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アカデミー賞でオスカー受賞後、ブームが起こっている「おくりびと」。昨年9月公開から、超ロングランで放映されていますが、公開25週目にして、映画観客動員数第1位!!と報道されていました。オスカー受賞したので、1位にはなるかもしれませんが、アカデミー賞のずっと前から、25週も支持され続けているのが、すごい。
もうすぐDVDが発売されますが、ダイナミックなアクションものでも、大音響で楽しみたい映画でもないのに、映画館で、 大きなスクリーンで、まるで目の前で繰り広げられているかのように鑑賞したい 、と思った作品です。
ところで・・・・・
毎日どこかで「おくりびと」について報道されていますが、そのたびに、不満が残るというか、ちょっとやるせない気持ちになります。
勿論、本木さんの演技は、引き込まれるように美しく、チェロの指使いも本当に本木さんが弾いている音かのようによく動いていましたし、本木さんが演じたからこその賞なのでしょう。(ちなみに、本木さんにチェロを指導し、本木さんの演奏部分のアフレコを担当した「 柏木広樹さん 」は、もう何年も前から応援しているチェリストで、映画から聞こえる音が「柏木さんっぽいな~」と思いながら見ていましたが、ロールに名前を見つけた時にはびっくりしました。)
でも・・・・でも、私は、"脚本あってこそ"の作品だと思っています。
ちゃんと伝えましょうよ。せめて、「おくりびと製作委員会」の幹事会社のTBSのワイドショーくらいは。
ないはずの「原作本」が売れていたりします。特に今回の脚本は、映画脚本初挑戦の小山薫堂さんが、色々と取材をして作り上げたお話です。
薫堂さんが脚本を依頼される時に、『山形を舞台に、納棺師の物語を書いて下さい』とだけ言われたため、庄内に取材に行き、お寺の住職や葬儀場の職員に会ったり、納棺師の方にも3時間ぐらいインタビューして、その内容をもとにストーリーを練ったのだそうです。映画で印象的だった火葬場のおじさんのセリフも、実際に火葬場のおじさんが言っていた言葉なのだそうです。
主人公にチェロを弾かせたのも薫堂さんですし、銭湯のシーンも実体験なのだとか。
いつも原稿を書くときに音楽を聴きながら書くそうなのですが、「おくりびと」の脚本を書くときに、チェロ奏者ヨーヨー・マのCDをヘビロテでずっと聴いていたので、主人公がもっと劇的にするためには元チェロ奏者にしよう!と思ったのだ、という インタビュー記事
を見つけました。
「食のシーン」は、言わずもがなですが、「いしぶみ」も、実体験。
もう少し、脚本がクローズアップ されてもいいように思いますけど。
でも、
日本映画がオスカーを受賞した事が嬉しいのには違いありません。
まだご覧になっていない方は、ぜひ、スクリーンで観て欲しい映画です。
「おくりびと」 のように、静かな感動が心を温かくする、小山薫堂さんの小説(短編集)「 フィルム 」も、一日に一遍ずつ大切に読みたい、と思う作品集です。
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