端のままグダグダに終わってさ。過去のフェミニズム運動が獲得したのは、金を持ってる女性にとって都合のいいだけの社会だったってことかよ。自分が守られるようになったからやめたのかよ、といいたい。

 いまでこそ育児休暇とかが当たり前になっているふうに言われるけど、実際は制度はあっても社員からの同調圧力でその制度を使いにくいらしいな。大企業ならまだしも、中小企業なんか、ひとり欠けても周りが大変だから足を引っ張るという。

 知り合いのシングルマザーは、子供を保育園に入れるためにものすごく理不尽な苦労を強いられているのよ。

 下層の女性が生き易くならんで、なんのフェミニズムよ。


 以下は変態新聞の記事ですが、中身はすばらしい。

最強ワーキングマザー対談:西原理恵子×勝間和代



 マイクロファイナンスのグラミン銀行の話からFXまで、離婚と結婚と暴力と子育てまで。貧困は治せる病気。教育支援の必要性。
 金、仕事、制度、教育、勉強、意識、収入と幸福。ヒントがいっぱいだ。

 過去のフェミニズム論者のように希望だけ叫んだり利己的な田嶋フェミ論だったりせずに、しっかり現実を見て効果がありそうなポイントを突いている。勝間さんも現実から遊離していると言われるけれど、子育てしながら働いてる母親の意見は「男になりたい、男を屈服させたいフェミニズム」なんかよりもリアルで重たく、そしてそこに希望があるでしょうよ。あらゆる女性が生きやすい社会では、女性だけではなく全員が生きやすくなるからだ。

 田嶋とか上野とかには、責任をとってもらいたい。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.12.28 16:51:55
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

せんだって日記

せんだって日記

カレンダー

コメント新着

背番号のないエース0829 @ 稲垣潤一 “ September Kiss ” に、上記の内容に…

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: