笑 店

January 4, 2008
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カテゴリ: 読む

慈母子-智土しげさんの作品:白檀のビーズが優しく香る羽根


新年明けましておめでとうございます。

どうぞ今年もよろしくお願い致します。


今日は、2008年最初の日記と言うことで、少し長いですが、

加賀美幸子さんの著書より、心に響いたお話をご紹介します。



こころを動かす言葉

中村久子さんは、突発性脱疽(だっそ)という病に襲われ、

三歳の時両手両足を失くし、以来十四年間痛みは続き、

秋から冬にかけては昼夜の境なく泣き叫んでいたという。

十一歳になった時、母は将来を考え、一人でも生きていける様に、

猛烈な教育をはじめた。 手足のない子に着物を解(ほど)けと鋏を与え、

針に糸を通せと命令し、泣いても振り向かず、出来なければご飯も食べさせない。

でも中村さんは十二歳の終わりには 口を使って小刀で鉛筆も削り、字も書き、

糸も通せ、反物も縫える様になり、勿論、箸を体に縛りつけ一人で食事も出来た。

二十歳になったときには親元を離れ、自ら「見世物芸人」として生きていく道を選び、

不自由な身体で裁縫、編み物、短冊や色紙に文字を書く芸を人前に晒し、

四十六歳まで続けたのである。 堂々生き、亡くなったのは七十二歳。

その苦節の道と、境遇を乗り越えた光の道は、その著作などで広く知られているが、

「何で自分だけがこんなに苦しいのかと考えれば考えるほど 

混沌の坩堝(るつぼ)に陥るばかり。 悔やんだり恨んだりではなお苦しい。

 しかしそこから無理して抜け出そうとせず、あるがままを捉え、

腹を括ってしまえば、坩堝は坩堝でなくなる。

「抜け出そうと足掻き努力する苦しみ」と

「努力出来ることの有り難さ。  努力させてもらえることの有り難さを思うことの喜び」

とは、何という違いであろう。

「ここまで努力してきた。 頑張った」という意識より、

「ここまでやってこられ、頑張れる魂をもらっていることの幸せ」

を思いたいと、中村さんは言う。  

星

病を得る前は、努力すればどうにかなることに対しての

努力の仕方を経験し

病を得てからは、努力してもすぐにはどうにもならないことに対しての

さまざまなやり過ごし方を、発見してきました。

現状維持出来ることへの感謝の気持ちはありましたが、

それはすなわち、努力(effort)できることへの感謝でもあったのだと

この本を読んで気づきました。

今年も、より深く感謝できる一年になりますように。


中村久子さんに関するHP






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Last updated  January 5, 2008 09:19:10 AM
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