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2007.02.17
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カテゴリ: 専門病院



 可奈と呼ばれている像が、平らな床をまったくの等速度で、上下動ひとつなく私たちに近寄ってきて、お茶を入れてくれた。私に出された茶碗は寸分の違いなくお皿の真ん中に置かれ、皿は私が右手を伸ばして紅茶をすするのに、これ以上ないと思える位置に置かれていた。しかも、コーヒー茶碗の縁から水面までの距離は、丸徳医師が手にした茶碗とナノ単位の狂いもないと思えるほどだった。
 それでも、可奈にだけはかすかに表情があった。
「ハッピーが第一位って、変だと思うでしょう」と可奈は唐突に切り出した。
「でも、私はハッピーになるくらいだったら、ずっと悲しみのなかにいた方がいいと思っていたんです」
「ありがとう。少し休んでいていいよ」
 丸徳医師は可奈にそう言って、私の方に向き直った。
「可奈だけがほんの少しですが、感情らしきものを表に出してくれるんです。ハッピーだけじゃなくて、患者たちを蝕んだカタカナをひとつ残らず白日の下に晒すのが私に残された仕事です。もちろん、治療もですが。まずは可奈だけが希望です。手がかりです。ただ、カタカナに触れることは傷口に触れることにもなるので、慎重に作業を進めています」 

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Last updated  2007.02.17 16:26:41
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