ザ・スーパー・ポップ宣言

ノーザン・ソウル2

私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) 2
MY FAVORITE NORTHERN SOUL 2

私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー)

私の好きなノーザン・ソウル(ノーザン・ダンサー) 2

ノーザン・ソウル・ベスト200(ノーザン・ダンサー)

【 ノーザン偏差値 64

High Keys / Living A Lie (VERVE VK-10423)'66



1960年代に数枚のシングルを残したヴォーカルグループによる66年のノーザンダンサー。プロデュースは後にスウィートソウルの帝王にまで昇り詰めるGEORGE KERRです。ギターが入らず代わりに軽やかなヴァイブが鳴り響くという小粋なサウンドが特徴的。同じ66年の Richard Temple / That Beatin' Rhythm もヴァイブ中心のサウンドだったけど、この頃の流行の形態だったんですかねえ。派手さはないけど小気味よいテンポが心地よく、時折明るいブラスが盛り上げたりと雰囲気は華やか。リードは節操なく自由奔放に歌いまくる感じだけど、厚いコーラスがガッチリとサポートしており全体をリードしている。適度なスピード感と黒いグルーヴでフロアで踊るにはもってこいですね。スウィートのみでなくダンサーでもこんな素晴らしい仕事をしていたジョージカーの多才ぶりに改めて感心させられました。

「YouTube」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 楽器 快活さ ボーナス(ヴァイブ) ノーザン偏差値合計
8
7 8 7 7 7 7 8 5 64


FOUNDATIONS / IN THE BAD BAD OLD DAYS (Before You Loved Me) (UNI 55117)'69



1967年から1970年まで活動していたイギリスの他民族ソウルバンドの1969年のヒット曲。フリーソウル橋本徹氏監修の非売品コンピ「MOTOWN FLAVOURS & RARE TAKES」にも収録されていました。その意図通り1960年代のモータウンの代表的ヒット曲「Four Tops / I Can't Help Myself」辺りに近いサウンドを持つポップなノーザンダンサー。曲は「あの辛く苦しい昔の日々に(君が僕を愛する前に)」というタイトルが示す通り愛による救済を歌ったもの。なので全体的に明るく高揚感のある雰囲気に包まれていて、リードは力強く希望と肯定感に満ちている。多人数バンドならではで厚いコーラス、ホーンやストリングスなど華やかで分厚いサウンドも特徴的。激しく踊るという感じではないけれど、軽快なリズムと明るい曲調はノーザンシーンでも受けたはず。

「YOU TUBE」 で聴けます。
「YOU TUBE」 (スタジオライブ)
Johnny Johnson & His Bandwagon / In the Bad Bad Old Days (Before You Loved Me) (カバー)

明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 楽器 快活さ ボーナス(モータウン風) ノーザン偏差値合計
8
7 8 7 7 7 7 8 5 64


ED CROOK / THAT'S ALRIGHT (TRI-SOUND 601)'66



デトロイトのマイナーレーベルから1966年に出されたノーザンダンサー。ED CROOK自身この一枚しかシングルを残していないマイナー歌手だけど、このレーベル自体も2枚しかシングルを発売していない模様。然しながらこのレーベルの運営に関わっていたのがマニアには人気の1967年の名曲 「DREAM」 のCREATIONS(後のBROTHERS OF SOUL)のメンバーだというのだから面白いものです。年代も近いし案外同じ人材が関わっているのかも。モータウンの本拠地デトロイト産の本曲は軽快でスピード感のあるリズムが心地よいノーザンダンサー。ヴォーカルはドス黒いけど爽やかな女性コーラスや歯切れのよいブラスなどで聴きやすい。ストリングスも晴れやかだしピンピン跳ねるギターの音色も実にポップで楽しい雰囲気です。これ、SUPREMES辺りの女性グループが出してたら結構ヒットしたんじゃないですかねえ。

「YOU TUBE」 で聴けます。

明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 楽器 快活さ ボーナス(軽快さ) ノーザン偏差値合計
8
7 7 7 7 8 7 8 5 64


