買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2009年10月09日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
僕の狼狽ぶりに圧倒されたからか、あるいは自分でも心のどこかでまずいと思ったからなのか、目が合った瞬間、彼は段ボールの破片を両手に挟んだまま、固まって動かなくなった。瞬きさえせず、じっとこちらを見つめていた。瞳はチョコレート色だった。
「駄目じゃないか」
僕がつぶやくと、両手に挟んだものを足元にぽとりと落とし、同情に満ちた表情で小首を傾げた。
「私にもどうしてこんなふうになってしまったのか、さっぱり分かりません」
そう嘆いているかのようだった。


かわいいですね。
みなさんも同じだと思いますが、ブラフマンはカワウソみたいな動物なのかな?と思いました。
ee206e5a.JPG
イデゑもんさんの写真日記 より。多謝!)

というわけで、小川洋子さんの「ブラフマンの埋葬」を読みました。

ブラフマンは、「僕」の魂の象徴なのだと思いますが、傷だらけで発見され、回復し、そして死んでいく。
ブラフマンのかわいさ、純真さに比べて、その発見と回復と、ひいては死の原因となる肝心の「娘」が、謎めいてはいるものの、一方でまったく魅力的ではないように感じました。

とはいうものの、これがこのお話の「謎」かけなんでしょうね。

以前に、ユゴーの「 ノートル=ダム・ド・パリ 」を読んだときに、エスメラルダがまったく魅力的に感じられなかったのを思い出したりなんかしました。

06275693.jpg





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009年10月09日 08時29分00秒
コメント(12) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Profile

shov

shov

Calendar

Favorite Blog

ヒトラー 第五部 … New! 鴨ミールさん

リト@葉っぱ切り絵展 吟遊映人さん

2024年12月発売予定… ぴいたあ8888さん

眠りの底で 無花果。さん
ミステリの部屋 samiadoさん

Comments

aki@ Re:聞いた曲(2024.1.20)(01/20) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
shov @ Re:「フラニーとズーイ」(メモ12)(07/19) ご訪問ありがとうございます。 記事読ま…
ゆきこ@ 日本にとって大切な参院選 初めまして、こちらのブログとは場違いな…
omachi@ Re:「比ぶ者なき」(メモ11)(04/10) 歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知っ…
http://buycialisky.com/@ Re:「お嬢さまと青バラの君」(紹介)(03/30) differences entre viagra cialis levitra…

Free Space

設定されていません。

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: