生きてるだけでゼイタクです ~1/365のひとりごと~

生きてるだけでゼイタクです ~1/365のひとりごと~

2024年03月02日
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カテゴリ: 死別しての12か月



6月。

旦那さんがいなくなって5か月になろうとしていた。


「そろそろ自分の部屋に戻ろうかな・・・」


実家に戻って、毎日、買い物をしたり、のんびりと時間を過ごしたり
大丈夫だと思っていた

もう、ひとりで過ごせるようになる
後片付けをして、前に向かって進めるようになる

そんな風に思っていた

親にも迷惑かけられないし

私がいきなりやってきて、かき乱すのはいいことではない

いろいろな考えが頭をよぎる

とりあえず、部屋に戻ってみよう

部屋に戻って、ひとりで夜を過ごした

次の朝、

体が異常なくらいに重い
起きられない
怖くて、怖くて動けない

母親に電話をした

「助けて、助けて」

もう、ダメだった





旦那さんは、マンションの部屋と借金を残した

先妻との間の息子たちが、父親の死を知った途端
その死に群がるように、財産をよこせと言い出した

ふたりでささやかに過ごした部屋
それが、見知らぬ男どもに土足で踏みにじられて、


今まで生きて、積み重ねてきた思い出が
いっきに壊された
生皮をはがされるような痛み・恐怖
いつか、この部屋は思い出といっしょに奪われてしまう
そういう風に感じた

この頃は、住むところが無くなるかもしれないという不安と
思い出が奪われていくような恐怖で
毎日、片時も頭から相続の問題が消えることはなかった

それが心を蝕んでいた




実家に戻り、心療内科や精神科を調べた

「自分はどこかおかしい」



この時はそんなに深く考えていなかった

ただ、”グリーフ”と呼ばれる深い悲しみの中にいるだけだと思った

自分は対応できると思っていた


不安で抱き枕がなくては夜、眠れないことも
誰かのそばにいなければ、不安でたまらないことも

いつかは治まると思っていた

でも

心は確実に蝕まれ、声にならない悲鳴を上げ出していた

地獄への入り口まで来ていたことに気づかなかった・・・・・







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Last updated  2024年03月02日 17時31分56秒
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