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グーグルが3月22日で中国本土でのネット検索サービスから撤退し、
検閲なし の中国語版検索サービスを始めた、との事です。
やっぱりなあ、という感想ですね。
「中国 グーグル 検閲」などで検索するとすぐに分かるのですが、中国共産党がグーグルでの検索に検閲を掛けていたのは有名な話です。
天安門、法輪功、チベットなどでの残虐行為、自由思想、ウィキペディアの閲覧など、当局にとって都合の悪い情報にフィルターを掛けて言論統制をするやり方は、インターネットの根本となる思想やグーグルの姿勢に真っ向から反対するものです。
私が思うネットの根本原理とは、まず情報の自由発信、そして発信者の無差別性だと思うのですね。
誰にでも平等に発信の権利があり、そして発信者の権威や肩書きではなく情報そのものの価値においてのみネット上では評価される。それこそがインターネットと既存メディアとの最も大きな違いであり、ネットの価値を生み出している由縁だとも思うのです。
当然そこにはネットリテラシーの問題が出てきますが、それはやむを得ないトレードオフです。ネット上にはゴミ屑のような情報や虚偽がしこたまあり、迂闊に信ずると痛い目に遭いますが、そういう点は差し引いてなお、先に挙げたネットの利点は「文化」という意味で優れていると思います。
大げさな言い方をすれば、ネットの普及により始めて「世界市民」という思想が具体化し始め、人類はグローバルな視点とグローバルなコミュニケーションツールを獲得し、誰もが世界中の情報に触れることが出来るようになった、ということにもなるのです。
一方、グーグルの検索システムもそうした思想に近いものがあります。
人為的な価値観の入り込む従来のディレクトリ式の検索サイトや、キーワードやメタタグの偽装に騙されていたロボット検索と違い、グーグルの検索システムの肝は酷く単純です。
それは「多くのサイトからリンクされているサイトは価値が高いものである」「価値あるサイトからリンクされているサイトもまた価値が高いものである」の2点だと言われています。(実際のところは明かされていないのですが、SEOについての本を読むとたいていそう書かれています)
全てのウェブサイトを予断無く無差別に扱い、価値のある情報か否かは「それを選択する人がいかに多いか」という一点に任せるというやり方なのですね、これは。
で、実際にそのやり方で非常に利便性の高いサービスの提供に成功したのがグーグルの検索システムな訳です。
と、ここまで書けば、中国共産党とインターネットやグーグルが如何に相性が悪いかは自明の理でしょう。
全てを統制して都合の良い情報だけを押し付けたい中共と、自由性を基本とする両者がかみ合うはずが無い。
インターネットが発達した現在、日本においてさえ、マスコミや評論家や政治家よりも一般人の方が質量共に優れた情報を持っている、という逆転現象は多々起こっています。
それを考えたら中共の首脳部はインターネットが怖いだろうなぁ、とは容易に想像が付くことはつくのですが(笑)。
年明けくらいからグーグルは中国当局を批判していましたが、ついに英断に踏み切った、という事ですね。これは喜ばしいことです。
私はグーグルが好きですから(株などは持ってないですが)、中国での活動でグーグルが「邪悪化」などと一部から指摘されていたのが遺憾でした。
10億の市場を失ってまでグーグルが中国共産党のくびきから抜け出したのは、本当にすばらしいことだと思います。
グーグルを失った中国人民が何をどう言うかが、また見ものでもありますし、ね。