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2007年01月08日
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すでに年が改まったのに、昨秋の、口切の茶事の話で恐縮ですが・・・。

11月初旬、C先生の口切の茶事に伺いました。

そこで拝見したのは丹波の茶壷。茶壷自体は普通なのですが、驚いたのは、茶壷と蓋の合わせ目あたりが、まるで土星の輪のように、まっすぐ横に広がっています。

先生はなんと言うことなく、小刀で、すいすいくるりと封印紙を切ると・・・、
この円盤が茶壷とふたに二枚に分かれてくっついたまま・・・。

お話を伺うと、こういうことでした。

茶壷と蓋を封印する美濃紙は、毎年口切をした回数だけ重なっていきます。
普通はこれをきれいにはがしてから、空の茶壷をお茶屋さんに渡し、新茶を詰めてもらいます。

あるとき、はがすのを忘れて、封印紙のついたままもっていったところ、お茶屋さんは、お茶を詰めた後、その上に紙を重ねて封印し、届けていらしたそうです。


先生は、一年に何回も口切の茶事をなさいますから、封印の美濃紙が重なった輪は、三センチ近い厚さになっていました。

『茶壷の年輪』とも呼べる景色です。

封印紙の合わせ目に押される印は、お茶屋さんは黒、亭主は朱を押しますから、そんな変遷も内に秘めているはず。
口覆(くちおおい)の裂地(きれじ)がなんとかかぶさって、口紐(くちひも)も結べていましたが、さすがに先生も『そろそろ(限界)ですかね』、とおっしゃっていました。

この茶壷の『入日記(いりにっき)』は、十枚以上重なっていましたから、十年分のときを経た年輪です。

茶壷を他に二つも持っていらっしゃる先生、いったい何回の口切の茶事をなさってきたのでしょう。








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Last updated  2007年01月08日 21時15分17秒
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koto@ Re:第4回花月合宿(06/30) はじめまして。花月百騎を検索していまし…
緑の海 @ Re[1]:杉村楚人冠邸の椿(03/14) ていけんさんへ ぼちぼち書いております。…
ていけん@ Re:杉村楚人冠邸の椿(03/14) 久し振りにお邪魔しました。 先月からだっ…
ていけん@ Re:北海道・恵庭岳登山(10/11) 再開ばんざい!!! 今夜から涼しくなるそ…
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