CALVIN GRAYSON / YOU'VE GOT TO BE WILLING (In Records 6312)'67



60年代中期に3枚のシングルを残した、おそらくカリフォルニアのディープ系黒人歌手のノーザンダンサー。人物については全く分からないのだけどGoldmineのコンピに入ってたり、ノーザンソウル系の「YOU TUBE」動画が複数アップされたりするので恐らくはイギリスのノーザンシーンで人気があった曲と思われます。明るく威勢のいい弦の音色で始まる元気で威勢の良い曲でテンポも良いので、当時はこの曲が始まるとフロアがドッと沸いたんじゃないですかねえ。歌唱がかなりディープだし、すこし展開にスムーズさが欠けるので、ノーザンファンというよりはディープソウルファン向きという気もしますがどうなんでしょう。因みに曲名は「やる気がなければ」という意味です。テンションも高く高揚感もあるので「やる気」に満ちた曲と感じます。

「YOU TUBE」 で聴けます。

明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 楽器 快活さ ボーナス(ディープ) ノーザン偏差値合計
8
8 8 7 7 7 7 7 5 64


EPITOME OF SOUND / YOU DON'T LOVE ME '67(Sandbag S101)



ニュージャージーの5人組グループの1967年の唯一のシングル曲でノーザンダンサー。リードが黒人でバックの4人が白人というすこし変わった構成です。やたらかっこよく響くグループ名だけど訳すと「サウンドの典型」とのこと。曲はここまで取り上げてきたノーザンと比べるとさほどスピード感はないし、派手さもないのだけれどメロディが素晴らしいですね。ストリングスから入るイントロも洒落てるし気品あり。リズムは瑞々しく和みつつ踊るのに適した感じかな。特に畳みかけるようなサビの盛り上がりがイイ。

ノーザンダンサーと言えば膨大な量のコンピCDを出しているGOLDMINEですが、この曲はその記念すべき第一作「ESSENTIAL NORTHERN SOUL STORY (GSCD 1)」に収録されていました。「YOU TUBE」では再生数も多いし下記動画でのコメント数は200超えなうえに評判も上々と、世界的には(イギリスでは)ノーザンソウルを代表する人気曲という感じだけど日本では全く人気ないですね(笑)。これは一体どういうことなんですかねえ。日本では甘茶ソウルが異様に盛り上がっているみたいなもんですか。うーん・・・。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 楽器 快活さ ボーナス(気品) ノーザン偏差値合計
7
7 8 7 7 9 7 7 5 64


ALEXANDER PATTEN / NO MORE DREAMS (Capitol 5677)'66



1966年頃にシングル3枚だけ残しているカリフォルニア出身の黒人R&Bシンガーのノーザンダンサー。軽快なピアノの際立つサウンドをバックに激しく歌うダンスナンバーだけど、本コーナーで取り上げる中でもかなり泥臭く黒っぽいですね。彼の自作曲のようでメロディはなかなかキャッチー。垢ぬけたスマートさという点では物足りないけど、その分ドス黒いグルーヴは迫力満点。歌も声質もなかなかいい感じで「ノ・ノ・ノ・ノー」と絶唱するところがバッチリ決まっていて一番の聴きどころかな。黒人男性の迫力あるノーザンダンサーとしてなかなか魅力的だけど女性受けは厳しいかも知れませんね。

「YOU TUBE」 で聴けます。

Cliff Nobles & Co. / The Horse (Phil L.A. Of Soul 313)'68



U.S.BLACK DISC GUIDE #76でも紹介されているクリフ・ノーブルズはアラバマ生まれのソウル歌手。ペンシルベニアで結成した彼のグループ名義で一枚のアルバムを残していて、そのアルバムタイトルとなっているのが本ヒット曲。シングルのB面曲として発売されていて そのA面 Love Is All Right のインスト曲という体裁が本来の姿ということになります。どのようにしてこの曲がチャートを上り詰めて行ったのか興味深いところですが、最終的にビルボードホット100で最高2位とのこと。基本はR&BテイストのダンスナンバーでアレンジはBobby Martin、バックは後のMFSBの面々でフィラデルフィア録音。ヴォーカルのクリフ・ノーブルズは基本的に参加してないので実質的に初期MFSBの楽曲と捉えられないこともないのかも。それゆえ単調ながらもしっかりとした黒いグルーヴを感じさせキャッチーなホーンも印象的。リズムもスピード感があるしドラムも躍動感があり、踊るにはもってこいのノーザンダンサーと言えるでしょう。同系統の前年1967年産のインストヒット曲、Archie Bell and The DrellsのTighten Upを彷彿させるものがありますね。なお全くの余談になりますが、ヴォーカルのクリフ・ノーブルズの残した 「THIS FEELING OF LONELINESS」 は高沢仁氏に「シングル盤中のシングル盤」と言わしめた極上のソウル名曲。

