青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

2020年01月19日
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カテゴリ: ギターリぺアー
◆今回のご依頼は、Kansas KW150 アコースチックギターのリペア前の点検です
 ふかふか様の会社の同僚の方が青春時代からお使いなられてるギターです。

Kansas は鈴木バイオリン社で製作でされたギターで、一言で言いますと
 【お宝ギター!】です。リサイクルショップで出会えるのは非常に希で
 工房の常連様には【見つけ次第連行すべし!】とお話ししてます。
  同型のモデルを数年前にリペアさせて頂いた時の驚きは忘れられません。
 今回の Kansas KW150を、お預かりしたままの状態で試奏させて頂きましたが、
 素晴らしいギターで有る事は簡単に判断出来ました。

◆現状を画像から確認して行きます

●ビンテージギターはコンパウンドで磨きを掛けますと素晴らしい味が出ます


●(株)キワヤ社の企画で、鈴木バイオリン社が 製作したギターです


●保管はハードケースが宜しいかと思います


●ペグもグレードアップする事が望ましいと思います


●ネック裏の状態に問題は有りません


●3Pバックも磨きを掛けますと更に良く成ります


●6E/12Fは現状で3.5mm有りますが、弾き易いセッテングに簡単にセット出来ます


●1E/12Eは3.25mm有りますが、 弾き易いセッテングに簡単にセット出来ます


1Fが1mm有りこれが 弾き難い原因でも有ります。


●レギュラーチューニングで順ゾリの最大値は0.3mmです


●ナットは牛骨に交換する事が 必要です


●サドルの残はタップリ有りますので弦高調整が簡単に出来ます。サドルは水牛ボーンの
 オイル漬けに交換する予定です


●ボディの変形はビンテージギターとしては許容範囲です


●ロッドを調べましたが調整された形跡が無く、画像の様に簡単に殆どストレートに
 戻りました

◆正式にリペアのご依頼を頂きましたのでリペアを開始して行きます


●ブリッジ&ブリッジピンの収まりから始めます。
 クリアー塗装のブリッジにキズが付きますと見栄えが宜しく無いのと、
 ハカランダ【ブラジリアンローズウッド】で造られたブリッジを前面に出す事、
 弦振動を確実に伝えるために塗装を落としてオイルフィニュッシにします


●クリアーを落として、専用リマーでピンホールを整えます


●弦ガイドも付けます


●ブリッジの仕上がりです


●ペグをカバードタイプからロトマチックに交換します、不要のビス穴は埋めておきます


●ノーブランド品ですが、チューニングの安定感に 問題は有りません


●乾き切ったフレットボードはオレンジオイルでクリーニングします。
 仕上げはワックスを使います



●フレットの酸化膜を除去してフレットボードにワックスを掛けました
 綺麗なローズウッドのフレットボードです


●セッティング前の弦高をチェックします6E/3.0mm6E有ります


●1Fも0.5mmを超えてます

◆サドルを削り出して行きます

●フレットボードはR350です


●セットされてましたプラスチックのサドルは、R350と合ってませんでした


●サドルが2.6mm厚で薄すぎますので。標準の3.0ミリに.0します


●ブリッジの溝を3.0mmに広げましてサドルがピッタリ収まるか確認します
 ピッタリ収まる事を確認しました


●予定の弦高になる様にサドルを削り出して行きます。
 水牛ボーンのオイル漬け2年物を使用します


●R350になってるか確認します


●画像では6Eと1Eが逆になってる事をアップ中に気が付きました
 サドルの仕上がりですが、微調整するために少し余裕を持たせて有ります


●ナットを交換して行きます


●削り出したナットです

◆セッティングして行きます




●1Fに0.5mmのスペサーをかまして、1E/12Fは予定の1.75mmになってます


●12Fが決まりましてので、1Fを調整します。
 1Fは0.48mmに調整します。簡単に言いますと0.5mmのスペサーが僅かに
 引っ掛って通るくらいです


●トップ/サイド/バック/ネック裏/ヘッドの各部は、3000番~9800番のコンパウンドで
 磨きまして、仕上げは鏡面ワックス仕上げしてあります。
 経年変化したギターは本当に良い味が出ます


●フレットボードの仕上がりもこの通りです


●最終の最終チェックはこれからですから、ロッドカバーは取り付けてませんが
 ヘッドの仕上がりです


●3Pバックもこの通りです


●ネック裏はオリーブ色の着色剤で補修しました

◆ロッド調整してから3日経過しましたので、最終チェックをして行きます


●ネックは微動だにしてません

●ロッドカバーを取り付けます


●全てが予定通りに仕上がりました。

◆試奏タイムです
 ・・・サウンドホールから音が真直ぐに出ますので、プレヤーは出音を上から
 見てる感じなので良く判りません。工房の壁に向かって反響音を聞きます。
 これは、マーチンを購入する時と同じです。
 こりゃ~誰かに弾いて貰って出音を聴かないと判断出来無いので、ふかふか様に
 お越し頂いて試奏して頂きました。
 手前味噌自画自賛で申し訳有りませんが、最高のジャパンビンテージです
 何時までも弾いていたい感覚になります

🌸とってもたいへんよくできました🌸






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最終更新日  2020年01月31日 04時01分19秒
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