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2021.12.02
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グーとタラの手作り宇宙船『俺たちゃ一番号』は最初に地球に不時着した時のようなエンジントラブルもなく順調に惑星アレ=デ・ランに向かって航行していた。

そこに住む宇宙国家きっての大物政治家ベイロ・オッカナの孫が描いた彼の似顔絵を届けるためだ。

「グー、後どのくらいかかるの?」

ジョンピーが尋ねるとグーは航行制御モニターを見て答えた。

「あと3標準時間かな?」

ジョンピーは目を丸くして言った。

「さっきも3時間って言っていなかった?」

それを聞きグーはもう一度モニターを確認したが、やはり到着残り時間3標準時間と表示されていた。

「おかしいな?またタラの奴、宇宙船の整備に手を抜きやがったかな?」

「何だと?俺が手を抜いた?グーじゃあるまいし。」

ビリノン星の兄弟がにらみ合っていると、ジョンピーが気が付いて言った。

「速度がゼロになっているよ!?」

そんな馬鹿なと二人がモニターを見るとジョンピーが言った通り速度はゼロになっていた。

しかも今度はマイナスになって行くではないか。

「どうした?どうした?」

そこに彼の行くところトラブルの嵐のトットさんがやって来た。

だが3人は青ざめてトットさんの顔を見つめて同じく叫んだ。

「速度がマイナスになっているんだ。」

そのとき船体に激しい揺れが起こり始めて、最後にガクンと大きな揺れとともにおさまった。

タラはその時、宇宙船の窓から外の景色を見て気づいた。

「宇宙海賊だ!奴らに宇宙船がけん引されて捕まったんだ。」

「なに!」

グーはそう言ったまましばらく黙っていたが、おもむろに口を開くとトットさんたちに言った。

「君たちは宇宙国家の者ではないから、宇宙国家の法律で守られていない。だから脱出ポッドで逃げるんだ。さもないと命の保証はないからね。」

宇宙国家の者はその法律で守られており、それを侵すと宇宙国家全体を敵に回すことになるのだった。

「グーさんたちは大丈夫なの?」

ジョンピーは不安げにグーを見上げながら言った。

「なあに、俺たちは大丈夫さ。」

グーの言葉にタラも怪訝な顔で頷きながら、

「それにこの絵を託した人が、もし難しそうなら惑星タートルインに住むベン ケイノービという人に頼んでくれと言ったんだ。その時、たかが子供の絵に大そうなことだとは思ったんだけど。だからこれをその人に届けてくれるかい?」

そう言ってタラはベイロ・オッガナ議員に届ける絵のチップをジョンピーに渡した。

急がねばならない。

トットさんとジョンピーは脱出ポッドに入れられ、すぐさま惑星タートルインへ向けて発射された。

「ボス、宇宙船から脱出ポッドが1機飛び出しました。しかし、中には知的生物は乗っていません。」

ボスと呼ばれた男は乗組員の言葉にフンと鼻をこすって言った。

「放っておけ。どうせあのオンボロ宇宙船のことだ、機器が故障でもしたんだろう。」

そのボスの名はベーダ。

宇宙では悪漢ベーダと呼ばれていた。

一方、惑星タートルインに着くなりポッドの扉を開き、周りの景色を見た途端途方に暮れるのだった。

そこは見渡す限り砂漠の世界だった。

「なんか、とんでもないことになっちゃったね?」

ジョンピーの言葉にトットさんは黙ってうなずいたがやがて怒鳴った。

「こらマスP!また俺を大変な目に遭わせやがって!」






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最終更新日  2021.12.05 09:44:13
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