PR
キーワードサーチ
カレンダー
コメント新着
フリーページ
大分トリニータ 森島康仁インタビュー
1月20日収録@『月刊Sky PerfecTV』編集部(新宿区曙町)
モリシ いやぁ、「デカ」はまだついてますねぇ。
──「モリシ」と呼ばれるのと「デカモリシ」と呼ばれるのと、どっちが多いんですか。
モリシ 「モリシ」と呼ばれることのほうが多いけど、チームメイトからは「デカモリシ」と言われてるし。
──ボクが初めて生デカモリシを観たのは、3年ほど前の「SBS杯」(毎年夏に静岡で開催されるU-18国際大会)だったんですよ。あのときは有力な選手があまり呼ばれなかったんで、メディア関係は君だけに注目してた。
モリシ ああ......、あれからもうだいぶ経ったような気がしますねぇ。
──あの当時とはだいぶメンバーが変わってましたけど、カナダのU-20ワールド杯に出場した日本代表は、すごくいいチームに仕上がってました(=07年6月30日開幕)。吉田靖監督(=当時37歳)の手腕だったの? それとも選手たちが自然にまとまっていったわけ?
モリシ 選手がまとまっていきましたね。でも、監督が自由にやらせてくれるタイプだったのが良かったんだと思います。「遊んでもいいから、やるときはやれ」ってよく言ってました。その雰囲気にボクらも合ってたんで。だから一つずつ勝っていくうちに、選手同士がどんどん仲良くなっていきましたよね。
──U-20ワールド杯の放映は、日本ではごく一部でしか放映されませんでした。吉田監督にしても、準優勝のチェコにPK戦で負けたという内容だったのに、その後もあまり評価の声が上がってません(=決勝トーナメント初戦のチェコと2-2で引き分け、日本はベスト16止まりに終わった。一方のチェコはベスト8でスペインをPK戦の末に下し、準決勝ではオーストリアを2-0で完封、優勝したアルゼンチンに1-2で敗れて準優勝)。
モリシ う~ん......。正直言って、吉田さんには北京五輪の監督もやってもらいたかったし、もし吉田さんが監督になったら「絶対に行きたいね」って皆んな話してたんですけどね。まぁ、評価っていうものは、試合に勝ったら選手の評価が上がるし、負けたら監督の責任にされるものなんでね。優勝して初めて「監督が凄かった」って言われるじゃないですか。だから正しく評価されるのは、なかなか難しいんでしょうねぇ。
──初戦のスコットランド戦で、ロングフィードからモリシが躰で押し込んだゴールがあったでしょう(=前半終了間際の43分、日本のロングボールに対してディフェンダーがクリアミス。GKがカットしたボールにそのままモリシが躰で飛び込み、最後に押し込んだ日本の先制弾。後半12分には梅崎司が2点目をあげ、同34分には安田理大のグラウンダーのクロスに対して、青山準が放ったミドルシュートから3点目。3-1でスコットランドに快勝した)。
モリシ はい。
──あのデカいスコットランドのディフェンダーに、思いっきりぶつかっていってたよね。
モリシ 本当にデカかったですよね。だけどそういうチームに勝ったんで、逆に勢いがつきましたよね。
──あのボールによく追いついたよね。足は速いほうなの?
モリシ それはよく言われますね。
──モリシだけじゃなく、皆んなよく走ってた。オシム監督が欲しがるような素材がたくさんいるチームでした。
モリシ たしかにチーム全体がよく走ってたと思います。
──で、その当時のモリシの発言に「サッカーは喧嘩だと思ってる」というコメントがありました。
モリシ ああ、言いましたね。本当に喧嘩だと思ってますから。とくに国際試合では、日本人ってナメられることが多いでしょう。「弱いくせに」なんて絶対に思わせないようにプレーしようっていうのが、ボクのプレースタイルなんですよ。
──モリシは日本代表の ヴァンダレイ・シウバ
でしたよ。
モリシ ......(爆笑)。ボクはミルコのほうが好きなんですけどね。あの 左ハイ
が。
──ところでセレッソ大阪から大分トリニータにレンタル移籍したのは、去年の夏でしたよね(=7月16日の第17節から追加登録される)。
モリシ そうです。
──なんでそれまで出れなかったの? ケガ? それとも監督の考えと合わなかった?
モリシ う~ん......、まず、それが第一の理由となりますよね。ボクのプレーにすごく否定的でしたから。ボクのようなフィジカル系の選手が嫌いで、練習のときも当たりに行くとよく怒鳴られてました。やっぱり、そういう監督っているんですよね。ボク自身も合わないと思ってましたから。
──だけど箱の中でそんなにファウルを取られるようなタイプでしたっけ?
モリシ 取られますけど、「何でいまのが?」って、いっつも思ってるんです。
──たとえば平山相太のような競り合うタイプなんかは、よくファウルを取られてるっていう印象があるんだけど、モリシもそんなに取られてた?
モリシ 考えてみたら、そんなに取られてないですね(=大分ではリーグ戦17試合で2枚のイエローのみ)。逆にオフサイドは多いですけどね。
──それは長い距離を走って裏へ抜けようとするタイプだからでしょう。だからフィジカルが必要になってくるわけだけど。
モリシ はい。
──ということは、大分への移籍はすごく正解だったということだよね。
モリシ 無茶苦茶正解でしたね、ホントに。大阪のファンの皆さんには申し訳ないですけど、仮りに会社の上司に仕事をホサれ続けていた人間が、別の会社から「君にぜひウチに来てほしい」ってオファーされれば動くでしょう。で、移った会社が自分に合ってたら、もう元の会社には戻れなくなりますからね。お金の問題じゃなかったんで。ボクはサッカーがしたかっただけなんで。
──サッカー選手が試合に出れなかったらしょうがないもんね。
モリシ だってシャムスカから「自由にやっていいから」って言われたときには、涙が出るぐらい嬉しかったですから。「オレはもう何も言わないから。お前は自由に動いていいから」って言われたんです。
【その2につづく】
【本田圭佑インタビュー その3】 2009.10.23
【本田圭佑インタビュー その2】 2009.09.11
【本田圭佑インタビュー その1】 2009.09.01