銀河英雄伝説をずーっと見てます。
本編から見始めて時系列順の最後にあたるこの作品。
重い・・・。
ひとりの女性をただ一途に愛し、そのためにすべてを失った老軍人の物語。
「誠意や愛情がそれを尽くされる者にとっては負担でしかない場合もあるのだな」
「人生は初級の数学ではない。方程式ですべてが解決するわけではない」
「これだけの愛情を注げば、これだけの結果が返ってくる。と、わかっているなら人生はなんと単純で明快なものだろう」
「中佐、君は正しい。私より正しい」
「私は度し難いナルシストだった。誰一人、私によって幸福にならなかった」
「この人のバーゼル夫人への愛は無償のものだった。それは、尊いものといってよいのだろうか。それとも単なるエゴ、なのか」
「私が誰に愛されたかということは問題ではありません。私が誰を愛したかということが重要なのですよ」
「ミヒャエルがクリストフより善良で誠実な人であることは私にもわかっていました。でもね、お若い人。人間としての評価の高さと愛情の深さとの間にはなんの関係もないのですよ」
「ふられ男の恨み言か。バカバカしい。嫉妬のあまりの妄言ということで片付けられるさ」
「余計なお世話か。だが、私に言わせれば3年前のカイザーリングがやったことこそそれだった。頼みもせぬのに罪をひきうけ私に無言の恩を押し付けたのだ。奴は昔からそういう・・・」
重要なのは誰かの愛を求めるのではない。自分が誰を愛したか、ということ。そしてそのことによって決して後悔しない、ということ。ミヒャエル・フォン・カイザーリンが後悔しなかったように、ヨハンナ・フォン・バーゼルが後悔しなかったように、彼、ジークフリード・キルヒアイスも決して後悔しない。その思いがキルヒアイス自身の記録であり、この一両日を確かに生きたという証であった。
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