「YOU TUBE」 でPVが見れます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 楽器 快活さ ボーナス(MFSB) ノーザン偏差値合計
7
7 7 7 9 6 8 8 5 64


GERRI GRANGER / BREAKDOWN '64 (BIGTOP 45-514)



60年代初期から活躍し1972年にはアルバムを1枚残している黒人女性歌手によるノーザンダンサー。年代的にかモータウンの影響を強く感じる内容でリズムやコーラスの入れ方など1963年のMartha Reeves & The Vandellas / Heat Waveにかなり近い雰囲気。ヒートウェイブと比べると暗くいまいちキャッチーさに欠けるが、スピード感やグルーヴ感はなかなかのもの。颯爽とした感じにクールな歌いっぷりは万人受けはしないだろうけど如何にもノーザン狂好みという感じ。なお、1966年にMillionairesによるカバーが出ています。

「YOU TUBE」 で聴けます。

Millionaires / Breakdown

明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 楽器 快活さ ボーナス(クール) ノーザン偏差値合計
7
7 7 8 8 6 8 8 5 64


Outsiders / Respectable '66



Time Won't Let Meのヒットを持つオハイオ州の白人ロックグループ、アウトサイダーズのノーザンダンサー。オリジナルは1959年のアイズレーブラザーズのR&Bヒットで、それをTime Won't Let Me風に焼き直した感じ。アイズレーの古く泥臭いR&Bをスマートで垢ぬけたカバーに仕上げた点ではビートルズのツイスト&シャウトを彷彿させますね。暴力的で激しいビートでスピード感が増し、粗削りで瑞々しさを感じさせる仕上がりは将にノーザンフロアに最適という感じ。他にもCHANTS、FOURMOST、YARDBIRDSなどがカバーしてますが、このバージョンが抜けて良い。

「YOU TUBE」 で聴けます。

Isley Brothers / Respectable
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 楽器 快活さ ボーナス(スマート) ノーザン偏差値合計
8
8 7 7 7 6 8 8 5 64


Aretha Franklin / Old Landmark '72 「Amazing Grace」



古くから歌われているゴスペル曲のアレサ・フランクリンによるライブ・カバー。ゴスペルというと静かに祈りを捧げるバラードタイプの曲という印象が強いけど、この曲のように踊り狂いながら歌うタイプの曲もある。このバージョンはJames Cleveland & The Southern California Community Choirというコーラス隊を伴い、ロサンジェルスの教会で演奏された実況中継版ということになります。基本はテンポの速いダンス・ミュージックでアレサとコーラス隊との掛け合いでどんどん盛り上がっていくもの。グルーヴィなリズムに手拍子を伴い、ライブならではの臨場感とアレサのソウルフルなヴォーカルが素晴らしい。特筆すべきは2分23秒からのピアノの演奏で流麗かつスピーディに畳みかける感じが素晴らしく最大の聴きどころ。所謂ノーザンダンサーとしてクラブでプレイされていてもおかしくない内容かと思います。他にも映画ブルースブラザーズ内でやはりJames Cleveland Choirを伴い James Brownがカバー しています。狂乱のダンスが楽しいけど、これ本当に神様とやらに祈りを捧げてるの?賛美の名目だけど実は単に踊って楽しんでるだけなのでは?ってツッコむ場面なのかも。(尚、本記事は宗教を肯定、推奨するものではありません。)

「YOU TUBE」 で聴けます。

Aretha Franklin / Old Landmark (別ライブ映像)

TWILIGHTS / SHE'S GONNA PUT ME DOWN '64(HARTHON 134)



