1
『サッカーによせて』 (谷川俊太郎)けっとばされてきたものはけり返せばいいのだける一瞬にきみが自分にたしかめるものける一瞬にきみが誰かにゆだねるものそれはすでに言葉ではない泥にまみれろ汗にまみれろそこにしか憎しみが愛へと変わる奇跡はない一瞬が歴史へとつながる奇跡はないからだがからだとぶつかりあい大地が空とまざりあうそこでしかほんとの心は育たない希望はいつも泥まみれなものだ希望はいつも汗まみれなものだそのはずむ力を失わぬためにけっとばされてきたものは力いっぱいけり返せ★☆★ああ、いいなぁ、谷川俊太郎。旬が衰えないのがいいなぁ。新鮮な言葉というのはきっとあまり死なないのね。最大公約数になんか興味ないという態度がむしろ一番多くの人の心のネットを揺らすのかもしれない。へらへらな私だけれどときどきはどよよんと落ち込むことがあるのは人としてあたりまえだろう。今日はほとんど誰ともなんにも話をしなかった。それがどうした。いやどうもしないのだけれども。長い間シベリアに拘留されていた叔父は、凍土に碁盤を書いてまいにちまいにち誰とも話さずに(誰とも言葉を交わすことを許されずに)碁の独習をしていたそうだ。それほど行えばそれはトラウマになって石など握りたくもなくなるのではないかと思ったのだがそうではなくて今も碁がとても強い。そうして何ヶ国語も話せるのだ。すごいな。わたしはいつからこんなにだらしなくなったのだ。生まれたときからか。張り詰めた金属線のようにあろうとはおもわない。緩々でいいのだけれどももっともっと瞬発的には張り詰めなくちゃいけないのではないかとそうでないとシンから伸びきったゴムならパンツも落ちちゃうよ。ファイト、わたし。ちからいっぱい。
2006年06月19日
閲覧総数 5406