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「ICPO」というとどんな組織を思い浮かべるでしょうか?
アニメ「ルパン三世」に出てくる”とっつぁん”こと「銭形警部」でしょうか。
ICPOとは「国際刑事警察機構(International Criminal Police Organization)」
のことで、インターポールとも呼ばれています。
現在、この組織には186か国が加盟しており、世界的な犯罪に対する
協力体制を築いています。
主な活動ないようは
とのことです。
ちなみにインターポールという呼称はRTTY通信の宛先略号に由来するらしいです。
(Wikiより(^^) )
無線家としては興味深いのですが、この組織では、その昔、
無線電信による文書伝達を行っていたらしいです。
少々リサーチしてみました。
「ICPO無線通信ネットワーク」なるものが存在していて、昔は世界中で
短波帯を利用した無線電信による通信を行っていたそうです。
その中でも日本にあった「ICPO東京無線局」は東南アジア地域の
地域中央局として機能しており、フランスのパリにあるICPO本部(中央局)
と通信を行っていたようです。

どんな無線局があったのかな?と興味が湧きまして
無線局や機材についても調べてみました。
インターネットでは殆どヒットしませんでしたが、数少ない資料によると
以前は東京の中野の送信所か受信所があったようです。(現在は無いようです)
日本でのICPO関係業務は警察庁が担っており、東京無線局は警察庁が
運用していたようです。
当時の警察通信概要図には「ICPO無線局」の記載があります。

通信所は霞ヶ関の警察庁の本部庁舎にあったのかな?
とも思ったのですが、詳しくは分かりません。
警察白書によると
「ICPO東京無線局は、霞ヶ関通信所、中野及び小牧送信所等から成り、ICPO無線網における東南アジア地域中央無線局として、ソウル、マニラ、ジャカルタ、バンコク、ニューデリー等の東南アジア地域の各国家無線局やパリの国際中央無線局との間で交信を行っており、その取扱電報の増加状況は、図9-10のとおりである。
図9-10 ICPO東京無線局における電報取扱通数の推移(昭和42~49年)
近年における犯罪の国際化の傾向は年を追って強まり、これに伴う情報量の増大に対処するため、国際商用テレックスの導入及び写真、指紋等を送受するファクシミリの採用等が検討されているほか、近くオーストラリアがこの無線網への加入を検討しているなど、ICPO無線網も更に充実、拡大が図られつつある。
」
とのことです。
やはり庁舎の中にあったのかもしれません。
通信所の写真を見つけました。


どうも上の写真の方が年代が古いようです。
下の写真を見ると沢山の無線機器(受信機やリモートコントローラー?)が
並んでいて、無線好きにはたまらないですね(^^:)
画像が悪くて詳細は判りませんが、恐らく日本無線(JRC)の受信機(NRDシリーズ)
のように見えます。
右の写真は昭和60~62年頃のようですから、そんな最近までは電信が
使われていたんですね。少々驚きです。
ちなみに次の写真は当時のICPO本部(フランス・パリ)の建屋です。

立派なログペリアンテナが林立しており、短波による通信をしていたのが
よくわかります。
ちなみに次の写真は現在の写真。

アンテナがありませんので、短波による電信は行われていないかもしれません。
ちなみに現在ICPO加盟の各国はI-24/7システムというネットワークで
結ばれているようです。


上の2つの写真は現在のものらしいです。
通信士によるCW運用は無くなり完全にIPネットワークや衛星通信に
移行したのかは不明なんですが、右上の写真の奥に受信機(NRD)と
リモコンのような物がラックに入っているように見えますので、
もしかしたらまだRTTY通信は残っているのかもしれませんね。
(もしかしたら手前の方がテレタイプしているのかも・・)
私が調べて分かったのはここまでです。
やはり詳しい事は「その道」の方にお話を聞かないと分かりませんねm(--)m
ただ、ICPOがモールスによる固定通信網を持っていたという事が分かっただけ
でもとても新鮮に思えました。
現在ではモールスによる通信は自衛隊や漁業無線の一部、あとはアマチュア無線
しかないようです。
時代の流れとしては当然ですが、少々残念な気もします。
CWってアマチュア的には小さい電力で遠くまで飛んでくれるので
私は好きなんですけどね~。
余談ですが、一つ気付いたことがあります。
東京局のどの写真にも一つだけ共通のモノが写っています!
それは・・・・・・「地球儀」 です。
現在の東京局の写真にも写っています。
水色のラックの上に写っている茶色の棒は地球儀の支柱でしょう!
先輩の代から、大切に受け継がれているのでしょうか。
(END)