黄昏(たそがれ)といういかした名前のこのグループはDISCOGSによると60年代初期に2枚だけ残して消えてしまったペンシルバニアのDOO-WOP系グループ。B面として出されたこの曲はバックの演奏がしっかり付いているので、純粋なDOO-WOPスタイルではないけれど、延々添えられる「ドゥッ ドゥッ ドゥッ」という快活なDOO-WOP風コーラスや「ララララー♪」というファルセットが印象的。というかこれはもろに当ブログではお馴染みの Diamonds / Little Darlin 直系のスタイルですね。明るく爽やかでちょっと甘酸っぱい青春系メロディに剽軽な味付けということで個人的には実に好みのタイプ。更にノーザンダンサーとしてスピード感と歯切れの良いサウンドがついてダンサブルに仕上がっているのもイイ。この路線でもっと作品を残してくれれば良かったのに儚く消えてしまい残念。CDではGOLDMINEからのノーザンコンピ「Groovin' At The Go-Go (The Harthon Collection)」に収録されています。このコンピには同じハーソンからのノーザン「Eddie Holman / Eddies My Name」も入っていてお得かも。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(DOO-WOP系) ノーザン偏差値合計
8
7 7 7 8 8 7 7 5 64


JOE TAYLOR & DOMINOES / YOU DON'T LOVE ME (HMF 2002)'68



どうやらこの一枚だけで終わってしまったアメリカのグループの68年頃のノーザンダンサー。スピード感はさほどでもないが、明るく元気なサウンドで軽やかなギターが印象に残る。ヴォーカルがなかなか魅力的で時折『ハッ!』と気合を入れるのが特徴的。如何にも黒人ノリといった感じの自由奔放な歌い回しがグルーヴィですね。適度な緊迫感と猛々しいコーラスなどもいい感じです。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(気合い入れ) ノーザン偏差値合計
7
7 8 7 7 8 7 8 5 64


EDDIE HOLMAN / EDDIE'S MY NAME '65(Parkway P-981)



複数の甘茶ソウル名曲で知られるファルセット歌手エディ・ホルマンの65年のノーザンダンサー。この曲の曲作りも手掛けているから多才という感じですね。曲は「エディが僕の名前」と繰り返し歌われるので自己紹介タイプの曲という感じ。自己紹介曲と言えば「FLOATERS / FLOAT ON」が 「最も(歌詞が)馬鹿馬鹿しい曲」 に選出されてたりしますが、この曲も似たような感じなんでしょうねえ。「トシちゃんが僕の名前♪僕の名前はトシちゃん♪」とか歌われたらそりゃ馬鹿丸出しって感じだものなあ。しかし幸いなことに私は日本人なのでダイレクトに歌詞が伝わってくる訳でもないので純粋に曲だけ楽しめるのは幸運でした。曲は軽快なリズムに晴れやかなメロディ、コーラスや弦の明るい味付けが良い。最後に入る高音雄たけびも彼を慕う山下達郎を彷彿させますね。こういう明るいノーザンダンサーは貴重です。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 快活さ ボーナス(遠吠え) ノーザン偏差値合計
8
8 8 8 7 7 6 8 4 64


Martha Reeves & The Vandellas / In My Lonely Room '64(TAMLA MOTOWN TME 2009)



モータウンのガールグループ、マーサ・リーヴス&ザ・ヴァンデラスの1964年のヒット曲。既に 「Heat Wave」 も取り上げ済みですが、こちらもHolland–Dozier–Hollandチームによる制作で将にモータウンを代表するノーザンダンサー。軽快ながらもグルーヴィで厚いサウンドに爽快な高揚感のあるコーラスがかぶり実に華やか。更に手拍子の採用により臨場感が増し親しみ易さも感じる。1961年の「Marvelettes / Please Mr. Postman」でも手拍子が部分的に入っていたけれど、本曲では大幅に取り入れることでかなりのグルーヴ感を増すことに成功した感じ。(関係ないけど「BEATLES / I WANT TO HOLD YOUR HAND」の手拍子はマーヴェレッツ版の影響という感じがします。)手拍子はグルーヴィなノーザンダンサーにおいてはとても効果的で重要な要素の一つですね。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 楽器 瑞々しさ ボーナス(手拍子) ノーザン偏差値合計
8
7 8 7 8 7 7 7 5 64


【 ノーザン偏差値 63

INTERNATIONALS / DRY BONES IN THE VALLEY '72



ニューヨークのSpring Records制作のダンサブルな1972年のゴスペル系ノーザンダンサー。プロデュースはJoe Simonで、作曲はAretha Franklinの父のReverend C.L. Franklinです。アレサといえば同じ1972年の 狂乱のゴスペル・ダンサー Old Landmark とかなり近い内容ですね。アップテンポでグルーヴィなサウンドをバックにコーラス隊が延々同じフレーズを繰り返す手法で、これはゴスペルにおいては、催眠的・陶酔的を状態を生み出すのに効果的に作用しているらしい。実際に音を聴けばなるほどなという感じですが、宗教・信仰的な熱狂や高揚を狙った一種の儀式であることを思うと個人的には受け入れがたい。ただそこは日本人なので歌詞含めてダイレクトに宗教臭さが伝わってこないので個人的には楽しめる感じですね。イギリスのノーザンファンはどうだったのでしょうか。

「YouTube」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 楽器 快活さ ボーナス(繰り返し) ノーザン偏差値合計
8
8 7 8 7 6 7 7 5 63


BROADWAYS / SWEET AND HEAVENLY MELODY (MGM K13592)'66



ニュージャージーの4人組黒人ヴォーカルグループのシングル曲で所謂ノーザンダンサー。後にモーメンツのメンバーとなるBilly Brownが在籍していた。シングルを僅か2枚しか残していないけど、その中にはスウィートソウル的な Goin' Goin' Goin' Are You Telling Me Goodbye? があり、この頃からビリー氏は既にニュージャージーなスウィートソウルを展開していたことになります。 You Just Don't Know もキャッチーな人気曲で出来が良いので、シングル2枚、合計4曲全てが良曲だったという如何にもマニア受けしそうな密度の濃いグループでありました。本曲は唯一のダンサーで、快活で瑞々しいドラム&パーカッションが特徴的。リードの歌うサビ部分がない構成なので、主旋律はいまいち盛り上がりに欠けるけど、かわりに高揚感のある爽やかなハーモニーが主役的活躍をみせています。後半1分50秒ほどのところで躍動するドラムも楽しい。

「YOU TUBE」 で聴けます。

BRENTON COLBERT / TAKE THE CLOUDS AWAY (Atlantic City 103)



ニュージャージーのマイナーレーベルから一枚だけシングルを出している男性歌手によるノーザンダンサー。検索してみると80年代後期にイギリスで活躍したシンセポップグループ「Living In A Box」のリードヴォーカリストだった白人男性Richard Darbyshireが別名で歌ったものらしい。またクレジットはされていないけれどもノーザンのDJなどで知られるIan Levineがプロデュースしているとのこと。従って80~90年代に敢えて素性を隠して往年のノーザンダンサー名曲の復活を狙って作った白人によるブルーアイド・ノーザンダンサーということになるのかも。

曲はスピード感、グルーヴとも申し分の無いノーザンダンサー。サウンド的にはそれこそノーザン名曲の「Leon Haywood / Baby Reconsider」辺りを、そしてヴォーカルはDELLSのMarvin Junior辺りのソウルフル路線を目指した感じでしょうか。メロディは爽快で解放感があって、なかなかスマートな印象を受けます。曲名ともなっている「雲を払い除けろ!」という歌詞は佐野元春辺りを彷彿させ、ちょっと青臭い感じがして気恥ずかしい。全体としてキャッチーな出来でちょっと飽きやすいのが玉に瑕でしょうか。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ サウンド 瑞々しさ ボーナス(爽快感) ノーザン偏差値合計
8
8 7 8 7 7 7 7 4 63


JUDY STREET / WHAT '77 (GRAPEVINE 106)

JUDY STREET.jpgWIGAN CASINO STORY.jpgSOFT CELL.jpg

所謂ノーザン・ダンサー。単調にスピードで押し切るのではなく抑制の効いた適度なスピードのリズムとヴァイブの冷ややかさが粋なナンバー。徐々に盛り上げていく序盤のメロディも爆発的なサビのメロディも共に良い。プロデュースはH.B.Barnum。「THE WIGAN CASINO STORY (GOLDMINE GSCD 51)」収録で当然日本のクラブでも盛り上がっていると思われる。

82年にNEW WAVEバンドSOFT CELLがカバーしてヒットしたので、日本の音楽ファンにもメロディは馴染みがあるはず。 そちら もテクノな味付けですがメロディの良さも相まってなかなかポップな良い出来です。それに比べて オリジナル のアレンジはいまいち垢抜けないのですが、そこにこそ70年代ノーザン・ソウルの味・醍醐味があり、ソウルファンはそこに痺れる、憧れる。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(粋なグルーヴ) ノーザン偏差値合計
6
7 7 7 9 7 8 7 5 63







続きます


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